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カープはなぜ二軍でDHを使わないのか?ー由宇ルールに関する考察ー

どうも、キュプリーヌス(@cyprinus_wrc)です。

現在、NPBのセリーグは世界中のプロリーグの中で唯一DHを使用していないリーグとなっていますが、二軍であるイースタン・ウエスタンの両リーグはDHを使用しています。しかし、カープ二軍は本拠地である由宇練習場で試合を行う際、DHを使用しないケースが多くなっています。
一部では「由宇ルール」とも揶揄されるこの方針。なぜ、カープは主力の調整や若手の経験に有用なDH制を使用しないのでしょうか?本noteでは過去8年間のファームの試合データを基に、由宇ルールに関して簡単な考察をしていきたいと思います。

ホームゲームにおけるDHの使用状況

驚きのDH使用率

 NPB公式サイトにデータが残っている2016年以降のホームゲームにおけるDHの使用状況をまとめたものが以下の表になります。なお、由宇以外にもマツダスタジアムや広島県各地の地方球場で行われた試合も含まれています。

※2024年は4/11までの数字

 最も多いシーズンでも3試合しかDHを使用しておらず、投手を打順に組み込むケースがほとんどであることが分かります。8年間の合計は436分の13となっており、DH使用率は約3%でした。多くの方の想定を下回っているのではないでしょうか。

どのようなケースでDHを使用しているのか?

 3%の狭き門を突破し、DHでの打席を勝ち取った選手は一体誰なのでしょうか?その試合で先発した投手とともに以下の表にまとめました。

 2016,2018と優勝したシーズンではそれぞれ4番も務めたルナと鈴木誠が入っていました。主力の調整に使用していたようです。
 2021以降はクロンにマクブルームといった外国人や、髙橋大ら若手選手が主に入っていました。主力の調整に加え、若手に経験を積ませるためにも使用していたようです。
 先発投手に目を向けると、先発,中継ぎ,中堅,若手,外国人と様々なタイプの投手が先発していました。ブルペンデーで決められたイニングを投げなければいけないからDHを使う、若手にピッチングに集中させるためにDHを使うなどの明確なルールがあるわけではなさそうです。

なぜDHを使用しないのか?

 一体なぜカープはホームゲームでDHを使用しないのでしょうか?DHを使用している試合を調べても明確な答えは出てこなかったため、憶測の域を出ないのですが、打席に入ることも考えながら1試合を過ごす流れを必要以上に重視しているからではないかと考えられます。一軍では先発投手が打席に入るため、その練習もする必要があるのかもしれませんが、他球団がそのような練習をしなくてもほとんど影響が出ていないことを考えると、このチーム方針が正しいのかは疑わしいところです。

DH不使用で何打席損しているのか?/おわりに

 ここまでホームゲームにおけるDH不使用に関して考察していきましたが、個人的にはこのチーム方針に意味があるとは思えません。床田や森下といった例外もいますが、基本的には投手にバッティングを期待することはありませんし、チャンスではその床田や森下にすらバントをさせることがほとんどです。そんな投手を打席に立たせるよりも、バッティングが本職の野手を打席に立たせた方がよいのは明白です。最後にカープがどれだけ投手を打席に立たせて損をしているのか、他11球団の合計と比較した表を確認して本noteを締めくくりたいと思います。

データ参照

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