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画像生成AIを使ったデジタル画集を出した話

 私は先日、画像生成AIを使ったオリジナルのデジタル画集を発表した。要はBoothでPDFとして販売を開始したのだ。

 今回の主題は制作に至った経緯や制作自体の振り返りである。
さて、まずは制作の経緯から。制作を開始した頃は画像生成AIの黎明期であり、様々な問題がインターネットを賑わせていた。例えばi2i(image to image)で他人の絵を元画像として読み込ませたりした人が大きな注目を集めていた。これは著作権侵害に該当し得る事例である(実際に該当するかは裁判をやらないとわからないが)。他のケースについても大半がAI自体の問題ではなく、その使い方の問題であった。
そんなわけで画像生成AIのクリーンな使い方を世に示す一例となれば良いと思って制作を開始したのである。

 実際の内容については画集を参照してもらうとして、ここでは制作の振り返りをしていこうと思う。
 まず第一に、制作期間である。本作の制作期間は3ヶ月ほどであった。今にして思えば時間をかけすぎた。というのも画像生成AIの技術的進歩速度は凄まじく、この画集を制作している間に時代が変わってしまった。比喩ではなく実際それくらいのインパクトがあったし、どれほどの技術革新が起こったのか私も全ては把握できていない。画集にはオマケ程度(3ページ)のコラムを載せたが、そのコラムで指摘しようと思っていた技術的課題が制作中に解決したことにより段落を削らなければならなかった。
 制作プロセスについては、あまり効率的でない部分もあったが良い経験になったという意味では満足している。AIイラストへの加筆修正は絵の内容次第ではあるが想像以上に難しいものがあった。全体を俯瞰し、一枚のイラストとしての調和を考えながら加筆する必要があるためだ。複数のAIイラストをフォトバッシュのように合成する手法は想像以上にうまくいったし、自分が描いたラフや抽象的な画像からi2iでイラストを生成させる手法も素晴らしい成果を上げた。
 画集のイラストのテーマはざっくりいえばSFである。AIの可能性を探るためにあえてある程度の幅をもたせたが、一つの作品としてはもっと限定的なテーマにしてもよかったかもしれない。もし次があるのならそれも考慮して制作したいところである。

 そんなわけで今回の記事はここで終わろうと思う。私の画集についてもっと知りたい方はBoothの商品ページを参照してほしい。


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