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打低環境に適応してローテに定着したアドゥワ誠を分析

どうも、キュプリーヌス(@cyprinus_wrc)です。

現在セリーグ首位の我らが広島東洋カープですが、その原動力となっているのが強力な先発投手陣です。本noteでは、その先発陣の中からアドゥワ誠をピックアップして分析していきたいと思います。

※データは全て交流戦終了時点のものになります


基本成績

まずは、基本成績を強力な4本柱の投手達と比較していきます。

勝ち星は多いものの…

 勝ち星こそ5勝で森下に並ぶチーム2位となっているものの、HR%、防御率、tRA、RARは5人の中ではワースト、K-BB%はリーグ平均以下となっています。また、ゴロ率も他の投手より10%以上低い37.4%となっており、今季はフライ/ライナーが多くなっていることが分かります。

何故勝てているのか?

では、他の投手より劣る成績で何故勝ち星を挙げることができているのでしょうか?ここまでの登板成績を確認していきます。

多くの援護点をもらえている

 10登板中5登板で3点以上の援護をもらえており、1試合あたりの平均得点が2.98のチーム事情を考慮すると、かなり援護をもらうことができていると言えるでしょう。また、この援護点はその試合でチームが挙げた得点ではなく、アドゥワが登板している段階で挙げた得点であるため、投球回の少なさを考慮すると、試合の序盤からチームが得点を挙げてくれていることも分かります。5勝という勝ち星には運の良さも作用しているようです。

アドゥワ=ゴロPではなくなっている

成績の割に多い勝ち星とともに気になったのが、異様なゴロ率の低さです。ゴロ率が低いということはフライ/ライナー率が高くなっているということになりますが、実際はどうなのでしょうか?これまでの数字とともに確認していきます。

2020~2022は一軍登板なし

フライ率が急上昇

 やはり、今季はフライ率がかなり高くなっていることが分かります。また、ゴロ率は年々低下しており、多くの方が持つアドゥワ=ゴロを打たせて取る投手というイメージからは離れてきているようです。

飛ばないボールに対応?

 今季のNPBを観ている方なら、今季のボールに合わせてフライボールピッチャーになったのではないか?と思いついたのではないでしょうか。実際にはいきなりその年の環境に合わせてピッチングスタイルを変えることはできないため、その可能性は限りなく低いですが、結果的にフライ率が高くなったことでローテーションに定着する投手となれたことも考えられます。まずは、今季のNPBのフライ打球に関する各種スタッツを確認していきます。

 打率/OPSは2014年以降で最低の.272/.770、外野フライアウト率は最高の73.5%、Hard%は最低の28.1%となっています。今季のフライは強い打球がかなり少なく、外野に飛んでもアウトになる確率が高くなっており、打率とOPSも低くなっていることが分かります。今季は例年に比べ、フライを打たせることのリスクがかなり小さいようです。結果的にフライを多く打たれても長打が少なく、先発ローテに踏みとどまれるほどの成績を残せていると推測できます。

まとめ

 以上、アドゥワ誠の分析でした。
 K-BB%は平均以下、一般的には長打になるリスクが高いとされるフライが多くなっているアドゥワですが、援護の多さや飛ばないボールの恩恵を受けていることもあり、開幕から基本的にはローテーションを守り続けていることが分かりました。ローテ5,6番手投手としては及第点の数字を残せているものの、4本柱と比べるとかなり数字は劣っており、シーズンを完走できるかは微妙なところです。代わりの先発投手は用意しておくべきかもしれません。

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