サメの話(採集番号051)

 むかし、むかし、女、ユルメマルがいた。ユルメマルはとてもいい女だった。あるとき、男がやってきた。とてもいい男だったので、ユルメマルは一緒に食事をして寝た。すると男はカドゥン(※1)となり、ユルメマルを殺してサメに食わせてしまった。そして、しゃれこうべを波打ち際に捨てた。波が寄せて返すたびに、しゃれこうべは歌った。

『サメよ
 サメよ
 わたしの肉を食べにおいで
 もうおまえに食べられる肉はないけど』
 ロプ貝のつぶつぶ、焼けた石(※2)

 ※1 カドゥンはときとして、人に憑いたり、あるいは人の形をとって人間の前に現れる。
 ※2 話の体をとっていない。おそらく話者の忘れた部分がある。

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