ルーラーシップ産駒の特徴と代表馬【血統解説】

ルーラーシップは、現役時代に5つの重賞タイトルを手にしました。

G1勝ちこそ香港で開催されたクイーンエリザベス2世のみですが、現役時代は20戦レースに出走し(8-2-4-6)の安定した成績を誇っていました。

種牡馬入りし、産駒も多数輩出しているルーラーシップの特徴を紹介していきます。


1.ルーラーシップ産駒の特徴


ルーラーシップ産駒で真っ先に浮かべるのはキセキ、ダンビュライト、メールドグラース、リリーノーブルといったところでしょうか。

キセキとダンビュライトは現在も第一線で現役で活躍している馬なので、名前を目にした方も多いでしょう。

この4頭から見る特徴としてはG1、重賞問わず安定した走りを見せているところでしょう。

例えば、

キセキは2020年10月までの競走成績を見ると、2018年の天皇賞(秋)で3着、ジャパンカップで2着、2019年の大阪杯、宝塚記念で2着、2020年の宝塚記念でも2着です。
ダンビュライトは皐月賞で3着、リリーノーブルは阪神JF、オークスで2着、桜花賞は3着です。

このように、ルーラーシップ産駒は大舞台でもしっかりと馬券に絡んでいて、安定感のある走りを見せているのです。

しかしながら、ルーラーシップ産駒でG1タイトルを手にしたのはキセキとメールドグラースのみです。

キセキが勝った菊花賞は水田に近い不良馬場で制したものです。メールドグラースが勝ったオーストラリアのG1も、海外の洋芝のレースでした。

国内のG1は、瞬発力勝負や、長く脚が使える馬が勝利を掴みやすいです。ルーラーシップ産駒は瞬発性の高い馬はほとんどいません。

また、ルーラーシップ産駒の主な重賞勝ち鞍を見ると、

キセキ 菊花賞(芝3000m)

ダンビュライト AJCC、京都記念(共に芝2200m)
リオンリオン 青葉賞(芝2400m)、セントライト記念(芝2200m)

このように、根幹距離(400で割ることができる距離)よりも、非根幹距離(400で割ることができない距離)を得意とする馬が多いです。

そのことから、ルーラーシップ産駒の特徴をあげるとしたら、大舞台でも活躍はするが、勝ち切るためのキレが足りない、消耗戦に強い、非根幹距離に強い。この3点が挙げられます。


2.母父ミスプロ系統の特徴


ルーラーシップは、父はキングカメハメハで、遡れば、ミスプロ系に所属します。

そもそも、海外G1を1勝しかしていないルーラーシップが種牡馬入りできた大きな要因は、ルーラーシップが非サンデーサイレンス系の馬だからです。

これは、父がキングカメハメハで非サンデー系のロードカナロアにも当てはまることですが、非サンデー系種牡馬はインブリードを気にせず、サンデー系繁殖牝馬と交配することができます。

そして、父のキングカメハメハもそうだったように、ミスプロ系種牡馬は相手の長所を引き出すのが非常に得意です。

ミスプロ系統の馬は、体力のある馬が多い反面、スピード勝負はそこまで得意ではありません。それに対して、サンデー系統の馬は、スピードや瞬発性に長けています。

そのため、優秀なサンデー系統の牝馬と交配することで、体力もスピードもある仔が産まれる可能性が高く、大舞台で活躍できるであろう産駒を輩出することができるのが特徴といえるでしょう。


3.ルーラーシップ産駒の代表馬


キセキ     初年度産駒で、不良馬場で開催された菊花賞を制しました。
ダンビュライト    キセキと同じく初年度産駒で皐月賞で3着に入選したり、AJCCや京都記念を制しています。
メールドグラース   オーストラリアのG1コーフィールドカップを制しました。
リリーノーブル    重賞勝ちこそありませんが、阪神JFで2着、桜花賞3着、オークスを2着に入選しました。
リオンリオン   青葉賞、セントライト記念を制した馬です。

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