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【データ分析】2023年を振り返る ー河野佳投手ー

どうも、キュプリーヌス(@cyprinus_wrc)です。

昨年はブログでデータ分析記事を上げていたのですが、今年はnoteの方で上げていきたいと思います。

今日は河野佳投手です。


選手詳細

河野 佳(かわの けい) 投手 22歳 175cm82kg 右投右打 2022ドラフト5位

基本成績

寸評

質の高いストレートに多彩な変化球、そして抜群の制球力で勝負する総合力の高いドラ5右腕。ドラフト1位候補にも名前が挙がっていたため、即戦力としての活躍が期待されたが、一軍でプロの厳しさを教え込まれた1年目となった。来年は広陵高の同期でもあるドラ2左腕の高とも切磋琢磨し、プロ初勝利を目指したいところだ。

分析

Pitch Type

二軍

一軍

 ストレート・スライダー・カットボール・カーブ・フォークの5球種で構成されています。ストレートとカットボールで7割以上を占めており、この2球種が軸となっていることが分かります。
 平均球速は、サンプル数の多い二軍で145.1km/hとなっており、ファームの平均を上回る数字となっています。

Pitch Tempo

※ランナーなし時

 一二軍ともにTempo+/-はマイナスとなっており、平均よりも速いテンポで投じていたことが分かります。ピッチクロックが導入されても問題はありません。

※ランナーあり時

 ランナーを背負うと、一二軍ともに平均とはあまり変わらない数字ではありますが、そもそも平均のテンポが遅いため、ピッチクロック違反ギリギリの数字となっています。ランナーを背負った時の投球テンポは見直す必要があるかもしれません。

Pitch Value

 一軍ではカーブ以外全てがマイナスとなっており、苦しいピッチングを強いられていたことが読み取れます。
 二軍ではカットボール・カーブ・フォークがプラスとなりました。最も投球割合の多いストレートがマイナスとなっているのは苦しい部分ではありますが、2,3番目に割合の多いカットボールとフォークでなんとかカバーしているといった感じでしょうか。来年はストレートをプラスに転じていきたいところです。

Plate Discipline

 二軍ではコンタクト率・空振り率・Whiff%が平均より悪い数字となっており、空振りはあまり奪えていなかったことが分かります。ゾーン率とファーストストライク率は平均以上と制球には苦しんでいなかったようですが、空振りが奪えていないため、CStr%とCSW%はいずれも平均以下となっています。
 一軍では意外にも二軍よりも数字が良く、コンタクト率とWhiff%は平均と同じ数字になっています。Put Away%は平均以上と、ウイニングショットもある程度有効に使えていたようです。平均を6%以上下回るファーストストライク率を来年は平均以上とし、早めに追い込むピッチングを展開したいところです。

Batted Ball

二軍

一軍

 フライの割合が多いフライボールピッチャーとなっています。球威で勝負するタイプの投手ではないだけに、長打のリスクが高いフライを減らし、ゴロを増やしていきたいところです。

二軍

一軍

 二軍ではSoft%・Hard%ともに平均よりも良い数字となっており、捉えられた打球は少なかったことが分かります。しかし、一軍ではSoft%は1桁台の9.3%と非常に低く、Hard%が39.5%と高くなってしまっています。この打ち取った打球の少なさが、防御率の高さに影響しているものと思われます。

Advanced

 二軍ではBB%を3.1%とかなり低く抑えられており、K-BB%は14.2%、WHIPは0.95と非常に優れた数字を収めています。FIPとtRAも平均以下となっており、1年目としては及第点の成績を残せたと言えるでしょう。
 一方一軍では、HR/9が4.38ととにかく被弾が多く、FIPとtRAは9点台と非常に高くなってしまっています。被打率も.358と非常に高く、やはり打ち取った打球が少ないために、被安打が多くなっていたことが分かります。

Win Probability/Value

 こちらの項目は一軍の数字のみを掲載します。
 イニング数以外の全てのスタッツがマイナスとなっており、チームの勝利にはほとんど貢献できていなかったことが分かります。来年はこれらのスタッツを全てプラスとしていきたいところです。

まとめ

 二軍では抜群の制球力で無駄な出塁を許さず、及第点の成績を残していました。ただ、一軍では打球を捉えられるケースが多く、被安打や被本塁打が増えて失点を重ねる形となってしまいました。ただ、1年間の中で先発と中継ぎを行き来するなど起用法が安定せず、調整の難しさもあったものと思われます。制球力と4つの変化球で勝負するという部分からも先発向きの投手なのではないかと個人的には考えているので、来年は1年間先発で固定し、どのような結果を残すのか見てみたいところです。

画像引用

データ参照


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