沖縄210km4位

沖縄に向けた機材はとても悩みました。
その中でも万全はどれかを探して以下のように。

フレーム:SPECIALIZED VENGE
ホイール:前輪 ITLAB45
     後輪 ITLABプロトタイプ50
タイヤ:コンチネンタル GP5000CL
ハンドル:FSA コンパクトカーボンハンドルバー SL-K
ステム:3TARX LTD +-6°CARBON-FIBER  
サドル:S-WORKS ローミン

さて…。
恐らく、ピーキングも上手くいき、体調も良くて調子が良かった今回。
落車、メカトラにて順位を落としてしまったと思います。
この2つが無ければ、より展開を考えて動くことができたし、順位も違っていたと思います。

しかし、この2点は両方自分の落ち度。
来年走ることが叶うならば、もう一度走りたい。
妻と相談ですが。

目標は優勝。
目指さなければ叶わないと思っているので。

当日は7:27スタート。
10分程前にスタートへ行き、前列に並ばせていただく。

©MakotoAYANO/cyclowired.jp

スタート後はまったり行くのかと思いきや、出入りのある展開に。
色々な人が書いているので特筆はしませんが、集団のスピードがいつもより速く、中盤以降は比較的ナーバスな状態。
中盤より前に位置して、様子を見守ります。

序盤で数人の逃げができましたが、特に気にしません。
石井さんやロードレース男子部が入っていましたが、あくまでもエースはシュガーさんでしょうし、最後まで行くことは無いだろうと思い集団待機。

普久川までは、知り合いと軽く話したりタケローのオシリを追いかけたりしながら過ごします。

©MakotoAYANO/cyclowired.jp

1回目の普久川はチームメイトであり、VELOCEの山岳隊長であるkenkenさんが引いてくれる。
丁度よい速さで引いていただき、おそらく集団は40人程度に。

北側は人数も減って落ち着きながら。
奥の前でトイレタイムも終わり、登りへ。

前々日に、はこぶねと沖縄に来た私ですが、その時にはこぶねが「なんか今年は奥の登りからアタックかかる気がするんですよねー」と言っていたのだが、本当にそうなったから凄い。

皆が書いている高岡さんのコミカルアタック。
もうね、振り返った顔が可愛かったから皆にも見て欲しかったよ。
少年の笑顔だったからね。
給食でカレー出たときの僕の笑顔に近いよね。

なんかやばそうだなー。と思って下りは5番手以内で下って距離を見る。
先頭は踏んでるけど追いつく気配はない。
フロント54丁でぶん回してるんだろうなと感じる。
私はフロント52丁しかないので、ここではおそらく追い付けない。

その後ちょっとした登りがやってくる。ここでおそらく追いつくだろうと踏んでいこうとすると、登りで被せてきた人たちがスピードダウン。
ペースで登ることとなる。
この時、自分で行きたい気持ちはあった。
でも2019年の普久川で千切られて以降、15分以上の登りに自信が持てなかった。
ここで前にジョインできても、登りで千切れたらどうしよう。
それが頭をよぎり、強く踏むことはできなかった。

そして登り切った時、前方の高岡さん含む集団はかなり小さくなっていた。

まだ長過ぎる。クライマーも集団にいるので追い付くだろうと考えていた。

海岸線も結構なペースで進んでいく。
はこぶねが回してないのが見えたので、そっと後ろに行こうとすると、チームメイトが前に居るとの事で、回さなきゃいけない感じになる。この時には既に前方の集団は見えなくなっている。

登りに入る頃にはギャップは2分。
この海岸線でそんなに広がらないやろ?と思ってたけど広がってました😇

登りは5.3倍位のペースで。
ちょっと辛いけど、千切れてしまう感じはない。
そのままピークを超えて下りへ。
下りの前に少し番手を上げたが、これが結果として失敗だった。

下りが速い。
路面が完全ウェットで滑るため、その速度はやだなぁと前の選手とはマージンも開けていたが…。
前の選手が右に左にふらつく。
深めの右コーナー。
速度は殺しきれない。
転倒する前の選手。
これ以上ブレーキすると車輪が滑る。
突っ込むしかなくなる。
落車した選手に突っ込み、顔から転倒。
痛い。
視界がいいのは、お気に入りのサングラスが飛んでいったからか。
落車したのは6人?
集団の最後尾が見える。
パンクはしてない。ハンドルも曲がってない。
そう思ったら、既に下りはじめていた。

後ろで本田さんがドクターカーを呼ぶ声が聞こえる。

止まったほうがいいのだろうか?

でも、まだ走りたい。

集団は見えない。
下りも攻めれない。
でも祈るような気持ちでペダルを踏む。

補給所には選手はいない。
チーム員から補給を受けようとするが、うまく受け取れなかった。
向こうはびっくりしただろうし、僕は冷静に手を伸ばせていない。

©MakotoAYANO/cyclowired.jp
©MakotoAYANO/cyclowired.jp

でも止まっている暇はない。公式のスポドリを受け取り再び下りへ。

ここからは路面も乾いていたので、攻めれる範囲で攻める。

降り切っても集団は見えない。
でも、沿道の人が応援してくれる。
少し先だと教えてくれる。

それを信じて学校坂へ。

すると、前方に集団が見える。 

第2集団か?
それでもいい。まずは集団に合流して、少しでも前を目指したい。

と思っていたらISのジャージ2枚が見える。
兼松さんとはこぶね?
もしかしたら追走集団?
学校坂でも上がってない?

色々状況は分からなかったが、前に追い付けば生き残れると確信して全力で踏む。

ペースで行ってくれているのでなんとか追いつくが、学校坂は長い。
あまりにも苦しくて千切れてしまいそうになるが、はこぶねが背中を押してくれて集団になんとかつく。
兼松さんも苦しそうだが、そこもはこぶねがフォローしている。

優しい男です。

なんとか学校坂をクリアして回復につとめる。

皆が僕をちらっと見て二度見する。
やめろよ。
そんなに男前かい?

とか思ってるとフロントの変速がおかしいことに気づく。
落車の影響からか、アウターに上がりにくい。
しかし、回復のさなかアウターで踏んでいくわけにもいかずインナーに入れる。

 が……。次の登り返しでアウターに上がらない。
勿論トルクは抜き抜きやけど上がらない…。
流れていく集団。
ガチャガチャしていると後ろから力がかかる。

タケローだ。

今期急に仲良くなった。
全然知らなかったけど、自転車界の未来を考えて、自分に何ができるかを真剣に考えてる。
走りも考え方もかっこいいから、この一年で僕はこの男が好きになった。

そんなタケローが押してくれてるけどチェーンは上がらない。

止まってチェーン直すも、前を見ると集団は見えない。
ほんの20分前におんなじような光景見たなー。
と思いながら走り始める。

©MakotoAYANO/cyclowired.jp

オフィシャルのカメラが僕を撮って離れていく。
このまま離脱とか絶対嫌やな。
応援、サポートしてくれてる皆にも合わせる顔がない。

ということでふみふみして3分程で集団に復帰。
ホンマに心臓飛び出るかと思って死にそうになった。

集団に復帰した後、更に皆に2度見される。
そらそうやねん。血まみれで、顔面腫らしまくって、目をギラギラさせながら走ってたらしい。

そら怖いわな。

フロントの変速がおかしいため、ここからはアウター縛りとなる。

色々な人が、この辺が勝負の分かれ目だったと言っていて、僕もそうだと思う。
でも実際の自分は、復帰と回復に全てを集中させていたので、レースの流れにまで気を配ることはできていなかった。

回復してきたのは慶佐次。
序盤のきついところで北野さんが掛けていく。

©MakotoAYANO/cyclowired.jp

補給所ではチームメイトのRYOさんが、ボトルを持って待ってくれている。
喉がカラカラで、吊りかけていたので本当にありがたい。ボトルを受け取ったタイミングで井上さんがかけていくのが見える。

©MakotoAYANO/cyclowired.jp

井上さんは一緒に練習させてもらうことも多く、沢山のことを学ばせてもらっている。
こんなタイミングで絶対逃しては行けない。

そんなことは皆考えているわけなので皆ついて行くが、このあたりから脚のない人のリストラが始まる。

マグロさんは元気だ。
自分も回復してきた。
差は2分。

僕の中では、有銘でガッツリ上って数人で抜け出す。その後の下りや平坦も数人であればローテも回り、平坦か羽地で追いつく。最後はスプリントだと思っていた。

でもその有銘。
マグロさんが飛んでいく。

©MakotoAYANO/cyclowired.jp


このペースだ!
と思ったら…

カシャン。と嫌な音。

失速するマグロさん。
集団は止まらない。
止まれない。

©MakotoAYANO/cyclowired.jp

でも考えてる余裕までは無い。
アウターが辛すぎる…。

ここで半分くらい居なくなったのかな。
登りをクリアして下りへ。

ここから追い付くために踏んで行く。
と思っていたけど、追走の一番の要だったマグロさんを失った集団の脚は止まった。

振り返るとマツケンさんも居なかったと思う。

本気で追いつきたいと思っていたであろう二人がいない集団では、スピードは上がらない。

本当に細かな坂でアタックのような動きもあるものの、このタイミングでその動きは集団の速度はあがらない。
抜け出せることもない。

羽地の前はサイクリング程のペースまで落ち着き、「高岡さん凄かったな」と2位争いのムードが集団を覆う。

自分はどうだっただろう?
今聞かれても分からない。
でも、おそらくこのメンバーで羽地へ行けた。
2位の可能性も残っているとなった時、その思いの方が強かった気がする。

そして勝負は羽地へ。

©MakotoAYANO/cyclowired.jp

佐々木選手が引いていく。
きついけど、今年一番頑張る10分と決めて登る。
前に読んだマツケンさんのブログに書いてあったので、そう思って登ろうと決めていた。


©MakotoAYANO/cyclowired.jp

前の白い二人が強い。
あとから聞くと、もう一人の方は中村選手だったそうで…。
そら速いわ😇

ただ、皆もかなり辛そうな顔をしている。
自分だけじゃないのが伝わってくるので頑張れる。

番越の手前で北野さんがかける。
4番手に入りながらクリアしてトンネルを抜ける。

ここからが一番苦しい1分半。
ここを頑張れば残れると言い聞かせ、中村選手のペースアップに耐える。

©MakotoAYANO/cyclowired.jp

苦しい区間を乗り切り後は下る。集団に誰が残ってるか把握しきれてなかったが、北野さん、シュガーさん南さんあたりがスプリントがある選手だろう。

降り切って右折。
あと1.2km。

ゾクゾクする。
既に2位争いと、負けていることにかわりはないけど、沖縄の表彰台を争える位置でスプリントができる。

シュガー、中村さん、北野さん、ike太郎、南さん、佐々木さん、ケルメスの方の順でゴール前まで。

位置は自分的には最高。
自分は動ける位置にいる。
北野さんは誰かが動かないと動きにくい。
やや南さんのコースを塞ぎながら巡航。
中村さんが行きたそうに、速度を上げ下げする。
行ってくれると最高なんだけど…。
ゴールまでの距離を確かめる。

まだ早い。
誰か先行は?
あと150。
前の速度が少し上がる。
ここか!
と思った瞬間左端に車輪が見えた。踏み込む瞬間、脚が攣りかけるがここまで来て踏みやめれない!

痛みでやや踏み遅れて、南さんと合わせた佐々木さんに先行される。北野さんもうまくかわして3人1列。踏み遅れた分コースが無い。

少し脚を緩めると佐々木さんが左に動き、南さんの間にややスペース。

ここ!!
と今度こそ踏み直して1人パス。

北野さんは厳しい。
でも南さんは!
とフルもがき。

加速はいい感じ。近付いてる。
相手も少し伸びる。
でも行ける!ギア上げてもう一踏み!
行ける!!

©MakotoAYANO/cyclowired.jp

ゴールを抜ける。
南さんとお互い見合う。

正直分からなかったけど、結果は0,04秒負け。

出てるパワーも1000Wとかで撃沈。

後は野菜おじさんと救護の方に優しく傷の手当してもらう。

サンボルトブースの前で同じくサンボルトのウェアを着てたメンバーでパシャリ。

やっぱり、沖縄は最高だな。
悔しかったけど。

あとは仲間とご飯食べて、はこぶねとドライブして空港へ。

明日から仕事である。

全然自慢にならないけど、この2年間のJBCF遠征で有給を使ったのは一回だけだ。
定時の仕事終わりに会場に向かい、日曜日の深夜に帰宅して月曜日には仕事。
すぐに現実に戻ってくる。

でも沖縄は簡単には現実に戻ってこれそうにないなぁ…。
と思っていたが、真っ暗な我が家を目にした瞬間、一瞬で現実に戻ってこれた事を報告して、今回のブログを終わります。

ありがとうございました。













この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?