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1%のギャグと99%の狂気

 作品集サイトのほうに、過去の手記もどきを投稿(販売)した。

 例によって冒頭の数十行のみ無料とした。このサイトのマガジンを購入済みのVIP様は下のURLからも読めるようになっている。

 
 非VIPの傍観者たちにも特別にこの手記の山場的文章を読ませてやろう。

 やがて私は、この世界の不幸をすべて背負わされているように思い、決してそうではないと理屈ではわかっていても、そう思いこむことでしか、自分を支えることができなくなりました。皮肉にも、自分こそが唯一の不幸人であると思うことで、辛うじて生きてこられたようにも思います。しかし、それは誰にも認められることはありませんでした。だから私は、自分の不幸がどれだけのものかを人々に知らしめるために、この度の犯行に及んだのです。
 私の不幸や悩みが、そんなにちっぽけなものであるなら、なぜそれを解決する手段が手の届くところにないのか?私の不幸や悩みが、あなた方が言うように、本当に幼稚でくだらないものであるなら、なぜあなた方の言葉が私には届かないのか?
 それはきっと私がバカだからではない。あなた方がくだらないと思っていることを、実はあなた方自身が何もわかっちゃいないし、乗り越えてもいない。ただ、この世界を牛耳っている価値観に、わずかながらも自らの境遇が重なっているというだけで、自らを思い止め、生きながらえているに過ぎない。そんなあなた方に、私はいつまで這いつくばって、ありもしない希望の言葉を期待しなければならないのか?
 あなた方というのは、私以外の全部の人間のことです。つまり、厳密に言うと、被害に遭われた方々一人一人を、私は明確に恨んでいました。皆さまにしても、当然その対象でした。さらに申し上げれば、誰でも良かったではなく、誰一人も生かしておくわけにはいかなかった、ということです。
 しかし、それは現実に無理です。だから私は、できるだけ多くの人を殺そうとしました。この私がもてる力のすべてを使って、この世界にできるだけ大きな打撃を与えて、こんなちっぽけな私のくだらない悩みでさえ解決できないこの世界の無力を、存分に思い知らせてやりたいと思ったのです。
 そして、その目的が少なからず成就したことに、今でも満足している気持があることは正直否めません。現に、私は日本中の知るところになりました。しかし、信じて頂けないかもしれませんが、被害に遭われた方々をはじめ、皆さまへ心から謝罪したい気持も確かにあります。両者とも私です。どちらが欠けても、それは私自身ではありません。


 僕は秋葉原の加藤と同類的な人間だ。何か一つ間違えば僕も加藤になっていた。ちなみに加藤とは同郷の青森で、学年は違うが中学校が隣同士だった。

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