見出し画像

生死の苦海ほとりなし ひさしくしづめるわれらをば  弥陀弘誓のふねのみぞ のせてかならずわたしける/高僧和讃 親鸞聖人御作 唯信 YUISHIN 九坊院より言の葉だより 2020年(令和2年)5月発信【Posted Article Scrap】

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦ FUKASHI HOJO 2020 ♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
♦Blog officiel de Song & BowzuMan♦

May♯Ⅴ

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

眞信山 蓮向寺通信
(浄土真宗本願寺派)

唯信
YUISHIN
九坊院より言の葉だより
2020年(令和2年)5月発信

謹みて 有縁門信徒のみなさまにおかれましてはお念仏御相続のことと拝察申し上げます。新型コロナウィルス(COVID-19)感染拡大に伴い緊急非常事態発令の延長が決まりましたが、お心持はいかがお過ごしでしょうか。なにかご不便やご不自由はございませんか。すぐに飛んでは行けませんが、毎月の『築地新報』(築地本願寺機関誌)発送に併せてお便りを申し上げます。

 当山にて春彼岸法要・花まつりの休座を決定したのは2月末でした。市内で国内初の海外渡航歴のない方が亡くなり、院内感染発生の報道が流れ、「一体これから相模原はどうなってしまうのだろう?」と不安に感じられた方もおられると思います。   
現在ほどウィルスの特性などは判然としていませんでしたが、お寺としては感染の可能性を少しでも軽減したいと考えました。年に一度の音楽法要ですが、個的な思い入れよりも優先しなければならない事があります。生まれて初めて坊守と慈音だけがお参りする法要の導師を勤めました。

生死の苦海ほとりなし ひさしくしづめるわれらをば
 弥陀弘誓のふねのみぞ のせてかならずわたしける
高僧和讃/龍樹讃 親鸞聖人御作


【意訳】苦しみに満ちた迷いの海はどこまでも果てしなく続いている。その海に長い間沈んでいるわたしたちを、阿弥陀仏の本願の船だけが、必ず乗せて浄土に渡してくださる。(浄土真宗本願寺派『三帖和讃』現代語版より)


非常事態宣言の延長もあり、まだ先行きは不透明ですが、こんな時だからこそ、親鸞聖人さまが記された御和讃を聞き、そのみ教えを頼りに阿弥陀如来さまの限りなく深く広いご本願を味わいさせていただきたいと思います。
親鸞聖人さま御在世の折にも疫病の流行がありました。命寿尽きた幼子を抱いて離さない恵信尼さまの手から我が子の亡骸をむしり取り野辺送りの火に放ったという逸話が伝えられています。一見すればむごい仕打ちのようですが、疫病で命を落としたからこそ、残るものの命を守るためにはそうするしかありませんでした。常日頃から本願他力のみ教えを深く信知されていたからこそ、「無条件で救う」という阿弥陀如来さま御誓願に心を預けていたからこそ可能な行動だったと思います。阿弥陀如来さまは、年齢も死に方も、死に場所も救いの条件にしていません。ただ、「我が名を呼べ」と。私たちが呼ぶべき我が名こそ、『南無阿弥陀仏 ナモアミダブツ』です。
 今現在、世界が直面しているCOVID-19の感染爆発が収束した時、私たちは新しい生活を迎えるのでしょう。良いか悪いかはわかりませんが、〝元通り〟ではないことを覚悟しなければなりません。
 だから今は、あふれる情報に振り回されず、悪意ある誹謗中傷に身を委ねず、便乗詐欺の口車に惑わされることなく、〝真実一路〟を貫きましょう。そのためには、真実を映す『鏡』で自分自身をしっかり見つめなければなりません。もし、『鏡』に映る姿に、不安や恐怖や疑心暗鬼が宿っていて、「こんな顔いやだ」と思うなら、その時こそ、「そのままに救う」と誓われた阿弥陀如来さまの大慈悲心をいよいよ頼りにする時です。愚生も、『南無阿弥陀仏 ナモアミダブツ』の言の葉と音と成って、必ず『私』を救うと誓われた阿弥陀如来さまの大慈悲心を頂き仰いで歩きたいと思います。有縁の方々と共に歩く道です。
当面は、とにかくご無理なく、ご自愛にてお過ごし下さい。いつか必ずお会いしましょう。                                                    合掌称佛


                   眞信山蓮向寺  住職 北條不可思(法名:釋難思)


いつでも どこでも NAMO-AMIDABUTSU ナマンダブ ❝NAMOWAMIDABUCHI❞

画像1

『野聖物語 (やひじりものがたり)』《1987年作》
【原題:野の聖:nono-hijiri】
親鸞聖人『Shinran-Shonin of my mind』

https://plaza.rakuten.co.jp/fukashihojo/diary/202107260000/