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Dabel の配信でミキサーを使う”Jacking” Dabel 機材部通信 #1

Dabel 機材部とは、 シリコンバレー発の音声SNS "Dabel"の音声環境を最大限に引き出して、最高にクリエイティブな空間を作りだしているプライベートなサークルです

自己紹介

はじめまして、Dabel 機材部のアニです。普段はDabelで草を抜いたり、お部屋の片付けをしたりしながら、Dabelが産み出す音声空間が人を幸せにする仕組みを探求しています。

Dabelの音声空間

iOSアプリケーションDabel については、すでに他の記事に紹介されているように、他の音声SNSにはない魅力がたくさんあります。なぜそんなに魅力的なのかという理由の一つに、圧倒的な音の良さがあります。

これは、Dabelがハイクオリティな音声処理システムを採用し、音声体験を高める絶妙なチューニングが施されているからなのです。これによってユーザーは、モノラルなのに奥行きや広がりが感じられるような体験を得ることができるのです。

初めて経験する人は、アプリを通じてお喋りしている相手がまるで目の前にいて、一緒に同じ空間や時間を過ごしているような体験に驚くでしょう。Dabelユーザーは世界中にいるので、LAやロンドン、ハノイやヨハネスブルグにいる人たちと一緒に語り合うだけでなく、お片付けをしたり、海辺を歩いたり、居酒屋で一緒に飲んでいるような特別な体験、いわば時空を超える体験ができるのです。

他にも音の良い音声SNSはありますが、このチューニングの心地よさはDabelでしか感じられません。この心地よさが醸し出す雰囲気が、やさしい世界に心地よさを感じる人たちや、フラットな社会を自由に泳ぐクリエイティブな人たちから評価されているのです。

もっと良い音を流すための機材

Dabelの音声空間にはどんな状況からもアクセスできます。お部屋から気軽にアクセスするなら、本体のマイクとスピーカーでも十分です。散歩したり、作業したりするときは、AirPodsProなどのワイヤレスイヤホンがあれば便利ですが、コードのついた純正のイヤホンEarPodsでもいいでしょう(実は、EarPodsのマイクは案外性能が良いのです)。

でも、もっと良い声でお話をしたり、楽器を演奏したり、自作のBGMを流したい時などには、ミキサーやマイクなどの配信機材を使いたくなるものです。

例えばYAMAHAが配信用ミキサーとして発売しているAG-03・AG-06とaudio technica のコンデンサーマイクAT-2020の組み合わせは配信機材の定番の一つで、機材部も最初はAGユーザーのグループとしてはじまりました。

USB接続ミキサーの致命的な落とし穴。おしゃべりできない!

しかし、ここに大きな落とし穴がありました。実は、「配信用」と言われるAGシリーズはiPhoneやiPadなどのiOSでの双方向通信を前提とした音声SNSで使用することは想定されていないのです。つまり、Podcastなどの1方向の配信では問題ないものの、双方向通信になった途端に使えなくなってしまうのです。これは、機材部では音声信号の割り込みを適切に管理するためのiOSの基本的な仕様ではないかと考えています。

実際に、Dabel のラウンジで配信を始めると、ホストだけが話している間は全く問題なくミキサーでミックスした音声が流れるのですが、誰かがおしゃべりに参加した途端ミキサーとの接続が切断されるとともにiPhoneやiPadの本体マイクとスピーカーに切り替わってしまい、元に戻すことはできません。つまり、通常の方法では、USB接続のミキサーを使った相互通信はできないのです。

Dabel 機材部が見つけた、ミキサーを通じておしゃべりする裏技 Jacking (特殊な方法なので、保証対象外となる可能性があり、自己責任でお願いします)

なんとかUSB接続のミキサーを使って配信できないかと試行錯誤した結果、機材部はその方法を見つけました。特別な改造などは必要ないのですが、もしかすると何らかのバグかもしれないので、操作は自己責任で行って下さい。

Jackingのために必要な機材

・ Lightning-USB (3) カメラアダプター
・ イヤホンジャックのついたiOS機器(iPhone 初代SE 以前のモデル、iPad mini 4 以前のモデル など)
・  イヤホンジャックに接続するイヤホン(Apple 純正 EarPodsなど)
注意!:イヤホンジャックのないモデルではこの裏技は使えません。ミキサーを購入してから、iPhoneが対応していない!ということにならないように気をつけて下さい。

Jackingの手順

ミキサーを使っておしゃべり(双方向通信)を実現したいときには次の手順に従って下さい。タイミングやiOSのバージョンでうまくいかない場合もありますが、機材部では、YAMAHA AG-06 やiRig Stream、Focusrite iTrack Solo + iPhone 初代SE、iPad mini4 などの組み合わせで動作確認をしています。

1 ミキサーと繋がったUSBケーブルにLightning-USBアダプターを用いてiPhoneやiPadのLightning端子と接続し、ホストとしてラウンジ(配信)を立ち上げます。これで、ホスト→リスナーの一方向配信は可能です。
2 「しゃべりたい!」人が現れて、おしゃべりにその人を追加すると、一旦音声がiPhone本体のマイクとスピーカーに戻されます
 慌てずに、イヤホンジャックにイヤホンを差し込みます
 音声がイヤホン側から聞こえてきたら、イヤホンジャックに差し込んだイヤホンを抜きます
 すると音声信号がLightning-USBで繋がったミキサー側に移され、ミキサーにつないだヘッドフォンやモニタースピーカーから音声が聞こえるようになり、マイクを通じた音声がおしゃべりをしている相手やそれ以外のリスナーに聞こえるようになります。これで、ホスト←→スピーカーの双方向通信が可能となります。
 タイミングにもよりますが、新たに人が加わる度に、2〜5の手順が必要になる場合があります。
 最初からイヤホンを挿しておいて、抜くだけでうまくいく事もありますが、確実ではありません。

終わりに

いかがでしたでしょうか?もしかするとうまくいかないケースもあるかもしれませんが、もし上手くいったのなら、Dabelの音声環境が数段充実することになるでしょう。ポイントは、人が加わるたびに、イヤホンジャックのイヤホンを抜き差しする。です。

ラジオ局の放送のようにコンプレッサーを効かせたナレーションによる配信をしたり、楽器を接続してリバーブを効かせて弾き語りをしたり、自作あるいは著作権フリーの音源素材を使ってBGMや効果音を使ったドラマチックな配信をするなど、どんどん可能性が広がります。Dabelではすでにこの環境を利用した配信が増えてきていて、今のところトラブルは報告されていません。自己責任の範囲内ではありますが、興味がある方はお試し下さい。

そして、繰り返しになりますが、イヤホンジャックのないモデルではこの裏技は使えません。ミキサーを購入してから、iPhoneが対応していない!ということにならないように気をつけて下さい。

Dabel  機材部では、日々、新しい機材を試しながら、Dabel の音声空間がもたらすクリエイティビティを最大限に引き出す方法を考えています。これからも、いろいろな機材の使用レポートや新しい使い方、トラブルの対策などについて発信していきますのでよろしくお願いいたします。


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