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【データ分析】2023年を振り返る ー大道温貴投手ー

どうも、キュプリーヌス(@cyprinus_wrc)です。

昨年はブログでデータ分析記事を上げていたのですが、今年はnoteの方で上げていきたいと思います。

今日は大道温貴投手です。


選手詳細

大道 温貴(おおみち はるき) 投手 24歳 178cm80kg 右投右打 2020ドラフト3位

基本成績

一軍

二軍

寸評

力強いストレートと甘いマスクが魅力の若手右腕。今季は中継ぎとして二軍からのスタートになったが、4月下旬に一軍に昇格すると最後まで帯同し続け、キャリアハイの48試合に登板した。来季は開幕一軍入りを果たし、セットアッパーの座も狙っていきたいところだ。

分析

※二軍成績はサンプル不足のため割愛させていただきます。

Pitch Type

 ストレート・スライダー・カーブ・フォークの4球種で構成されています。昨季はチェンジアップを投じていましたが、今季は再びフォークを投じています。ストレートとスライダーが9割近くを占めており、この2球種が軸となっていたことが分かります。
 平均球速は148.1km/hと約4km/h上昇しており、中継ぎ転向によって出力が上がっていたことが分かります。

Pitch Tempo

※ランナーなし時

 Tempo+/-は4.2とかなりプラスが大きくなっており、投球テンポは遅くなっていたことが分かります。Timer Equiv.は14.2とピッチクロックが導入されてもギリギリ問題ない数字となっています。

※ランナーあり時

 ランナーを背負った場面でも、Tempo+/-は6.3とプラスがかなり大きくなっています。中継ぎに転向したことで投球テンポが遅くなっていたことが推測されます。Timer Equiv.は26.5とピッチクロックを大幅にオーバーする数字となっており、投球テンポは見直す必要があります。

Pitch Value

 ストレート・スライダー・カーブがプラスとなっています。特にスライダーは、昨季は大きなマイナスだったところを最も大きいプラスへと転じさせており、成績良化の大きな要因となっていたことが推測されます。
 一方で、フォークは昨季のチェンジアップと同じく大きなマイナスとなっており、縦変化の球種はあまり得意としていないことが推測されます。

Plate Discipline

 コンタクト率とWhiff%は平均通り、空振り率は平均より0.1%低くなっており、空振り奪取能力はほぼ平均レベルとなっていたようです。ゾーン率とファーストストライク率は大幅に上昇しており、Put Away%も平均16.9に対して18.9と高くなっています。投手有利なカウントを多く作り、三振を多く奪っていたことが推測されます。

Batted Ball

 昨季はフライボールピッチャーでしたが、今季はグラウンドボールピッチャーとなっています。ライナー率も1桁台となっており、打球に角度をつけられるケースが少なくなっていたことが分かります。

 Soft%・Hard%ともに昨季より良化し、平均よりも良い数字となっています。フライ率も低下しているため、長打を浴びる可能性はかなり低下させられていたことが推測されます。

Advanced

 多くのスタッツが良化となりました。BB%が上昇してしまいましたが、K%をかなり上昇させることに成功しており、K-BB%もほぼ平均通りの数字となっています。昨季よりもHR/9をかなり低く抑えられており、FIPとtRAも2点台と優秀な数字を残しています。LOB%がやや高くなっているため、来季は失点が多少増えてしまう可能性も考えられますが、大幅に成績が悪化することはないでしょう。

Win Probability/Value

 ほぼ全てのスタッツが良化となりました。シーズン後半には勝ちパターンのような起用法となっていたこともあり、重要な場面を抑えるケースは多くなっていたようです。WARは先発もこなして4勝を挙げたルーキーイヤーを超える0.8となっており、プロ入り後最もチームに貢献したシーズンとなりました。

まとめ

 過去2年間Pitch Valueがマイナスとなっていたスライダーの質を改善し、フライ・ライナー・強い被打球を減らしたことで成績を良化させることに成功しました。この打球管理を来季も維持しつつ、空振り率を上昇させてさらに三振を奪えるようになれば、文句なしのセットアッパーとなることができるうでしょう。フォークを改良するか、ストレートの球速を向上させることが来季の課題となりそうです。

画像引用

データ参照


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