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コーチ・アナリスト留学後の進路

芝本です。最終の成績はまだ返ってきていないのですが、5月で卒論を書き終え無事3年目を終えることができました。カーディフシティとウェールズ代表で働き始めた2年生からは本格的に仕事の方が忙しくなり勉学に集中できないことがありましたが、先輩方や教授のサポートでなんとか乗りきれました。フットボールで働くには必要な経験をつめるインターンシップと大学を両立できるのは確実にUSWやその他イギリスの大学の良さだと感じました。

そんな中、フットボールで働くことの過酷さを感じた3年間でもありました。

コーチとしての進路

卒業後コーチになりたい人は大抵パートでコーチを続けながら、学校で先生として働きます。卒業後1年目にフルタイムでチーム(年代)をかけもつコーチとして就職する人はなかなかいません。2年上の学年からは30から40人の学年から3人(内1人は先輩の恵さん)。1年上の学年からは1人も出ていません。僕の学年からは今のところ誰も出ていません。
 
これは「フルタイムでチームをかけもつコーチ」として働く卒業生の話ですが、こんなに少ないのか!って1年生の時に思っていました。フルタイムコーチ(特にプロアカデミー)の仕事ってすごく人気なんです。需要が高すぎて供給が全然間に合ってないのが現状です。そんな仕事を狙っているのは同学年の生徒だけでなく、他の大学(カーディフメット大学、スウォンジー大学)の生徒や卒業生、社会人です。

さらに、留学生につきまとうのがビザの問題です。卒業後に取ることの多いGraduation Visa、またはSkilled Worker Visaではコーチとして働くのがグレーなところです。さらにイギリスでは移民がここ数年で極端に増えたことからビザの規制が厳しくなっています。現にSkilled Worker Visaを取るための目安賃金が大幅に引き上げられたりGraduation Visaの見直しがされたりと、不安定な状態です。

従来のコーチ以外の進路

 唯一の進路が年代をかけもつコーチではありません。コーチの中でもポジションに特化したGKコーチ、近年注目を集めているコーチ業とアナリスト業を融合させたコーチアナリストなど様々な道があります。

先輩の桑原さんはプロアカデミーでコーチアナリストとして活躍していますし、僕の同級生は在学中にチェルシーでGKコーチとして働くことになりました。

アナリストも人気の就職先の1つです。IT関係の仕事に分類されることから、ビザの制限がかからないのが留学生にとっては大きなプラスです。1学年上からは白水さんがFC東京でアナリストとして就職しましたし、ウェールズ代表1stチームのアナリストとして就職した先輩もいます。現在チェルシーU18、U21のアナリストは両方USW出身ですし、その他にも英2部1stチームの環境でアナリストとして活躍している先輩方がたくさんいます。

チームに帯同する従来のアナリストだけではなく、リクルートメントアナリストといった選手獲得を手助けするアナリスト業も人気の進路の1つです。アナリストでコネクションを作りながらコーチや前述したコーチアナリストに転身する方も少なくありません。

このように役割によって仕事が細分化されているのが現代のフットボールです。コーチ・アナリスト留学をお考えの方は道を一本に絞るのではなく、たくさんの選択肢を考慮し様々な分野で経験をつむことをおすすめします。

その点、USWの強みは授業を通してコーチの経験をつみながらUEFA Bライセンスを取得できることや、フットボールに特化した授業からコーチ・アナリスト業について学べることです。授業の量もそこまで多くないのでインターンシップなどで実践練習ができるのも大きな利点です。他の大学でもSports CoachingやSports Analysis の学部がありますが、様々なスポーツで働きたい生徒がいることから、フットボールに関係のないことに大半の時間を費やすことが多いみたいです。

USWでは大学院に通いながらコーチやアナリストを続けることもできます。大学院では(限られた人数ですが)UEFA Aライセンスのコースに入ることもできます。競争率は高いですが、先輩の木村さんはこの進路でAライセンス取得に向けて努めています。

大体の卒業生がフルタイムの仕事につきますが、プロのアカデミーや組織でコーチやアナリストとして働くことになるのは学年の15%ほどです。

最後に

3、4年前に留学を考えていた頃を振り返ってみると、自分はこういったことを知らないまま少し勢いで留学を決断したように思います。留学を後悔している訳ではありません。むしろ、イギリスでしか経験できないようなことやいろんな方と出会えて、かけがえのない、充実した3年間でした。

運よくウェールズ代表やカーディフシティで働くことができ、卒業後もアナリストとして就職先の見込みがついていてUSWには感謝の気持ちでいっぱいです。ただ、入学してからフットボールで働くことについて気づくことも少なくありませんでした。大切な3年間を費やすことになります。やり直しがきかない訳ではありませんし、USWに留学を決断したからといって必ずしもフットボールで働かなければいけないことではありません!
 
しかし、大きな決断ではあります。一歩踏みとどまって進路について考え、最大限の準備をすることが大事だと思います。

芝本


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