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本の話 1 「ほどよい量を作る」 甲斐かおり

「読書を習慣にする」ということ

読書をしないとなと思い、本を買って読み始めました。

きっかけは「成功者の95%は読書を習慣にしている」というのをみかけたこと。あと、「運動を習慣にしている」も成功の条件としてだいたいセットのようで、ウォーキングも並行してはじめています。

最近は学生を終えてだいぶ時間が経って、日々に追われて読書をする機会が減っていました。

それは、もともと活字よりも漫画のほうが好みに合っていて、もっというと2時間くらいのアニメーションの方が、まとまった時間で感動やらが得られるという「時間に対するコスパ」みたいなものを考えて出た、とりあえずの結論。本は読むのに時間がかかるし、書き口が合わないとなかなか読み進められない。

しかし、読書についての本を何冊か読んだり(すごくわかりにくい表現だ)しているうちに、どうもそういうことじゃないんじゃないかということを考えるようになってきた。

つまり、時間効率が最大のものが、最大の成果を生み出すわけではないということ。言われてみれば当たり前の話ではあるが、こんな初歩的なこともみえなくなるくらい近頃の僕の頭は行き詰まっていたのだ。

「ほどよい量をつくる」ということ

この「ほどよい量をつくる」という本。非常に読みやすくていいです。

どんなことが書いてあるのか簡単に説明すると、大量消費することで経済をぶん回してきた日本という国のなかで、だんだん「このモデルはスマートじゃないし、無理があるよね」ということに気づく人が増えてきて、自分たちがバランスよくものを作って、本当に欲しい人に届けるということはなんなのか。そういうことが、具体的なケースを出してわかりやすく書いてくれてある。取材もとても細やかで、著者の熱意が伝わってくる。

ものを作って売る。誰かが買う、ただそれだけのことだけど、「今着ている服を作ったのは誰なんだろう」とふと考える。そんなことすらわからない今の状態は、便利だけど確かに怖い。

少し車を走らせれば大型のショッピングモールや、ファストファッション、24時間営業のスーパー、100円ショップ。そのなかで、日本製のものって一体何%なんだろう。有機栽培の比率は? 生産者は正当な報酬を得て、気持ちよく生活できているだろうか。

僕たちは、うまく生きられているだろうか。

「あれこれ考える」ということ

思考はどうどう巡りして、なるほどこれはコスパが悪い。何も前に進んでいないようにも感じる。

けれど、寝て起きたら頭の中で整理されていて、新しいアイデアが思いつくかもしれない。

次は何を作ろう。できれば信念の込もったものを。

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