怖いけど面白かった夢のメモ

ある日、街を歩いていると、突然地面にグリット状の線が浮かび上がり、
いくつかのグリットの中には文字が現れた。

すると、ピピピ〜という変な音が街中に鳴り響いた。

その直後、周囲の何人かが、急に何かに切られたかの様に、体が真ん中になって倒れた。

地面から目に見えない巨大な鋭い刃の板が飛び出したかの様な光景だった。

街中に流れた、ピ、ピ、ピ、ピ〜というカウントダウンのタイミングでまた大勢の人が真っ二つになって倒れた。

人々はパニックになり、どんどんと真っ二つになり、死んでいった。

一部の人間はその場を動かず、10秒おきに訪れる、死の裁断を逃れていた。動けば、皆の様にい真っ二つになってしまうからだ。

自分もパニックになりかけたが、なんとかその場を動かずにいた。

その時、むやみに動いて死んでいく人間とは異なり、スルスルと移動を続ける15歳くらいの少年を見かけた。

その少年は、ある程度動くと、立ち止まり、また歩くという動きを繰り返していた。

自分は彼の後ろにぴったりとついて歩いた。
この子と一緒に動けば、あの見えない刃物をよけられる。という根拠のない賭けに出た。

少年はその後、ある建物に入っていった。

建物中の地面にはグリットや文字は存在していなかった。

あまりにぴったりくっついて歩いたせいか、
少年は急に振り返り、話し出した。

「僕と一緒に動けば死ななくて済むってよくわかりましたね。」

突然、話しかけられたのと、何やら意味深な発言に驚いた自分はこう返した。

「君は何か知っているの?」

「この人でいっか。」
と呟くと、少年は語り出した。

「僕は少し先の未来から来ました。
この地球の殺人行動の様なものには、からくりがあります。
まず、あのカウントダウンのタイミングで地面に書かれたグリット線の上にいると、裁断されます。」

「また、黒い文字が書かれたマスは安全ですが、何も書かれていないマスや赤い文字のマス。この二つの中にいても裁断されます。」

つまり、カウントダウンが終わるタイミングで必ず黒い文字のマスの中にいれば、生き延びれます。」

「君はなんでそんなことを知っているの?」

「僕より少し未来の人がこうやって教えてくれました。その人はさらに未来の人から教えてもらった様です。つまり、僕たちはこうやって過去にタイムスリップしては、この事件での死傷者を少しでも減らす使命を受け継いでいます。以前は僕もあなたの様に”地球の裏切り”の被害に遭い、この様に未来人を名乗る人に声をかけられました。」

「じゃあ、このことをみんなに・・」

「ダメです。この事実は一人にしか伝えてはいけないことになっています。」

「なんで??」

「地球がそう決めたからです。」

「地球?」

「いいですか。この地面に浮かび上がった文字は、上から見ると原稿用紙に書かれた"文章”になっています。長さははおよそ10キロ。その文章を読めば、この事象の止め方がわかる様になっています。他にも60分だけタイムスリップする方法、"この事象の止め方”を絶対に誰にも教えてはいけない点が書かれています。ですので、僕もあなたに解除方法を教えることができません。」

「教えたらどうなる?」

「わかりません。地球の怒りに触れるのかもしれません。」

「さっきから地球の怒りとか裏切りとかってなんなんだ?なんで俺にそんな話を?」

「この状況において、僕の後ろをついてこれば死なないことを見つけるくらい冷静な人だったからです。この状況化で、僕が言うことを信じてくれる人を探すのが、この使命の一番の難しいところでした。

いいですか?僕はもうこの時代にとどまることができません。さっきの方法で街を移動し、文章を読み解き、"地球の怒り”を解除させてください。そして、あなたもまた過去に戻って、このことを誰かに教えてあげてください。」

少年はそういうと、ふっと目の前から消えた。

建物の外では10秒に一度、赤い文字の上の人と
グリットの境界線に立ってた人が死んでいっている。

それのからくりを誰かに喋れば自分も地球の怒りを買うのだろうか。

地球の怒りってそもそもなんだ?
文章を読めばわかるのか?

疑心暗鬼になりながらも、建物を飛び出して、歩き出した。


・・・・・・・・・・・・

3年後、しかし、時間軸としてはあの"地球の怒り”が起きた2021年8月に自分は立っていた。

ピ、ピ、ピ、ピ〜というカウントダウンとともに、また地球の大量殺人と60分以内にこの中から後継者を探すという自分の挑戦が始まった。

終わり。


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