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【データ分析】2023年を振り返る ーロベルト・コルニエル投手ー

どうも、キュプリーヌス(@cyprinus_wrc)です。

昨年はブログでデータ分析記事を上げていたのですが、今年はnoteの方で上げていきたいと思います。

今日はロベルト・コルニエル投手です。


選手詳細

ロベルト・コルニエル(Robert Corniel) 投手 28歳 194cm101kg 右投右打

基本成績

二軍

一軍

寸評

最速165km/hの剛速球と、鋭く落ちるスプリットが持ち味の怪腕ドミニカン。今年は先発に転向し、先発初勝利も達成したものの、その1勝のみに終わってしまった。来年は先発ならではのペース配分なども身につけ、開幕先発ローテ入りを果たしたいところだ。

分析

Pitch Type

二軍

一軍

 ストレート・2シーム・スライダー・カーブ・フォークの5球種で構成されています。昨年までは中継ぎということもあってストレート・スライダー・フォークの3球種のみでしたが、今年は新たにストレートと同じ球速帯で変化する2シームと、緩急をつけるためのカーブを投じています。一軍ではストレートよりも2シームの方が割合が多くなっており、新たな軸となる球種にしようとしていたことが分かります。
 ストレート/2シームの平均球速は二軍で148.9/148.3、一軍で152.2/150.5となっており、一軍の方が高くなっています。イニング数は一軍の方が少ないですが、二軍では球速データがとれない由宇での登板が多いため、一軍の数字の方が信頼性はあります。ストレートの平均球速はリーグの先発投手では2位となっており、リーグ屈指の速球を投じていたことが分かります。

Pitch Tempo

二軍

※ランナーなし時

一軍

※ランナーなし時

 Tempo+/-は未だにプラスとなっているものの、昨年よりは小さい数字となっています。先発に転向し、投球テンポが速くなっていたことが推測されます。Timer Equiv.も10秒台に抑えられており、ピッチクロックが導入されても問題はありません。

二軍

※ランナーあり時

一軍

※ランナーあり時

 ランナーを背負った場面でもTempo+/-は昨年より小さくなっており、投球テンポは速くなっていましたが、Timer Equiv.は20.0以上となっており、ピッチクロック違反となる数字になってしまっています。ランナーがいる場面では投球テンポを見直す必要がありそうです。

Pitch Value

二軍

一軍

 二軍ではフォーク以外がプラス、一軍ではストレートとカーブがプラスとなっています。今年から投じ始めた2シームとカーブは、一軍の2シームが-1.90となっている以外はプラスとなっており、ある程度有効に使えていたようです。
 一方で、スライダーは二軍では2年連続でプラスとなっているものの、一軍では2年連続でマイナスとなっており、一軍レベルの打者には通用していなかったことが分かります。制球が不安定、曲がりが小さいor早いために見極められやすいなどが原因として考えられます。

Plate Discipline

二軍

一軍

 一二軍ともに空振り率などの数字は悪化しており、中継ぎ時のような圧巻のピッチングはできていなかったことが分かります。ただ、それでも二軍のコンタクト率・空振り率・Whiff%は平均を上回っており、二軍レベルの打者は圧倒していたようです。
 ゾーン率とファーストストライク率は全て平均以上となっており、意外にも制球には苦労していなかったようです。

Batted Ball

二軍

一軍

 一二軍ともに昨年に続き、ゴロの割合が多いグラウンドボールピッチャーとなっています。三振を多く奪うピッチャーであることに間違いはありませんが、2イニングのみの登板だった2021年の二軍での数字を除いて、意外にも全てGB/FBは1.00以上のグラウンドボールピッチャーとなっています。

二軍

一軍

 一二軍ともに、Soft%とHard%が悪化しており、打球を捉えられるケースが増えていたことが分かります。先発転向の影響が表れていると言えそうです。

Advanced

二軍

一軍

 二軍では、多くのスタッツが良化となっています。特にBB%は15%近く低下させており、四球の大幅減に成功していたようです。FIPとtRAも2点台まで抑えられており、やはり二軍レベルの打者は圧倒していたようです。
 一軍では、多くのスタッツが悪化となっています。ただ、LOB%が64.9%、DERが.671といずれも平均より低くなっており、やや運の悪さもあったようです。この2つのスタッツが収束していくと仮定すると、来年はもう少し数字が良くなってくると考えられます。

Win Probability/Value

 こちらの項目は一軍の数字のみを掲載します。
 WPA・RE24・REWはマイナスとなっており、重要な場面で失点するケースがやや多かったようです。しかし、先発に転向してイニング消化数が多くなったこともあり、WARは0.4と昨年よりもプラスが大きくなっています。

まとめ

 1つ前のnoteで紹介した内間と同じく、先発転向によって空振り率などのスタッツは悪化となっていました。ただ、破綻していない制球力や150km/h台の平均球速、球種の増加などポジティブな要素も多かったこともあり、一軍での数字もそこまで悪くはありませんでした。LOB%とDERが平均へ収束していくことや、先発登板への慣れなども考慮すれば、来年はさらに良い数字を残すことも充分に考えられます。

画像引用

データ参照


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