キモシェアハウス漂流記第二十二話 【革命】
かく‐めい【革命】
被支配階級が時の支配階級を倒して政治権力を握り、政治・経済・社会体制を根本的に変革すること。フランス革命・ロシア革命など。
2月キモシェアハウスに文字通り【革命】が起こった。
キモシェアハウスは4人の芸人と1人のラッパーで住んでいるのだが、俺、フランツの土岐、ラッパーの飯田さんはキモシェアハウスの中でもまだ、まともな人間の部類に入っている。
それに対し、サスペンダーズの古川さんとガクヅケの木田は、キモシェアハウス立ち上げ時から居た"キモ"のスペシャリストでこの2人の争いは犬も食わないほど醜い。
お互いがお互いに自分の方がまともだと思いあい、日常的に"キモ"をなすりつけあっている。
キモシェアハウスに住む前はどっちもどっちだと思っていたが、住んでみたら木田がまともに見える程古川さんはキモかった。
部屋からときどき聞こえる喘ぎ声。ネタ合わせに急がないと間に合わないと言いながら、部屋の中でギターを弾く。そして部屋の中で1年中鍋を作り続けて換気もしないのでものすごい臭い匂いで部屋を包む。等々だ。
そして異常なまでの腰の低さ、これもまた気味が悪い。
まるで人に不快な思いをさせる前提で先にぺこぺこしているかなと最近は疑っている。
そして同率だと思っていた古川さんと木田の差をさらに開くようなことが起こる。
1月の暮れに木田は「あかん!もう片付けよう!」と言い出した。
その頃のキモシェアハウスは家自体がゴミ袋のような有り様だった。
それに木田は嫌気がさした。
そしてあんなに皆が嫌がっていた片付けを先頭に立って始め出したのだ。
それを見たラッパーの飯田さん、俺も感化されるように片付けを手伝い、3時間以上かけて「住むゴミ箱」から…
旅館になった。
3人で祝杯をあげ、綺麗な部屋に喜びまくった。
そんな中パーカーのフードを深く被った古川さんが盛り上がってる俺達を尻目に冷蔵庫からビールを取り出し、そそくさと部屋に戻っていった。
俺と飯田さんは何も気にしていなかったが、木田は言った。
「あいつ…部屋片付けた礼も言わずに、パーカーのフード被ってできるだけ気配消してビールだけ取って行ったぞ…」
そこから木田vs古川の熾烈な内戦が始まるのだった。
ここからは【有料】ですが、内容は他言せずに感想は内容に触れずによろしくお願いします。
ここから先の目次
・木田の怒号
・古川の暴露
・古川の革命
この3本立てで行きます。お楽しみ下さい。
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