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若手が陥りやすい「責任感のはき違え」|マネジメントコラム

仕事に慣れてくると、色々な仕事が任されるようになってきます。経験の浅い頃に仕事を任されるようになれば、責任を全うしようと張り切って仕事に取り組んでいくことになりますが、時にはうまく仕事を進められず苦労することもあるでしょう。そうすると、「任されたのに責任を果たせなかった」と悩んだり、上司から叱責されて更に落ち込むこともあるかと思います。

さて、仕事における「責任」とは何でしょうか。しばしば「責任」や「責任感」という言葉の意味が誤解されることがあり、それについて書きたいと思います。

責任感のはき違えとは

一般的に「責任を持つ」、「責任感が強い」という言葉でイメージされるのは、「困難があったとしても諦めずに最後までやり抜くこと」といったことかと思います。この諦めずにやり抜く姿勢が誤った方に向くと、「任された以上、"自分の力で"最後までやり抜いて完遂させなければいけない」となってしまいます。最後までやり抜く姿勢は一見素晴らしいもののようにも見えますが、責任感の強い人ほど「自分の力で」という思いが強い傾向があり、ひとたび困難に直面し物事がうまく進まなかった時、自責の念にかられることになります。

これを、「責任感のはき違え」と言います。

例えば、任された仕事が、明らかに期日で完遂できない見込みとなった時、どのように対応していくのが良いでしょうか。

一見すると責任感が強いが、責任感をはき違えている人に多く見られる行動は、何とか遅れを取り戻そうと、必死に挽回を図ろうとすることです。また、進捗が良くない場合に、良くない報告をすることは責任を果たせていないと考えるのか、状況報告の頻度が段々と少なくなっていくこともあります。もちろん、仕事が無事に完遂されれば、報告が少なかったことも含めて、回りから何か言われることはないでしょう。しかし、期日に間に合わなかったり、求められた品質に達していないことが発生すると、状況は厄介なことになります。当人にとっては、責任感を持って、死力を尽くした結果であればなおさらです。自分のせいで仕事がうまくいかなかったと思いつめ、どうすれば良かったのかもわからず思い悩んでいくことになります。

これは、仕事においては、責任を果たしたとは言えませんし、責任感を持って仕事に臨んでいたはずが、「責任感がない」と言われてしまう事態です。

仕事における責任とは

仕事において、責任を果たすというのは、その仕事の実行に責任を持つ、ということです。仕事を完遂させることだけに責任があるのではなく、例えばリソースやスケジュールの問題を始め、外部要因でそもそも仕事を完遂させることが困難な場合もあり、そのような場合には迅速に上司やマネージャーに状況報告し、解決策について相談することも責任を果たすことになっているのです。しかし、責任感をはき違えてしまうと、何とか自分の力で解決しなければならないと考えてしまい、報告が遅れることで対応も後手後手となり、そのせいで更に仕事の進捗に影響するという負のスパイラルに陥ります。

こうしたことを防ぐには、上司やマネージャーにとにかく報告・相談を頻度良くやることです。経験が浅く、どれくらいの頻度で報告すれば良いか掴めてないうちは、まずは毎日報告し、課題も随時相談するのが良いです。マネージャーからすると、報告頻度が高い人に対しては、安心感が生まれます。その人に任せていると、何か問題が起きてもすぐに報告もらえるから解決が早いだろうという期待があるからです。

マネージャーから「〇〇の件って状況はどうなってる?」というような質問を受けた場合や、良く言われるなという場合には、マネージャーの期待する報告頻度とミスマッチが起きていますので、まずは報告頻度を倍にしてみましょう。仕事を進める上での困難な課題も、初期の段階で相談すれば一緒になって考えてくれると思います(もちろん、ただ状況報告するだけではなく、解決案の提示は必要です)が、後になるほど報告がなかったこと自体を責められることになります。

仕事が中々うまくいかないという人は、本来すべき相談ができていないかもしれません。仕事における責任を正しく果たすことを意識してみてください。

CTO 中村智武

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