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全国俳誌協会第四回新人賞応募連作(落選)

時給千円  詠頃
春の雷マッサージチェア贈ります
引き金を引くたび小さき石鹸玉
猫の恋シートの長きスクーター
春惜しむ雨と叫びの肖像と
トンネルを咥へて梅雨の山ゑづく
警察と話す手元を花火消ゆ
夏の夜をホースに残るみづのごと
時給千円パイナップルの芯丸し
瀑浴や大学生の笑ひ方
一歩ずつ膝高く上げ海開き
涼風や心に剥がしにくきことば
吸ひ尽くすクラッシュタイプの厄日かな
夜学子の臓器を透過する電波
月の夜遊具に小さきコドモたち
黄落の路肩に浅き眠りかな

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