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自由連想法による文章練習【19】

 いまさらトゥエンティ―フォーが親しらずで死ぬかもしれない恐怖を半分くらいかき消してくれて 妻はそれこそ本当に繰り返しなんども寝た 残り時間は3年とし インプラントのローン終了後に貯金が1年 さらにユウキの師範も間に合う計算だとすればむしろちょうどよく 髪はナユちゃんが帰ってからの午前中に切ってしまえればとおもった 晴れと珈琲と鶏肉の切り分けはさらにそのまえの今やるのがベストで そのために立ち上がろうとするぼくの窺いはだからそろそろ終わろうとしていた じゃあぼくは決して弘前から青森までのバスのなかでのことを忘れてしまっているらしく モリーユのマスターはたぶんまだ普通に生きているだろう いや 「決して」というのはおそらく間違いで 山本さんが言うこともわからんでもないギリギリを一応堪えたそのあとにぼくはそのままユニバースにいった 卵と珈琲も明日で じゃあ今日買っておくべきものの最中ぼくは夜行バスの一番後ろに乗っていた あらためての上京は3年後 上野で中田とわかれて以来ではない東京の新宿にぼくはなんども降り立ち そのたびに失った新鮮を取りもどしつつぼくはまた寝ようとした 浦安もまたぼくにとって原点であるにちがいなく スダレのむこうの丸見えやら遊歩道の脇においた姿鏡もさることながら 花園神社の紅テントを検索したら唐十郎の誕生日会がさいきん行われたらしく79歳だった つまり63歳だった唐十郎がテントをめくって現れたあの日ごろのぼくの周りのにぎやかは終わりがみえず いい加減破産してしまったほうが良さそうに思ったからといって やるべきことは限界までしっかり突き詰めたはずだった そもそも「三和マンション」の「マ」だったか「ン」のどっちかが出っ張り部分にはみ出しており 競売の場合の退去時期のよゆうを考えても無理にヨッケに買ってもらうのはやっぱりやめようと思ったら その程度のリスクは想定済みらしく それを聞いた母は泣いて喜び ぼくはまあいっかと思ったくらいだった たしかに父の気持ちもわからんでもないにしろ 追い出されたらひとたまりもないことをいま一度いわねばならない手間はまあいってしまえば箸休め的な手間でもあり 日本語もおぼつかない人への英語教育にしても何にしてもある意味笑わせてくれる父の人格はやっぱり破壊するべきことをひっくり返すのはやっぱり難しそうだと思った カステラの選別はいうに及ばず オレンジもつけたすことにし 久しぶりに淵の小説でも読みたくなったような気分から思いだした梅ヶ丘はそのとおり夜で ぼく自身はコンビニバイトをしたことは一度もなく そろそろ4時のまえに小便をしてからボンにむかった もうダメな父をどうしようと自由ならばとっとと薬漬けにしたい気持ちのなによりを我慢する必要はたぶんもうなく いい加減殺すしかない人間のそれが実の親だろうがそんなことはだからもうとっくのむかしにどうでもいいとはいえ 手すりで腕立てを頑張る父の輪郭に後ろ髪をひかれての躊躇はまだもう少し続きそうだった 要するに死ぬしかほかに道がないことのいよいよを父自身が与えられた駒ではないやり方であれこれしたところでそもそも状況をかえるのは不可能で だからもうとっとと東京に帰ってしまいたい気持ちからこれからの道のりを軽く想定するつもりでもそれ以上でも以下でもなく 電柱にカラスがとまっているそれだけのことのほうがぼくにとっても誰にとってもよっぽど重要な気がした 今さら働くことはいうに及ばず かといってどうお茶を濁しにかかっても常識をしかも強く主張されることの面倒がなにげに尾をひき ヒジキも切り干し大根もそこそこうまくできたようで安心した そして皿はナントカ焼きのやつにしたらモミジオロシとミツバはわすれず 一番楽しんでいたのは母だったといったら同意した妻にそら豆を買うことにした そのかわりタラモサラダをあきらめてタラコをもどしにいったらタラコのまえが軽く人だかりになっていて その中心の女はレジの女にすこし似ていて 免許証の件でいい加減投げだしたい匙の投げ方をどういうふうにググったものか悩んだすえなにも解決しないを繰り返した 岩木山まではっきりの晴天のどこが濁りぎみかはよくわからず いっそう角刈りになっていたスキップ兄ちゃんはチーズケーキがよくお似合いだった そしてやっぱりラーメンは食べないだのアオシンの話を無視した重三郎のどうしようもなさにつくづくし けっきょく弁当は買わず ぼくとしての意見はもはやないに等しかった 悔しさのよみがえりはそうでもなく 百人一首とお茶がおわって「じゃあもう帰るか」といったユウキの声がきこえてクスッとしてからもう一度靴下をさがしてみたがやっぱりなく ひいたはずの歯ぐきの復活ぎみの痛みに押しあてた恐る恐るのガムはなにげに平気で安心した といっても酒を飲むのは危ないかもしれず そのくせタラモサラダをつくってほしいと妻にたのんでしまったということはわりと無理やりでも酒をのまねばならず 身におぼえのない傘はナオキの傘ではなかったようだったあとで母にお薬手帳をもたせ忘れたことに気づいた まあでもどうせならもう少しやってやろうか迷い 追加でアイスのメールをしなくても買ってきてくれそうなソーダのチューチューアイス的なあれは来週の可燃ゴミでぜったい捨てると決めた たぶん熱があったわけではなく 福島原発の話をエサに定住への抵抗をつたえれば良しとし 破産の免責がおりるまでさらに半年かかるそれまでの間にまた一つなにかしらの決着をつける必要がありそうだった 寒いのどうしようもない痛みは成城でみた金属探知機坊やはたしか青い帽子をかぶっていて マンションの住み込み管理人の原宿は話にならず けっきょく葛根湯をのんだがたいして眠れなかった ケーブルテレビはもちろん解約の今さら当然はともあれオレンジ色の夜の水滴のような丸の連続と提灯のつながりなんかもそうかもしれず ぼくは父にあと1時間の11時まで起きていたいといった もちろん父が許してくれたそのあとの八重田神社の祭りでみた天狗をぼくは一応怖がった それから朝になってスーパーマリオ3はすでにショウジの家でなんどかやっていたこともあって半減した喜びを包むでもなくハンモック的なものがそこにあり ヘレンケラーおよびサリバン先生の両者がすごした庭の絵をぼくはふたたび想像した 小便をするわかい着物をきたむかしの女もそこにはいて 空にはルドンの目玉の気球が浮かんでいたり この世からハゲがなくなったことへの男たちの歓声や 緑の穴にはいろうとする姉と弟の後ろ姿からの好奇心 そして母の足はいくらか良くなったようで ストーブの温度を20度まであげた 翌日は16度 父はまだ死なず 東京か仙台という要するに買い物がメインらしいウェンディーズ通りを検索したがそもそもウェンディーズはなく 曙橋をぼくはさっそく歩きつかれた 小口がいつもホットコーヒーしか頼まなかったデニーズは見あたらず 21世紀の裕次郎はどこへやら つい食べすぎてしまったオハギがまだ体のなかに残っていながらスタンディングデスクをおじちゃんエイゾウにつくってもらうことを思いついたら途端に眠気が増した 肘の角度は90度になるのがベストから造花は思い切って捨ててしまい 少し寝ることにしたら「マツダ自動車まえは市役所」と聞こえたのが雨なのかどうなのかはっきりしない空模様でかつ強風にぼくは少しイライラした ハシゴはとっととかけてしまい 禁煙の紙が見当たらない畑に積もった雪のなかはよくわからず 松尾先生とのぼった鉄塔のなかは言うほど暑くなかった 

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