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死ぬ前までに食べたい100の美菓 しんこ細工の犬っこ


2月の東北には小正月にちなんだ行事が多い。秋田県では秋田犬と飴にちなんだ祭りが行われる。

大館のあめっこ祭りについては前にも書いたが、忠犬ハチ公のふるさとで、あめっこ市のほか、秋田犬のパレードなどが行われる。

湯沢市の犬っこまつりは、約400年の歴史がある湯沢地方の冬の民俗行事で、雪のお堂や犬っこ像をつくり、厄除けや安全祈願を行われる。

犬っこまつりの名物菓子が、しんこ細工の犬っこで、大館のあめっこ同様に、屋台で売られる。

「しんこ細工」は、白米を臼で引いて粉にした、上新粉を水でこね、蒸してついた、餅のようなもの。

生地は砂糖が入っていて甘い味がするから、そのまま食べても和菓子のような感覚で食べることができる。

この生地を使い、色々な形に造形し、着色して販売していたのが「しんこ細工」で、昔の香具師の手技になっている。

しんこ餅は扱いが難しく、冷めると細工が出来なくなってしまうため管理が大変で、色々機材を工夫し一定の温度を保つようにしている。今は電熱機により温度を自動で、適度な温度と生地の湿度を保って加工している。

犬っこまつりのしんこ細工は、東京土産のひよこのように、愛らしくて、食べるのも惜しくなる。

しんこ細工は全国にあるが、秋田と同じ米どころ新潟県上越市の、細工菓子ちんころもまた愛らしい。毎年干支を形どったちんころが作られている。

ちんころもまた縁起菓子で、昔は小正月に家庭でも豊作や安産を願い作られていたという。室内で飾り、乾燥してわざとひびが多く入るようにして、見事ひびがたくさん出来ると豊作になると伝わっている。

将来に残したい、美しい菓子、それがしんこ細工だ。写真は、秋田県湯沢市のしんこ細工犬っこだ。

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