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【データ分析】2023年を振り返る ー小林樹斗投手ー

どうも、キュプリーヌス(@cyprinus_wrc)です。

昨年はブログでデータ分析記事を上げていたのですが、今年はnoteの方で上げていきたいと思います。

今日は小林樹斗投手です。


選手詳細

小林 樹斗(こばやし たつと) 投手 20歳 182cm85kg 右投右打 2020ドラフト4位

基本成績

寸評

勢いのあるストレートとキレのあるカットボールを武器とする、カープ投手陣のトッププロスペクト右腕。右肘の疲労骨折明けとなった今年は昨年よりも登板数と投球回を増やすも、3勝3敗と目立った結果を残すことはできず、一軍登板もなしに終わった。秋季キャンプ終盤には右肘の痛みで離脱するなど、近年は故障に悩まされるシーズンが続いており、まずは1年間しっかりと完走できる体作りが必要となりそうだ。

分析

Pitch Type

 ストレート・2シーム・スライダー・カットボール・カーブ・チェンジアップ・フォークの7球種で構成されています。各球種の割合は昨年と大きく変わりはありません。
 平均球速はストレートが142.2km/hで昨年より1km/h、2シームが136.5km/hで約4km/h低下しています。2シームの球速低下は少し気になる部分となっています。

Pitch Tempo

※ランナーなし時

 Tempo+/-は昨年よりもさらにマイナスが大きくなっており、テンポはかなり速かったことが分かります。もちろん、ピッチクロックが導入されても全く問題はありません。

※ランナーあり時

 ランナーを背負った場面でもテンポは速くなっており、Timer Equiv.は16.2となっています。これは70イニング以上を投げたウエスタンの投手で2位の数字となっており、非常にテンポ良く投じていたことが分かります。

Pitch Value

 ストレート・2シーム・カットボール・フォークがプラスとなっています。球速の速い球種を有効に使えていたことが分かります。特に、毎年変化球の中で最も割合が多いカットボールは今年も大きなプラスとなっており、やはり最大の武器であることが分かります。緩い変化球をどれだけ上手く操れるかが、来年以降の課題となってきそうです。

Plate Discipline

 ほとんどのスタッツが、昨年よりも悪化となっています。特に空振り率は1.5%低下して7.5%となっており、あまり空振りを奪えていなかったことが分かります。ただ、ゾーン率とファーストストライク率は悪くなく、制球にはそこまで苦労していなかったと推測されます。

Batted Ball

 昨年と同じく、フライの割合が多いフライボールピッチャーとなっています。あまり三振は多くありませんが、ストレートに球威がないわけではないので、高めのストレートで勝負するケースもある程度多いためにこのような数字となっていることが推測されます。

 Soft%がやや低下しましたが、Hard%を低下させることに成功し、どちらも平均よりも良い数字となりました。フライは多いものの捉えられた打球がそこまで多くないため、長打を浴びることもそこまで多くなかったことが推測されます。

Advanced

 昨年より悪化しているスタッツが多くなっています。K%・BB%ともに平均より悪くなったことで6.7%まで低下してしまったK-BB%は来年以降改善していかなければなりませんが、K%とHR/9が改善されたこともあり、FIPとtRAはいずれも平均以下に抑えることができました。防御率は昨年の方が良かったものの、これは平均よりも高くなっているLOB%やDERのおかげで残せた数字であり、ピッチングの質自体は今年の方が良かったことが推測されます。

まとめ

 勝敗や防御率など、多くの人がよく目にするスタッツは昨年より悪化していましたが、少し踏み込んでピッチングの質を確認すると、昨年よりも良いピッチングとなっていたことが分かりました。
 とはいえ、将来のエース候補としてここまで期待されていることを考えると、物足りない数字であることも事実です。
 カットボールという安定してプラスを積み重ねられる武器は持っているため、あと1つ大きな武器を手に入れられれば、一軍先発ローテも狙える投手になれるはずです。ウエスタンの平均以下となっているストレートの平均球速をもう少し引き上げて空振りを増やすことができれば、二軍暮らしを抜け出すことができるのではないでしょうか。来年の覚醒に期待です。

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データ参照


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