花束を抱えて

街中のいたるところに電飾が取り付けられ、冷え切った空気にわずかばかりの温かみを感じさせる。「師走」というだけあって疲れた顔で足早に過ぎ去る人もいれば、自撮りに勤しむ若者の姿もある。あと5分くらいか。白いため息を吐き出しせば、より一層寒さが身に染みて、思わず手のひらを擦り合わせる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?