#思い出の夜

「#書いてつながろう」
外出自粛でなかなか外に出られず、
たくさんの暗い情報で頭がいっぱいいっぱい。
こんな状況だけど、みんなで「書く」ことでつながったり、
楽しい習慣になったらいいな。
そんな企画に賛同したメンバーで、毎週テーマに沿って投稿しています。
参加したい方がいましたらコメント欄にてご連絡ください。
今週のテーマは「#思い出の夜」です。
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それは、今から5年前の4月のこと。市議会議員補欠選挙の投開票日。
僕はとある選挙事務所の中で、結果を待ち祈っていた。
なぜなら立候補したのが、僕が市役所で臨時職員をしていた時の上司だったからだ。
博識で情熱があって、とても尊敬できる人だった。何より、当時無職の状態が1年以上続き、働く事に恐怖さえ覚えていた僕を社会に引き戻してくれた恩人でもある。
ある時、「職員として中からこの街を良くしたいと思って働いてきた。けれど、事なかれ主義、前例主義ばかりで限界が見えた。今度は外から変えていこうと思う。その手伝いを君にお願いしたい」。
そう、僕に白羽の矢を立ててくれた。
即答だった。
僕はまだあの時の恩を返せてはいない。また、何より7年も前に、1年ちょっと一緒に仕事をしていただけの僕を覚えていてくれたこともうれしかった。だからこそこの人の力になりたいと思った。

空席3つに対して立候補者は5人。うち3人は自民党の公認や推薦をもらっていた。自衛隊のまちでの、投票率の下がる補選。組織票が圧倒的に有利に働く状況での戦いだった。
一方でうちの事務所はというと、政党の公認や推薦も一切なしの無所属。集まったスタッフに経験のある人は当然一人もおらず、元上司の兄妹や親族、中高生時代の友人、知人、近所のおじさん、といった、素人だけで挑む選挙だった。
素人なりにみんなで知恵を絞り、経路、時間、選挙カーに乗って回る時のフレーズ、何もかもが手作りだった。
やることはやった。6日の選挙期間を終え、投開票日を迎えた。
20時。開票が始まり、逐一情報が寄せられる。500票、1000票、1,500票…。
23時過ぎ、結果が確定する。
7,076票。2位での当選だった。
信念を貫くことや熱意、一度きりの人生、やることの大切さ、などなど教えてもらった気がした。
背中を押してもらったのだ。
くすぶっていた思い、「コピーライターを目指そう」という決意を。

そのあとみんなで小さな祝杯をあげた。
日曜日から日付が変わる、今頃の時間のことだった。

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来週のテーマは「#ちょっとおめでたい話」

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