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【データ分析】2023年を振り返る ー森下暢仁投手ー

どうも、キュプリーヌス(@cyprinus_wrc)です。

昨年はブログでデータ分析記事を上げていたのですが、今年はnoteの方で上げていきたいと思います。

今日は森下暢仁投手です。


選手詳細

森下 暢仁(もりした まさと) 投手 26歳 180cm78kg 右投右打 2019ドラフト1位

基本成績

一軍

二軍

寸評

ハイクオリティな5球種を抜群の制球力で投げ込み、打者を圧倒するカープの若手エース。昨オフに行った右肘手術の影響で開幕ローテ入りはならなかったが、5月に復帰登板を果たすと、131.2イニングを投げて防御率3.01で9勝6敗とさすがの数字を残した。来季は開幕ローテ入りを果たし、2桁勝利を挙げたいところだ。

分析

※実績を考慮し、二軍成績は割愛させていただきます。

Pitch Type

 ストレート・カットボール・カーブ・チェンジアップ・シンカーの5球種で構成されています。割合は昨季と大きく変わってはおらず、ストレートとカットボールが軸となっています。
 平均球速はストレートが2.3km/h低下の146.4km/hとなるなど、全体的に低下気味でした。手術の影響が多少あったものと推測されます。

Pitch Tempo

※ランナーなし時

 Tempo+/-は昨季より大きなマイナスとなっており、投球テンポはさらに速くなっていたことが分かります。Timer Equiv.も7.7と、ピッチクロックが導入されても問題ない数字となっています。

※ランナーあり時

 ランナーを背負った場面でもTempo+/-はマイナスとなっており、投球テンポは速かったようです。Timer Equiv.も19.5となっており、ランナーの有無に関係なく、投球テンポを見直す必要はなさそうです。

Pitch Value

 ストレート・チェンジアップ・シンカーがプラスとなっています。ストレート・チェンジアップともに昨季よりプラスが小さくなってしまっていますが、シンカーは昨季の最大のマイナスから一気に最大のプラスまで転じさせていました。カットボールとカーブのマイナスも大きくはなく、明確に弱点と言えるような球種はありませんでした。

Plate Discipline

 コンタクト率・空振り率・Whiff%はいずれも昨季より悪化し、平均よりも悪い数字となっていました。あまり空振りは奪えていなかったようですが、ゾーン率とファーストストライク率が50%台と高くなっており、ゾーンで勝負して打たせて取るスタイルとなっていたことが推測されます。

Batted Ball

 昨季に続いてグラウンドボールピッチャーとなっています。割合はほとんど変わっておらず、やはり多くゴロを打たせてアウトを取るスタイルであったことが推測されます。

 Soft%・Hard%ともに昨季より良化しており、Hard%は平均よりも低く抑えられています。昨季より捉えられた打球が少なく、ヒット性の当たりも少なくなっていたことが推測されます。

Advanced

 K%・BB%ともに昨季よりわずかに悪化し、K-BB%は平均以下となっていました。やはり三振は多くは奪えていなかったことが分かります。ただ、被打率とWHIPは良化しており、FIPとtRAも平均より低く抑えられていました。三振が少ない分どうしても被安打は増えてしまいますが、フライの割合を減らして長打を浴びるリスクを低くしていることもあってか、FIPとtRAは優れた数字となっていました。

Win Probability/Value

 WPAは良化しましたが、それ以外のスタッツは悪化となりました。ただ、どのスタッツも昨季の数字が優れていただけで、今季も充分良い数字を残しています。重要な場面もしっかりと抑えてイニングも消化し、出遅れながらもチームの投手では3位となる2.9のWARをマークしました。

まとめ

 三振を多く奪えず、被安打が若干多めとなっていますが、無駄な四球を与えずゴロの割合を多くすることで優れたtRAをマークしていました。開幕に1ヶ月出遅れながらもチーム3位の131.2イニングを消化するなどイニングイートぶりも優秀で、チームに欠かせない投手となっています。課題と言えそうなのは奪三振の少なさですが、打たせて取ることで球数を節約し、多くのイニングを消化することを目標としていることが推測されるため、来季もこのスタイルを変えることなく、200投球回達成を最大の目標に掲げて1年間ローテーションを守り切ってもらいたいところです。

画像引用

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