大丈夫ですか?って言われても、モデルを見てないのでわかんないです。

「美容室予約したから、ツーブロックを入れに行こう。」と言われてから約1週間。とにかく緊張していた。心なしか、1日がすぎるのがはやかった。

当日は現地集合だった。というか、美容室までついてきちゃう職人さんよ。散髪に誰かと行くって、親と行った小学生依頼の出来事だった。その美容室は職人さんが中学生の時からお世話になってる美容室だそうだ。服を買いに行く服がないみたいな、美容室に行ける髪型をしてないみたいな、とにかく行く資格がないような気がしていた。お店に入るなり、職人さんがスマホで画像を見せながら「コレでお願いします。」と注文をした。…あ、何?もう決まってたの?前髪は上げたくないと言ったら、「そしたらパーマかけよう!」と返ってきた。…何で?職人さんが髪色を変えただけで、社内ではガタガタうるさいのに。別に自分の会社の社員じゃない人が何色の髪をしてようが、仕事さえしっかりして、態度も悪くなければ何でもいいと思うんだけどね。まぁ、ゆるいパーマならやってみてもいいか。別に仕事の質が落ちるわけじゃあるまいし。あえて、その画像は見ないようにした。自分でヘアカタログを見ても、医療ドラマの手術シーンを見るような苦い顔になってしまって、一向に決まらない。職人さんはちゃんと自分に似合いそうな髪型を選んでくれてるだろうし、自分以外の人の自分のイメージに寄せてみるのもいいかもしれないと思った。職人さんを信じられなくなったら、仕事辞めようかな。

お店に入る前から緊張していて、席についてもソワソワしていた。お店の奥の方から、「え?本当にコレ大丈夫かな?あいつ会社に怒られないかな?」と職人さん達の声が聞こえる。…仕事辞め時かな?美容師も「本当に大丈夫?」って心配してくれたけど、その画像見てないのでわかりません。と言ったら、「え?未承諾なの?ヤバいね。」と驚いていた。そりゃあそうか。まぁ、腹はくくった。「軽く飯食べてくるわー。」と職人さんは途中でお店を出た。その間、パーマの説明を本を使ってくれた。だけど、髪を切るハサミから聞いたことがない音がずっとしていた。

パーマが終わった頃に職人さんも戻ってきた。「似合ってるじゃん!!」と職人さんは言ってくれた。鏡を見た時、良いか悪いか、好きか嫌いか、成功か失敗か、どれでもなかった。とにかくわからない。なんだコレは…。前髪を流してた向きも逆になってるし、頭のてっぺんの方がアホ毛みたいに立ってる。前髪も揃ってないし、浮いたような感じ。後ろの方もあったはずの髪がない。というより、全体的に軽い。どうなってるんだ…。トイレの鏡に映った自分にビックリしたり、自分の影のシルエットに違和感があった。でも何だろう。なんかバスケは上手くなった気がする。


「改造計画第一弾終了で、これから第二弾ね。」とイオンに連れて行かれた。…あぁ何?そういうやつだったの?

ちなみに第10弾ぐらいまで計画があるらしく、内容はこんな感じ。

・筋肉をつける(腹筋を割る程度だったらあり。)

・顔に刺青を入れる。(絶対やらない)

・料理がおいしいお店に行く。(これはやりたいけど、どういう改造?)

・チ○毛を剃る。(マジでやらない)

・レーシック手術を受ける。(やるならコンタクト)

・風俗に行く。(マジで行かん)

・新しい趣味としてスケートかスノボをはじめる。(コレはやってみたいかも)


なんかロクなのないな。どっちかというと魔改造みたいだし、おもちゃみたいだ。冗談かと思ったら本気のやつもあるし。


話は戻って、改造計画第二弾。服を買いに行こうということでムラサキスポーツに行った。割とここには来るので、これまでと似通ったものばかり選んでしまう。なんか来るたびにスラッシャー のコーナーが小さくなってるような…

「シルエット細くしよう。」と言われ、職人さんがよく行くというお店へ。…お店の名前が読めない。よく行くとあって、店員さんとは顔馴染みのようだ。職人さんが店員さんに自分をコーディネートしてほしいと伝えると、「普段は….えっと…ストリート系ですよね…笑」と本人はそんなつもりはないだろうけど、半笑いのようだった。今着てる服で来るようなところじゃないのはわかってるつもりだった。ぴったりめのシルエットは違和感はないけど、やはり休みの日にわざわざ着たいとはまだ思えない。何を着てもどこか変に見えるのはスニーカーのせいだと気づいた店員さんは、スニーカーを見て「これは…ダンクですか…?」と少し考えて聞いてきた。…マエストロです(ドヤァ)と答えたら、スニーカーがいいのではないかとローカットのスニーカーを選んで持ってきてくれた。確かにダンクはここ最近復刻したりしているから、気持ちはわからなくはない。でもこういうところで勝負に出れる人は好きだ。ちょっと商品を買ってみようかと思ってしまう。ハイカットスニーカーを履いていると、靴を持ってきてくれる大抵の人は、「この靴なんですけど、持ってみて下さい。…すごい軽いでしょ?」と靴を持たせようとする。軽さに驚いているリアクションはするが、だからその靴を買おうとは思えない。その重たいのも込みでスニーカーが好きだから。「履いてないみたいですよね?」って言われてしまったら、それなら履かなくてええやん、となってしまう。(そんなことはない)結局何も買わなかった。店員さんには申し訳ないけど、普段の私服があらためて好きになった。

次の日。職人さんに髪型をお披露目した。というか、させられた。

・おお〜いいじゃん! →3人

・そいつらとつるむのやめな →2人

・髪染め忘れてるよ。金髪にしな →1人

まぁ、悪くはないのかな。


社内の評判は、

・イメージ通りで似合ってる →3人

・髪を短くしたのはわかるけど、どう加工したのかはわからない → 1人

・仕事しすぎて頭おかしくなったのかと思った →2人

・参考にするわ → 1人

・誰かわからなかった → 3人

残りの半分の人には何も言われなかった。気づかないのも否めないが、中々面と向かって、「お前ダセェな」とは思ってても言えないわな。まぁ、髪にうるさい上司に特に何も言われなかったからよしとしよう。もう1人髪にうるさいのが支店長。その支店長に至っては1日気づかれなかった。わざわざ支店長の近くの複合機を使ったり、いつもより多めに支店長の前を横切ったが、一向に気づかれない。怒られるなら早めがいいと思っていたが、気づかないんじゃ怒られようがない。支店長が気づくまでのプロセスを再現すると、

あぁ、ゴルフに行きてぇなぁ…

口実作って社長をこっちに呼ばないかな…

あいつの現場デカいから、そこの所長の表敬訪問ってことにして社長呼ぶか!

オリオン、ちょっといいかな…髪型変えたんだ!


苦笑いしてたけど、良いも悪いも言ってなかった。まぁ、普段仕事してますしね。ついこの間、プレゼンをあなたにひどく誉めてもらったのに忘れちゃったんですか?まぁまぁ、これで万事OK。

最近はパーマ液のにおいが抜けたなぁと思ったら、パーマも落ちる?抜ける?そうなってきてるので、日に日に頭が爆発していうことを聞かない。個人的にはパーマ抜けた後のほうが自分らしいというか、なんとなく気に入ってる。逆に外に出なくなるんじゃないかとすら思ったけど、そんなことはなかった。慣れてしまえばどうってことはない。職人さんに感謝。



写真に写るのあんまり好きじゃないんで、気になる方は遊びに行きましょうねー。まぁ髪型変えたぐらいで何もかも変わったりしないよね。その人次第。

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