見出し画像

佐藤啓介超えの逸材?OPSチームトップの前川誠太を分析

どうも、キュプリーヌス(@cyprinus_wrc)です。

今季のファームの話題の中心であり続けているのは、間違いなく佐藤啓介でしょう。一時は4割を超えるほどの打率をマークし、育成ルーキーながら支配下登録を勝ち取って一軍昇格、プロ初ヒットも放つなど大器の片鱗を示してくれました。
そんな佐藤を上回るのでは?と予感させてくれるのが育成3年目の前川誠太です。今回はその前川に関してマシュマロにてリクエストをいただいたため、分析していきたいと思います。

※データは全て7/18(前半戦)終了時点のものになります


基本成績

 まずは基本成績の確認です。

四球は三振を上回り、OPSはチームトップ

 69打数と出場機会はあまり多くありませんが、四球は三振より多く、長打も7本放ってOPSは50打数以上の選手ではチームトップと非常に優秀な数字を残しています。球史に残る打低環境であることを考えると、例年以上に価値がある数字と言えるでしょう。

Pitch Value

 続いて球種別得点増減の確認です。

※サンプル不足のため100球当たりの換算は行っていません

落ちる系の球種が得意?

 ストレート・2シーム・チェンジアップ・フォークがプラス、スライダー・カットボール・カーブ・シンカーがマイナスとなっています。落ちる系の球種にはある程度の強さを発揮しているものの、外へ逃げていく球は苦手としていることが推測されます。

Plate Discipline

 続いて打撃内容の確認です。

慎重なバッティングスタイルで空振りは少なめ

 スイング率はゾーン内外ともに平均以下と、慎重なバッティングスタイルであることが分かります。一方でコンタクト率はゾーン内外ともに平均以上となっており、コンタクト能力は高めのようです。空振り率とWhiff%も平均より低く、空振りはあまりしないバッターであることが分かります。

Batted Ball

 続いて打球性質の確認です。

佐藤と同じ傾向が

 フライ/ライナー率が平均以下、ゴロ率が平均以上と長打はあまり期待できない打球割合となっています。これは佐藤と共通する傾向です。打球に角度をつけるのはあまり得意ではないようです。

センター返しが多め

 打球方向はセンターが48.4%と約半分を占めており、センター方向を中心に打ち返す意識があることが推測されます。

捉えた打球が多く、打ち取られた打球が少ない

 Soft/Hard%が平均より優れており、打ち取られた打球は少なく、捉えた打球が多くなっていることが分かります。ゴロ率は高くなっていますが、打球速度が優れているために好成績を残せていることが推測されます。

Advanced

 続いて打撃結果の確認です。

優れた選球眼と向上した長打力

 BB%、K%ともに平均より優れており、BB/Kは1.00超えと非常に優秀な数字を残しています。選球眼はかなり優れていると言えそうです。打率、出塁率、長打率、OPS、ISOも平均以上で、特にISOは平均.084に対して.174と2倍以上の数字を残しています。体の線が細く、パワーレスさが最大の課題とも思われた前川ですが、今季でその課題は克服したと判断してもよいかもしれません。BABIPもほぼ平均通りと上振れも起きておらず、実力通りの結果をここまでは残せていると言えそうです。

Fielding Standard

 続いて守備の基本成績の確認です。

セカンドの守備率は低め

 セカンド、ショート、レフトの守備に就いています。主に守っているのはセカンドですが、守備率が.932と低くなってしまっています。ショートとレフトではノーエラーとなっています。

Fielding Advanced

 最後に守備の詳細成績の確認です。

広い守備範囲で送球の弱さをカバー

 レフトのUZRはマイナスとなっていますが、本職である内野の2ポジションではどちらもプラスとなっています。DPR(併殺完成による貢献)はマイナスとなっているものの、RngR(守備範囲)がプラスとなっており、送球の弱さを守備範囲の広さでカバーしているようです。今後も二遊間での起用をメインとするのが得策でしょう。

まとめ

小園矢野不在時に穴を埋めれる存在となれるか

 以上、前川の各種スタッツの確認でした。
 1年目から発揮していたコンタクト能力の高さはそのままに、長打力を向上させてチームトップのOPSをマークするという理想的な成長曲線をここまでは描けています。それでいて、二遊間で平均以上の守備力を発揮できるというのは非常にポジティブな材料です。小園矢野で二遊間はしばらく安泰と考えがちですが、両者の怪我や不調による離脱、またはFAによる移籍なども可能性としては充分考えられるため、その際の穴を埋める存在として前川は今後も二遊間を守れる選手として育てていくべきでしょう。まずは、今月末までに支配下に登録することが球団には求められます。

画像引用

データ参照


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?