カープは本当に「ゆとりローテ」だったのか?
どうも、キュプリーヌス(@cyprinus_wrc)です。
優勝へ向けてスパートをかけたかったカープですが、ここまでチームを支えてきた先発投手陣が打たれ始め、野手がそれをカバーすることもできず優勝争いから脱落してしまいました。
最も責任が大きいのは野手ですが、間隔を詰めることなく「ゆとりローテ」で回してきた先発投手陣が崩れるのは想定外で、やや驚きもありました。
こうなると、本当に「ゆとりローテ」だったのかを疑いたいところでもあります。間隔を詰めてなくても、球数を多くしたことによる蓄積疲労で崩れてしまった可能性も考えられるからです。そこで、本noteではセリーグ6球団の先発4本柱の投球数・投球回・登板間隔を確認し、カープが「ゆとりローテ」だったのかを確認していきたいと思います。
※データは全て9/13終了時点のものになります。
東京
まずはスワローズです。
※今回掲載する表は、日付白抜きが中継ぎ登板、塗りつぶされているのが中5日以下となっており、投球数も100・110・120球台で色を変えています。130球以上は赤で塗りつぶしています。
中5日がヤフーレとサイスニードでそれぞれ1回ずつ(ヤフーレは中継ぎ登板)と間隔を詰めることはあまりなかったようです。100球以上を投げさせることもあまり多くはなく、比較的緩めのローテだったと言えそうです。
中日
続いてドラゴンズです。
メヒアが中5日を2回と中3日を1回、松葉が中4日を1回と4本柱の中でも消化イニング数の少ない2投手に間隔を詰めさせていました。小笠原と髙橋は全て中6日以上の登板となっていますが、100球以上が小笠原は22登板中9回、髙橋は22登板中17回とかなり球数は投げさせていたようです。特に小笠原は134球とかなり投球数が多い登板が1度あり、その反動もあってか次回登板は1回で降板となっています。大黒柱の2人にはやや厳しいローテとなっていたようです。
横浜
続いてベイスターズです。
東が中5日を2回、ケイが中5日を1回、ジャクソンが中5日を4回、中4日を2回と間隔を詰めさせるケースは割と多くありました。特にジャクソンは4/2~6/11の約2ヶ月の間に間隔を詰めるケースが集中していました。ただ、間隔を詰めた6回中5回は投球数が90以下となっており、球数には気を遣っていたようです。東はエースということもあって100球以上も間隔を詰めることも多々ありましたが、厳しいローテというわけではなさそうです。
阪神
続いてタイガースです。
中継ぎ酷使が度々話題になるタイガースですが、先発4本柱に関しては間隔を詰めることはなく、あまり無理はさせていないようにも見えます。ただ、100球以上の登板は多く、才木が22登板中16回、村上が22登板中14回、大竹が21登板中2回、西勇が20登板中9回となっています。特に才木と村上はエース格ということもあり、130球以上を投げさせる登板もありました。村上の5/14に関しては5登板連続で100球以上を投げさせてからの130球と不安になる運用ですが、6/27に関しては中8日を空けての133球、才木の7/16に関してもオールスター前の最終登板だったために133球と一応理解はできる運用でした。厳しいとまではいきませんが、緩めのローテではなかったようです。
読売
続いてジャイアンツです。
戸郷が中5日と中4日をそれぞれ1回ずつ、菅野が中5日を1回、グリフィンが中5日を2回とここまでは菅野以外の3投手に間隔を詰めさせています。また、100球以上の登板も多く、戸郷が24登板中18回、山﨑伊が22登板中14回、菅野が21登板中9回、グリフィンが21登板中10回となっています。特にエースの戸郷に負担がかかっている形でしょうか。前回登板で108球を投げていた6/14に134球を投げさせ、その後も5登板連続で100球以上と夏場にやや不安を覚える運用がありました。やや厳しめのローテと言えるでしょう。
広島
最後に、本題であるカープの確認です。
中5日は大瀬良と九里が1回ずつと、間隔を詰めることはスワローズと同じくあまりありませんでした。100球以上は床田が23登板中12回、大瀬良は22登板中12回、森下は21登板中12回、九里は20登板中7回でした。タフな九里は中5日や130球以上を投げさせるケースもありましたが、100球以下で降板するケースも多く、あまり無理はさせていなかったようです。大瀬良には手術明けであることや年齢も加味するとやや無理をさせたようにも思えますが、他の投手にはそこまで無理はさせていないように思えます。ただ、100球以上の登板が九里以外の3投手は登板数の半数を超えており、ゆとりローテであったかどうかは微妙なところではあります。
まとめ
以上、各球団の4本柱の登板状況の確認でした。
カープは厳しめのローテではありませんが、ゆとりローテというほど先発に甘かったかと問われれば、答えに詰まるところではあります。100球以上の登板の多さが、秋の失速に関係している可能性を否定することはできません。他にも様々な要因があるとは思いますが、「ゆとりローテだったのに失速した先発は情けない」というような批判は的外れの可能性もあると結論付けて本noteを締めくくりたいと思います。
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