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【データ分析】2023年を振り返る ー黒原拓未投手ー

どうも、キュプリーヌス(@cyprinus_wrc)です。

昨年はブログでデータ分析記事を上げていたのですが、今年はnoteの方で上げていきたいと思います。

今日は黒原拓未投手です。

以前書いたnoteもぜひお読みください。



選手詳細

黒原 拓未(くろはら たくみ) 投手 24歳 173cm73kg 左投左打 2021ドラフト1位

基本成績

二軍

一軍

寸評

勢いのあるストレートとキレのあるカットボールが武器の本格派左腕。コンディション不良から復活した今年は一軍では結果を残せなかったものの、二軍では好投を続け、ウリーグの勝率第一位投手に輝いた。来年は一軍でタイトルを獲得したい。

分析

Pitch Type

二軍

一軍

 ストレート・カットボール・カーブ・チェンジアップ・フォークの5球種で構成されています。一二軍ともにストレートとカットボールが6割以上を占めており、この2球種が軸となっていたことが分かります。今年は新たにチェンジアップも投じていました。
 平均球速は二軍で142.8km/h、一軍で145.0km/hとなっており、中継ぎだった昨年と比べると低下していることが分かります。

Pitch Tempo

二軍

一軍

 Tempo+/-は二軍でプラス、一軍ではマイナスとなっています。ただ、Tempo自体には大きな差はなく、Timer Equiv.も10.1/9.7とピッチクロックが導入されても問題はない数字になっています。

二軍

一軍

 ランナーを背負った場面では一二軍ともにTempo+/-はプラスとなっており、慎重なピッチングとなっていたことが分かります。一軍のTimer Equiv.は21.0とピッチクロック違反となる数字になっているため、投球テンポを見直す必要がありそうです。

Pitch Value

二軍

一軍

 二軍ではカーブ以外、一軍ではフォークのみがプラスとなっています。一軍では防御率が10点台となっているため当然数字も悪くなってしまいますが、好投が続いた二軍では優れた数字を残しました。カットボールは70イニング以上の投手ではウリーグトップとなっており、リーグ屈指の武器となる球種を持っていることが分かります。新球のチェンジアップも2.90と大きなプラスとなっています。

Plate Discipline

二軍

一軍

 二軍では、ゾーン率・ファーストストライク率・CStr%以外のスタッツで平均よりも良い数字を残しました。ボールゾーンへの投球が多かったものの、それを振らせることで空振りを多く奪っていたことが分かります。
 一方で一軍では、コンタクト率・空振り率・Whiff%では平均より良い数字を残したものの、ボールゾーンスイング率は大きく平均を下回りました。ゾーン率とファーストストライク率が高くなっており、ボール球を多く投じて空振りを奪うという二軍でのピッチングは一軍ではできていなかったようです。ただ、それでも平均以上に空振りを奪えているのは明るい材料と言えるでしょう。

Batted Ball

二軍

一軍

 フライの割合が多いフライボールピッチャーとなっています。空振り率が高い=三振が多いと推測されるため、セオリー通りの数字と言えるでしょう。一軍ではライナー率が16.3%とかなり高くなっており、捉えられた打球が多かったことが推測されます。

二軍

一軍

 二軍ではSoft%・Hard%ともに平均よりも高く、打ち取った打球と捉えられた打球のどちらもが多くなっていたことが分かります。一軍ではHard%が非常に高く、かなりの高確率で捉えられてしまっていたようです。

Advanced

二軍

一軍

 二軍では全てのスタッツがリーグ平均よりも良い数字を残しています。FIPとtRAは70イニング以上の投手ではリーグトップと非常に優れた数字となっており、リーグトップクラスの失点阻止能力を有していることが分かります。K-BB%も17.9と、平均の11.4を大きく上回っていました。
 一軍では全てのスタッツが昨年より悪化となりました。ただ、LOB%54.1、DER.511とかなり運の悪さもあり、tRAは4.77と防御率の半分以下にはなっています。LOB%とDERは昨年もかなり悪い数字となっているため、来年はこれらの数字が収束して好成績を残すことも期待されます。

Win Probability/Value

 こちらの項目は一軍の数字のみを掲載します。
 ほとんどのスタッツが悪化となりました。イニング数が少ないということもあり、チームの勝利にはほとんど貢献できていなかったことが分かります。

まとめ

 一軍では思い描いた数字を残すことはできませんでしたが、二軍では文句なしの数字を先発投手として残してくれました。カットボールとチェンジアップという、大きな武器を2つ持っていることが強みとなっています。
 冒頭に紹介した過去のnoteでも言及したように昨年の阪神の村上を上回る数字を残しているため、来年はプロ初勝利からの2桁勝利を達成し、チームを優勝に導いてもらいたいところです。

画像引用

データ参照


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