おすすめされた文庫本を読むようにワヒロを始めた・2

4〜5章の感想です
ワールドエンドヒーローズ、メインスト更新分まで読み終わりましたー。梅雨の合間の読書と言いつつ、一晩の雨が止まない間に読み切ってしまった。
一度読むと止められないこの引力、本当に凄いです。
もう完全に物語に引き込まれた側になってしまったので、前回みたいに冷静な文章ではないです。ずびずび泣いた。

・久森くんと巡くん
読んでから全然立ち直れてない。
私の反省でもあるんですが、3章で敵幹部が出てきて、物語が佳境になって、それでもまだボロボロに傷つくけど何とかなるって思っていた節があった。けど全然そんなことなかった。
彼らは唯一戦える人間で、だからこそ前線に送り出されていて、緊急時には死力を尽くさないといけなかった。文字で読めばサラッと読める設定なのに、病室での出来事がそれを突きつけてきた。
見えない未来から、何とかして未来に繋ごうとしていた久森くんも、短絡な自己犠牲ではなく、力を尽くした先に希望を見出そうとした巡くんも。
久森くんは見えること自体で苦難したこともあるだろうし、変えられない運命が辛かったこともあるだろう…と思っていたが。嗚咽。
予知を酷使しすぎて、久森くんの視界が暗くなるまで、この後敵を倒してボロボロの久森くんと巡くんが何とかやったね、って笑い合うラストがあるって思っていた。でも、現実はそうじゃなかった。
彼らが戦うって、命の火を燃やすってそういうなことだってまざまざと見せつけられた、し、未来視で目が合ったとき、2人とも幸せにならないといけないのにって思って、もうベッショベショに泣いた。

・敬くん
全然立ち直れてないその2
もともと間宮施設組はほんとに生き様がそれぞれでどれも真っ当で誰も間違ってなくてしんどいなーと思いながら見ていたので、この少し前で何も捨てられない佐海くんと始めからちゃんと選んでいた敬くんの対比よ。美しいが残酷。
大事なものは一つまでって、佐海くんに煽りのように使っていた言葉が、破れない氷の壁を通して伝わってくる。そのスチルの美しさ…。
敬くんは二人のお兄ちゃんだからね…お兄ちゃんは我慢して、お兄ちゃんが弟を守るのはわかる、けど、敬くんだって幸せにならなくちゃいけない人なのに、って思ったらベッショベショに泣いた。
ヒーローのみんな最優先で幸せになってほしいんですが聞いてます神様?いるの?いないの?


・紫暮さん
これはベッショベショに泣くというより、不思議とすうっと目の前がひらけたように感じた。
紫暮さんは絶対に自分の誇りを失わない人で、誇りに傷をつけようとするやつは絶対に許さない、生き様同士のぶつかり合いだと思った。紫暮さんが他人に揶揄されようが自分を曲げないのは個人スト(読んだ!)からもわかるんですが、ガチでその尊厳を遺伝子レベルから否定してくるような相手で、紫暮さんは戦う力を剥ぎ取られて、でも紫暮さんは後輩の前で笑うんだよなぁ、全然何でもないように。それはプライドもあるけど、あの局面で頼城紫暮であることが(結果やせ我慢でも)どうしようもなく生命の尊厳で祝福された命だと思ったのですね。
その一方で、誰かの尊厳を傷つけた祝福されない生命は(行動に理由があるにしても)無惨に、自業自得に散っていくんだなーって思いました。映画・ゴーストのラストに向かうシーンのようだ。


・生命の尊厳
話に出てきたので。
ワヒロさん、結構ずっと生命って何を持って生命とするってことを丁寧に何度も問いかけてきている気がする。人造人間たちの処遇だったり、入れ物の魂だったり、どれが人間を人間たらしめるものか?って言う。
彗吾のこととか七見のハード面とソフト面とか。
話を進める上で地球と感応してる彼らを生命としていびつだって言う表現にもいくらでも出来たと思うんですよね。異能力ものでよくあります。
でもそうしない。彼らが必死に生きることによって生命を肯定し、明るい正解を示していく…という…書きながら泣いてるんですけど、なんて丁寧な筆致の生命賛歌なんだってずびずびしてます。
ヒーロー全員生命祝福されてほしい…。しかし救う・救われるって概念がわたしが観測してる今のところ愛教会の教えしか出てこないのにウッてなった。


・頼れる大人
第一弾で子供を前線に行かせる大人について語りましたが、また彼らはひどい裏切りに遭い……
彼らをせめて支えてくれる大人はいないのか、と思ってらここに来てプレイヤーが多く台詞指揮する台詞を出して彼らを支えるという…演出意図だとしたらものすごいなこれ、とおもいました。
指揮官はいつの間にかめっちゃ腹が決まっていて、彼らを戦わせたり声を掛けたり浅桐さんを行かせたり(いつの間にそんなシビアな指示を…)している。ゲームの中の大人である私は責任を彼らに対して取れてるだろうか…という不安を、自分がゲームプレイで打ち消していくという。がんばる。

あとこれ、わたしは一気に一連の流れで読んでるけど他の人たちはイベストとか個人ストとか読んで愛着湧いた中での5章なんですよね?想像しただけで心がひしゃげそうになった。
つらすぎる…全ての指揮官さんを尊敬する。
とりあえずみんながわちゃわちゃしてる話が読みたい。
あと倫理くんも一般的な幸せではなく魂の落としどころを探ってる気がするので怖い。出てくる度に心臓がキュッてなる。怖い。彼のことがとても好きです。


・余談、自分のこと
最初に文庫本と表現したのは、敬虔な気持ちで読み進めたかったのと、ソシャゲと文庫本ってわたしの中で扱いが似ているなぁと思ったからです
おすすめされても、仕事が忙しくて読む暇がない、通勤電車で読もうとしても文庫本すら開くスペースがない(念のためですが例えです)、バッグにお弁当と水筒が入ってるから文庫本を持つバッグのスペースがない、とか。わたしはそのときたまたま重い荷物をプライベートで下ろしたタイミングだったので、ワヒロという実直で多彩な文庫本を手に取ることができました。
でも一頁や数頁めくるとあとはすごく引き込まれて、今こんな風になっている…。こんな素晴らしい出会いがあるなら、自分の容量をいつでも少しだけ開けとかないとなぁって反省しました。
わかりやすくテンポがよいストーリーは頭に入ってきて、アップデートの世界とかSF疎いから理解できるかな?って不安だったらプレゼンのパワポみたいな画像が挟まれたり、読ませるための引力を作ってるところが結構、今まで読んだゲームシナリオにない部分でワヒロさん親切および有能……と思ったり。でも先を進める切なさもあり。

でも、ワヒロはまだ続きがある…!わたしがまだ読めてないイベストもある!まだまだめくる頁がたくさんあるんだなって思えて、今すごく幸せな気分です。まだまだ手に取れる本がたくさんある。
幸せだなぁーーー!
一旦ここで感想は終わりますがまた書きたくなったら書くと思います。とりあえず紫暮さんが元気なイベストは教えてもらったのでそれ読みます!

パワーワードも何もない、取り留めのない文章を読んで頂きありがとうございました!