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『クワイエット・プレイス PARTII』 (2020)の予習とパート1のおさらい

『クワイエット・プレイス』(2018)の核心や結末に関する記述あり

パート1のおさらい

まず、音を立てても即死とは限りません。というか「音を立てたら、即死」というのは日本の配給会社が勝手に付けたコピー。音を立ててもセーフな場合もあるじゃないかとツッコんでいる人がいたのは日本だけです(たぶん)。

クリーチャーは人間を「狩って」いるらしい、ということしか解っておらず、その場では殺していないのです。なので死体は見つからない。老夫婦のおばあさんは、おじいさんが殺したんですね。心中です。狩った後どうしているかは、たぶんPARTIIで明らかにされるんでしょうけれど、捕食ではないようです。一家の末子のお墓らしきものも、遺体が無いので本当のお墓ではないのでしょう。伝統的に土葬が主流のアメリカなので(最近は火葬も多いそうですが、一家は保守的なキリスト教徒だと推測されます)、遺体が発見されないと親もあきらめがつかないでしょう。これは戦争でMIA(行方不明)になった若い兵士のメタファーという解釈もできますし、そう考えるとスペースシャトルの玩具とも繋がってきますが、考えすぎかもしれません。まあ、アメリカでは行方不明になる子供がとても多いです。

川のそばで暮らせばとか言う人もいたようですが、話し声程度は大丈夫でも大きな音はだめだと説明されていますので、材料や道具を運んで小屋のようなものを立てることは無理です。子供が二人いるのにテント程度では冬は越せないでしょう。家にいればソーラー発電で電気は使えるし、灯油なんかも備蓄してありそうです。

妊娠については、最初に観たときは計画的だったんだろうと思いましたが、2回目の観賞で、どちらかというと計画的ではなかった感じを受けました。いずれにしろ、赤ちゃんは未来や希望の象徴であり、それを理解できない人はスタインベックの『怒りの葡萄』にも、大恐慌の時に妊娠するなとかケチをつけるでしょう。マルサス主義批判のアレゴリーという感じもします。

『クワイエット・プレイス』(2018)の考察でも書きましたが、実は予告編には本編で使われていない映像があり、重大な情報が隠されていました。

PARTIIの予想

PARTIIに関しても予告編に重要なヒントが隠されている可能性が高いです。PARTIIにもジョン・クラシンスキーが出演することは公表されていますので、おそらく侵略が始まった1日目と現在の2つのタイムラインが描かれるのだと予想されますが、89日目と472日目の間も描かれるかもしれません。予告編にある、クリーチャーが街で暴れたり人々が逃げ惑う場面が、本編では一切なかったら面白いですね。その分、89日目と472日目の間をじっくり描いてほしいです。また、予告編からも、クリーチャーはEMP(電磁パルス)的な能力(?)を持つ感じがします。

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