6-3-3 通信プロトコル

通信プロトコルで1番用いられているのは、TCP/IPプロトコル群。それぞれの階層で様々なプロトコルが、利用されている。

■TCP/IPプロトコル群
インターネットや多くの商用ネットワークで使われるプロトコルをまとめたインターネットプロトコル群。最初に定義された最も重要な二つのプロトコルであるTCPと IPにちなんで、TCP/IPプロトコル群と呼ばれる。

■ネットワークインターフェース層のプロトコル
ネットワークインターフェース層の代表的な規格に、WANで使用されるPPPや、主にLANで使用されるイーサネットがある。
PPPは、2点間を接続してデータ通信を行うためのプロトコルで、ダイヤルアップネットワークで使用されてきた。通信相手の認証や、IPアドレスの取得などを行う。イーサネットは、Macアドレスによって通信相手を決定する。Macアドレスは、各通信機器に固定されているハードウェアアドレスであり、同じネットワーク内で通信相手を識別するために使用される。

■インターネット層のプロトコル
インターネット層のプロトコルの中心は、IP。IPの役割は、パケットを目的のホスト(通信機器)まで届けること。IPアドレスによって、世界中のインターネットに接続されている機器の中から相手をみつけ、パケットを送る。また、エラー通知や情報通知を行うICMP(ping)がIPをサポートする。
IPアドレスは、ネットワークアドレス+ホストアドレスで構成される。同じネットワークであれば同じネットワークアドレスが割り当てられ、そのネットワーク内で一意のホストアドレスが割り当てられる。

また、他のインターネット層のプロトコルとしては、ARPがある。ARPはIPアドレスからMacアドレスを求めるためのプロトコル。

■トランスポート層のプロトコル
トランスポート層の主なプロトコルは、TCPとUDPの二つ。

■アプリケーション層のプロトコル
通信を行うアプリケーション特有のプロトコルを扱う層。通信の用途によって色々なプロトコルが用意されている。
①HTTP
webブラウザとwebサーバとの間で、HTMLなどのコンテンツの送受信を行うプロトコル。暗号化プロトコルであるSSL/TLSと組み合わせ、httpsとして利用されることも多い。
②SMTP
インターネットでメールを転送するプロトコル
③pop3
ユーザがメールサーバから自分のメールを取り出すときにつかう。メールをクライアントにdwする
④IMAP4
メールサーバ上のメールにアクセスして操作するためのプロトコル。メールをサーバ上に保存したまま管理する。
⑤DNS
インターネット上のホスト名・ドメイン名とIPアドレスを、対応付けて管理する。

⑥FTP
ネットワーク上でファイルの転送を行うプロトコル
⑦DHCP
コンピュータがネットワークに接続するときに必要なIPアドレスなどの情報を自動的に割り当てるプロトコル。
⑧ntp
時刻同期
■アドレス変換
IPアドレスは、基本的にはエンドツーエンドで変わらないものだが、近年はipv4のアドレス枯渇問題により、IPアドレスを節約するためにアドレス変換することかま一般的になった。具体的には、社内LANなど、内部でしか使用できないアドレスとしてはプライベートIPアドレスを使用し、外部と接続するときにはグローバルIPアドレスを使用する。プライベートIPアドレスをグローバルIPアドレスに変換するためには、次のような仕組みを利用する。
①NAT
プライベートIPアドレスをグローバルIPアドレスに1対1で対応させる。あらかじめ決められたIPアドレス同士を対応させる静的NATのほかに、接続ごとに動的に対応させる動的NATも可能。同時接続できるのは、IPアドレスの数と同じ数の端末のみ
②NAPT
IPアドレスだけでなくポート番号も合わせて変換する方法。一つのIPアドレスに対して異なるポート番号を用いることで、一対多の通信が可能。IPマスカレードと呼ばれることもある。
③プロキシサーバ(プロキシ)
アドレス変換のほかに、外部へのアクセスを一台のプロキシサーバで代行する方法がある。クライアントの代理でクライアントからサーバへのアクセスを受け付けるリバースプロキシサーバがある

■ipv6
現在普及しているIPアドレスは、ipv4。インターネットの普及に伴いipv4アドレスは枯渇しかかっており、それを根本的に解決するための策としてipv6が開発された。ipv6ではIPアドレスを128ビットで表現するので、十分な、アドレス空間が用意される。特徴は以下。

①IPアドレスの自動設定
DHCPサーバがなくても、IPアドレスを自動設定できる。
②ルータの負荷軽減
ipv4では可変だっあヘッダの長さがipv6では固定長になり、ルータは余分なヘッダを読み込んだりエラー検出を行ったりする必要がなくなったので処理を高速化できる。
③セキュリティの強化
IPSecのサポートが必須であるため、セキュリティが確保され、ユーザ認証やパケット暗号化が可能になった。
④3種類のアドレス
一つのインターフェースに割り当てられるユニキャストアドレスのほかに、複数のノードに割り当てられるマルチキャストアドレスや、複数のノードのうち、ネットワーク上で最も近い一つだけと通信するエニーキャストアドレスの三つのタイプのアドレスを、設定できる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?