水ダウ生放送遠隔操作ドッキリ企画に感じる面白さ

2021年10月20日に放送された水曜日のダウンタウンの中の企画の1つに、生放送番組の大喜利的コーナーにインカム付けた女性ゲストを送り込んで遠隔操作する(解答させる)というものがありました。
この番組の録画した映像を何度も観てしまう自分がいるのですが、何を「面白い」と感じているのかを考えてみました。
番組をご覧になった方や、録画して観ることができる方でないと伝わりにくい内容になるかと思いますが、その点ご容赦ください。

ドッキリだったから面白かったのではない

個人的に今回の企画は、大喜利自体の面白さやレベルの高さを活用したラヴットレギュラーキャストに対するドッキリ企画だったと解釈しています。そういう意味で、制作側の狙いは、異常な状況に翻弄されるレギュラーキャストを見て笑うこと、それを面白さとして考えているのかもしれませんが、私が何回も観てしまうのはその点に面白さを感じているからではなく、自分でも何なんだろうとちゃんと説明できなかったので、考えてみることにしました。

何回も観てしまうシーン

私が何回も観てしまうシーンは、次の2つです。
・企画を理解した時の女性MC(TBS田村アナ)のリアクション
・生放送終了後、大喜利解答を考えたのが誰だったのかネタバレするところ

■企画を理解した時の女性MC(TBS田村アナ)のリアクション
麒麟の川島が「えっ、あの!?」と気づいた時点でもまだ気づいていない様子だった田村アナ。田村アナが気づいたのは、仕掛人の千原ジュニアが企画タイトルを「ラヴィットの女性ゲストを大喜利芸人軍団が…」と読み上げた時。おそらくスタジオにカンペ的なものが出たのを千原ジュニアが読んだのだと思うのですが、おそらく田村アナもそのカンペ的なものをそのタイミングで見て、千原ジュニアが読み上げている時に「ひえぇぇ」っとちょっとした悲鳴のような驚きの声を上げています。その読み上げが終わった直後の映像で画面の左端に田村アナが映るんですが、その驚きと感嘆が混ざったようなゾッとしているような独特の動作は何回見てもなんというかゾクっとするものがあります。

■生放送終了後、大喜利解答を考えたのが誰だったのかネタバレするところ
企画概要をスタジオ全員が把握した後、「ほぐした赤LARKですw」と仕掛人の大喜利芸人軍団の誰がどのネタを考えたのかというネタバレが始まります。「ほぐした赤LARK」「盛山のディアゴスティーニ」「目玉のおやじの衣替え」の3ネタを考えた仕掛人が誰だったかという話になるのですが、この時の仕掛人と仕掛けられた側のやりとりの雰囲気がすごく良くて何回も観てしまいます。

分析1(田村アナのリアクション)

田村アナのリアクションに私が感じている面白さは何なのか?
勝手な想像ですが、あの時の田村アナの心境は「信じられない。こんなことがあるんだ…」だったのではないかと思っています。あのちゃんの大喜利力のすごさは認めつつも、朝の生番組にはアンマッチすぎる解答、ヘタすれば苦情殺到かもしれないという状況をTBSがまさかOKしていたなんて…と鳥肌立っていたのが、あの動作だったのではないでしょうか。不安や抑圧された気持ちが解放された、いわゆる「カタルシスを感じている」状態だったと思うんですが、それをあの動作がものすごくリアルに体現していて、そこが私に刺さっています。

分析2(ネタバレタイム)

ネタバレタイムの雰囲気に私が感じている面白さは何なのか?
生放送中、あのちゃんによってとんでもない空気になる状況の中、レギュラーキャスト陣は、困惑、不安の気持ちで一杯だったと思います。本番が終わって、普段以上に緊張から解き放たれたと思ったら、千原ジュニアを筆頭に入ってきた仕掛人軍団を見て、一気に戸惑いゲージが上がったんじゃないかと思います。さらに千原ジュニアの問いかけに水ダウの企画であることがわかると番組中のどこが企画だったのかわからず、戸惑いゲージはMAX。その後、企画内容を知った時の驚きと安堵、そこから個々にはっきりさせてすっきりしたい謎(=誰がどのネタを考えたのか)を明らかにしていき、どんどん盛り上がっていく雰囲気。これも「カタルシスを感じている」状態だったと思います。

で、私が感じた面白さは何なのか

私は、謎解きや推理イベント制作に関わることがあって、参加してくださった方々が楽しんでくれることが幸せなのですが、中でもイベント終了後に参加者が制作メンバーと話すことができる時間を使って、個々に抱いている疑問を払拭して盛り上がる様子を目の当たりにするのが一番好きなんです。そう考えると、今回の水ダウを何回も観てしまう理由は、「人がカタルシスを感じている様子を見るのが好き」なのではないかという結論に行きつきました。私の感覚としては「面白い」というレベルではなく、ある種の「感動」をしているレベルです。人狼ゲームや最近流行りつつあるマーダーミステリーなどでもある、プレイ後の参加者同士の感想戦も近いものがあると思っていて、観戦人狼、観戦マダミスというコンテンツがあるとしたら、プレイ後の感想戦を一番観たいと思う性格なんだと思います。

おまけ

本筋とはズレるので、おまけとして書くのですが、アンタッチャブル柴田の裏回しが秀逸でした。生放送中に普段はしない正解をしにいく動きをしたところがその1つなんですが、それ以上にすごかったことがもう1つ。ネタバレの時、あのちゃんが仕掛人だったことに一番最初に気づいたのは柴田だったと私は見ています。川島よりも先に気づいていながらも、MCである川島に答えを言わせるために川島が気付くまで「あのちゃん」の名前を絶対口にせず、ヒント的な情報を提供するその行動は素晴らしかったです。

さいごに

今回、画像が一枚もない記事であったにも関わらず、最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。
これからもお客さんが「カタルシスを感じることができる」機会を提供することに微力ながら関わっていこうと思います。



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