『17歳の帝国』の良さと良くなさ

圧倒的な針尾無線塔のビジュアル(初めて知った。既存の建築物であることすら知らずにいた)! そして説得力のありすぎるかみおふうじゅのルックス/表情(『顔だけ先生』履修済み)!  そして○○(役者)の…良さ/悪さ

ああそれなのに、ラストは村おこしイベントで終わってしまった。

ソロンは何をしたのか。ドラマから感じ取れるのは「政治AI」といっても再開発でトリ/ヘキサ/ノナがそれぞれの案を提出し、それが実現すると幸福度はどう変わるか、また、市の職員を削減すると、短期的・長期的になにがどうなるのか。……くらいだったかな。

よくロボット三原則は「家電」三原則だなんて言われる。

ソロンの提案は、例えは目覚まし時計が「今起きればこうなります」「一分余分に寝たらこうなります」「5分余分に寝たら出社に間に合わなくなる可能性が95%にアップします」的なもので、その中から人間(本人)が何を選ぶのか……というものに似ていたように思う。

それは政治か?

政策決定ですらないような?  それはシミュレーターだよね?

せめて、3年後の描写の中に、市民の幸福度はどう変わったのかは明示してほしかった。また、新総理を選ぶにあたって、誰を選べばこの市にとってどう良くなるのかのデータ画面みたいなものを回想シーンで1秒でもいいから入れてほしかった。

3年たったのなら、その間に第二のウーア計画が持ち上がっていても良いのでは?とか。初回に「サンセットジャパン」とうたわれた日本が、3年間でウーアから何かを学んだのかとか、そういうのもなくて、平が意外と早く総理になった……ってだけであって、それも日本の選挙制度・政党制度の中で、そうも簡単に総理に就任できるのか? (後ろ楯は?)とか思えてなんとも

秘書の「事件」はサンセットジャパンやウーアとは直接的には関係の無いことなので、それが一つの軸になってしまうと政治スキャンダルを描きたいドラマなのか?となってしまう。
また「17歳の帝国」というキャッチーなタイトルも、物語の中では一記者が使ったフレーズに過ぎなかった。

本来ならドラマタイトルは「それは17歳の帝国なのか?」あたりが妥当ではないか。売れないだろうけど。

そして……
「SFは絵だね」とは言えるけど、「絵」がすごければSFになるかというとそうではない。負け惜しみ的にこのドラマはSF風政治スキャンダルと初恋トラウマにより更迭された超優秀高校生のものがたり?


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