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ねぴらぼInvention

2回目のねぴらぼもすごく良かったので、公式にレポートが上がっているけど、自分なりの感想文を書いてみる。じきに配信が終わっちゃうし。最近、昔の日記を読み返してみて、たいした文章じゃなくても残しておくといろいろよみがえるので。

今回はスタイリストも入って、事前にファンブック(このサービス精神に泣けてくる)やサイトが作られて、ビジュアルが公開されていたのが良かった。クラシカルで格段におしゃれ(特にござさん)になってかっこいい。“Invention(発明)”というテーマがはっきりしていたのもグッド。後日、楽曲紹介の文書も公開されて、あー、やっぱり時代は情報のシェアだわと思ったもんだ。こういう知識はあるのと無いのとでは全然違う。
当日はiPadをテレビにつなぎ、テレビ(音が貧弱なので)とアナログコンポをつなぎ、スタンバイ。

ということで、バッハインベンションの1番からスタート。けいちゃんの電子ハープシコードから菊池さん編曲のマーチ風の演奏へ。みなさん事前のビジュアルの衣装で登場。菊池さん30歳をちょっと超えただけとは思えない貫禄。かてぃんさん前髪編み込みでかわいい。ござさんチェックシャツにサスペンダーがかわいいけどマスクは死守。けいちゃん蝶結びのリボンタイでこれもかわいい。
曲が終わってアナウンス「Welcome to the world of NEO PIANO CO.LABO.  Invention!」(あってる?)が入る。

かてぃんさんのかっこいい「ドラえもんのうた」から菊池さんソロの「Spain」へ。翌日チック・コリア氏の訃報が伝えられて、図らずも追悼演奏になってしまったようだ。
この日は夫も一緒に見ていたのだが、菊池さんの演奏を見て「山下洋輔みたい」と感想をひとこと。
次にござさんアレンジの「新宝島」。すみません私この曲知りませんで、さっきYouTubeで見てきた。やー、ござさん版のほうがいいわー!ほんと、ござさん何で介護やってたの?

ステージが暗転して、けいちゃんの「World & Me」が鳴り出した。けいちゃん座ってると思ったら、かてぃんさんも背中合わせに座ってて…連弾を始めたよ。と思ったら菊池さんとござさんも連弾してて4人全員での演奏だった。ファンブックのインタビューで、けいちゃんの希望がこの曲を4人で演奏、とあったのが実現している。
それぞれが順番にアドリブソロ(耳に馴染みのあるフレーズが混じってる)を弾く。ござさんは何故か拝まれている笑
これ、良かったなー。けいちゃんだけの曲じゃなく、全員の曲になっていて、息ぴったりで。

和やかなMCの後で菊池さんの「ラフマニノフメドレー」。こういうのは原曲全部知ってないとだめね。おばさん勉強不足。クラシックが敬遠されがちなのは、曲のタイトルが番号だけで内容のイメージがしにくいというところもあるかな。
だけど、おいしいとこ取りの贅沢バージョンというのはわかった。今回ピアノにタブレットが立てかけてあって、楽譜かなと思ったらコードが書かれているだけだったので驚いた。ほっそいスポットライトに照らされて神々しい菊池さんであった。

菊池さんはそのままでござさんも加わりスタートしたのは、「Everything」。しっとりとした良い曲だなあ。調べてみたら、20年以上前の曲だった。ちょうど娘がお腹にいた頃で、もう音楽なんかほとんど聴くことも無くなっていた気がする。

ドラムスティックの合図が入って始まったのがござさんとけいちゃんの「ソーラン節」?なんとも不思議な選曲で、疾走感のあるアレンジで。かつてのネピサマで配信トラブルに見舞われた、ござさんのリベンジだったようで。

次!なんと衣装を変えて登場したかてぃんさんと菊池さんの「caribe」(ミシェル・カミロ)。これも初めて聴くスタイリッシュなラテンの曲。解説にもあったけど、タイミング合わせるの大変だろうなと思った。こういう曲は全然聴いてこなかったので、いろいろ勉強不足を感じるが知識が増えるのはいいことだ。後でカミロ氏の公式サイトを見てみたら、微笑むご本人の写真が大写しになってびびってページを閉じた。

次!これまたいつもの衣装に着替えたけいちゃんが登場。さいたまスーパーアリーナで披露したオリジナル曲「浄土」。読経のようなフレーズと初音ミクの声が印象的。つか、本人が歌っている。初めて聴いたときびっくりしたね。声はエフェクトかけてるけど、ちゃんとビブラートかけて歌ってるもんね。ピアノだけじゃなかったのかこの人は!って思った。

印象的なエレクトリックピアノの連打で始まったのは「Lingus」これも初めて聴く。けいちゃんはまさかりキーボード。かてぃんさんはグランドピアノから電子楽器に移動。
ここで大昔に楽器屋でバイトをしていたという夫が、うんちくを授けてくる。かてぃんさんがいじってるのはシンセサイザーのmoog(ムーグ、またはモーグ)。菊池さんが連打していたのはRhodes(ローズ)ピアノ。これまた衣装替えしたござさんが弾いていたのはHammond(ハモンド)オルガン。夫が、俺ハモンド売った、とか言ってる。ローズピアノは、カーペンターズの兄さんが弾いてたと言うがそんな古い話はおばさんでも知らない。
話を戻す。ござさんがグランドピアノでくるみ割り人形を混ぜたりしてるけど、ほぼすべて電子楽器での演奏、という異空間にいるような演出。今までに無かったスタイルで面白い。

2回目のMCでサポートメンバーの紹介。ドラム・パーカッション・ベースのご三方。今回はパーカッションがプラス。やっぱりいてくれないと困るみなさんであった。

ステージにかてぃんさんとドラム・ベース・パーカッションだけが残り、次なる曲は上原ひろみさんの「Dancando no Paraiso」。調べてみたらポルトガル語だそうで、英語にすると〝Dancing in the Paradise〟だとか。
右手の薬指に絆創膏を貼って臨むほどの激しい演奏。セッションでは、それぞれのソロがかっこよかった。

けいちゃんがステージに上がり、2人で作った連弾曲「YABUSAME」を披露。前回作った「KABURAYA」の発展形だそうで。連弾しているときのけいちゃんの顔がすごく嬉しそうで、和む。いたずらっ子みたい。それにしても、同じフレーズを2人で寸分違わず弾いたり腕が交差してたり、夢のような光景ですわ。眼福ぅ!

けいちゃんが残り、初公開オリジナル曲「透明シンデレラ」。えへっと笑うのがまた、いたずらっ子っぽい。演奏が始まって、初音ミクの声が聞こえたと思ったら

え?

ちょっとちょっと歌ってるの誰よ?

うおおお!これ弾き語りってレベルじゃねーぞ!

じゃんじゃかピアノを弾きながら、そのオクターブがジャンプ?する歌は一体…。いやはや、とんでもない隠し玉をぶつけてきたぞ。前回ちょっと遠慮がちな印象があったけど、今回はリミッターを外してきた感がある。けいちゃんの歌声に全部持っていかれたー!

次のステージにはござさんが登場してオリジナル曲「清新の風」を。ステージ上の空気の入れ替えのような爽やかさ。ほんと、ござさん何で介護やってたの?(2回目)

暗転の後、かてぃんさんのピアノから始まったのが「Room 335」。これ、今回のライブの私のお気に入り。後でYouTubeで調べたらおじいちゃんがギターを弾いていて驚いた。ラリー・カールトン、1978年の曲だそうで、よくそんな古い曲を引っ張ってきたなと思った。
チルい、と表現されていたけど確かにリラックスできる、誰にでも好まれる曲だと思う。

3回目のMC(けいちゃんすでにまさかりキーボードで待機中)の後に前回も演奏した「Some Skunk Funk」。菊池さんのピアノで美しく始まったけど、すぐあのガチャガチャした曲調へ。
ファンクって何だろうと思って調べてみたけどよくわからなかった。黒人音楽から来てるみたいだけど、…まあ、こういうトゲトゲがいっぱいくっついたような曲がファンクなんだろうな。

そして最後の曲へ。菊池さんピアノのふたを叩いていて、なんだと思ったらまさかの「ボレロ」。ドラムとかてぃんさんのピアノ。菊池さん、けいちゃん、ござさんへつなぐ。かてぃんさんmoogへ移りウニョ〜ン。菊池さんローズピアノでバッハインベンションのフレーズを。けいちゃんまさかりキーボード。ござさんハモンド…。
それぞれ楽器を交代しながらじわじわと盛り上げて、最後に銅羅のグワーンで締め。全員が並んでフィナーレ。ああ、終わってしまった。

今回のねぴらぼ。当然前回よりスタイリッシュにパワーアップ。やっぱり人選が素晴らしい。長年一緒にバンド活動やってきた人たちみたいで、しっくりくることこの上無し。ギターがいない(全員キーボード)というのも特異。4人が楽器を取っ替え引っ替え弾くスタイル、それに選曲も素晴らしかった。オリジナル曲はもちろん、彼らが生まれる前の古い曲でも丁寧に演奏されて、先人への敬意が感じられた。良い曲は絵画と同じで後世に残るエネルギーを持っているのだと。
今回は着ぐるみも出てこず(中の人がご自身の配信でもう必要ないから、とおっしゃっていました)(前回あれはあれで良かった)、MCにもあったようにいっぱい詰め込んで一気に駆け抜けた感があって良かった。次もあるかな?次はござさん、マスク取らないと。

ライブの円盤欲しいな。DVDじゃなくてBlu-rayで。副音声入りで。あ、あと個人的にステージのあちこちに置いたり貼ったりしてたプログラム(黒い紙に蛍光インク?で印刷されてるやつ)欲しい。ちゃんと場に溶け込むデザインで、こういう細かい気遣いは尊敬に値する。

とにかくねぴらぼメンバー、サポートのベース・ドラム・パーカッションのみなさん、撮影・照明・音響等裏方のみなさん、プロデュースの事務員Gさん、素晴らしかったです。ありがとうございました。
おばさん、五十路ですがこの歳になっても世の中面白いことがいっぱいあるってわかって楽しいです。

★この日は水瓶サインに6天体、木星と金星が合、新月まで数時間、というタイミングでよくぶつけてきたな(意図していないと思うけど)と感心した。なんでも2月11日はエジソンの誕生日だそうで。水瓶サインの表すところは、発明はもちろん革新とか変化とか、自由平等、ネットワークやコラボレーション等々つながりの広がり。風要素のサインらしく、まさに新しい風を感じさせる日だったのではないかな。

◆2021年6月13日追記
6月12日17:00から再編集版が3000円で向こう1年間配信されている。以前の配信を購入した人は2000円(と手数料)で見られる。
再編集版には通常のライブ映像と、メンバー4人と事務員Gさんによる副音声付き映像の2種類が入っている。
メンバーが自分たちの演奏映像を見ながらずーっとしゃべっていて、演奏時の心情の吐露、黙ってりゃ気づかれないミスの暴露などで大盛り上がり。今回は字幕(音楽に関する解説も)やメンバーのワイプ画面も入っていて楽しい。
これやっぱり演奏を見聞きしただけじゃわからないことも多いし、美術展の音声ガイドみたいにあるのとないのとでは理解度の深さが全然違う。
見直して思ったのはタイトルをねぴらぼ〝2〟ではなくて〝Invention〟にしたのが良かったということ。洗練さが格段に上がっていると思う。
そして改めてメンバー(サポート含め)のすごさを感じる。

本当に濃くて〝エモい〟演奏をありがとうございました。

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