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第1優先枠(EB-1)での永住権申請

EB-1Bの申請で準備しないといけない書類たち

 さて、3ヶ月半くらいがさくっと無意味な時間になってしまいましたが、下を向いている時間はもったいないだけです。気を取り直してEB-1Bの申請に立ち向かうことにしました。最初に準備するのはForm I-140と言われる申請書です。Form I-140は移民ビザ/永住権の請願書であり、スポンサー企業が労働局が定める規定の給料を支払う経済的能力があるのか、また申請者が応募条件を満たしているのかを審査するためのものになります。EB-2に比べると自分がアメリカに有益な才能をもった研究者であることをアピールしないといけないので、移民弁護士さんからは下記の書類を準備するように言われました。

  1. 学部、修士、博士課程の卒業証書と成績証明書のコピー

  2. 仕事をするために必要な免許証/証明書のコピー

  3. すでに米国に滞在している場合:最新のステータス書類のコピー(最終米国入国を示すI-94記録、パスポートバイオページ、現在のビザ、承認通知、I-20、I-797、DS-2019などのフォーム、またはスタンプ付きのI-129S(該当する場合))

  4. 博士論文または学位論文のタイトルページ、要旨、目次、序文

  5. 申請者の研究分野を含む研究成果を説明した「研究業績概要書」(Abbreviated Research Original Research Contributions Summary)

  6. 発表論文の全リストと最初のページ

  7. 発表したことを証明する学会論文またはパンフレットの写し

  8. 著書の表紙、タイトルページ、目次、章立て(複数可)

  9. Google ScholarのプロフィールへのリンクまたはScopus、Web of Knowledgeなどからの引用に関する追加情報

  10. インパクトファクター/ジャーナルランキングを含む、あなたの研究が掲載されたジャーナルに関する情報

  11. あなたの研究・業績について論じた雑誌、ジャーナル、新聞、ウェブサイト、その他のメディア記事のコピー(あなたの作品に関するメディアとはみなされないため、引用は不可)

  12. ピアレビュー(ジャーナル編集者、副編集者、プログラム委員長などからの招待状/感謝状、少なくとも1通)、会議委員などの他者の研究に対する審査員として参加したことの証明

  13. 特許および/または発明開示のリストとそのコピー

  14. 顕著な業績に基づく重要な研究関連組織の選択会員または招待会員の証拠(会員資格は、顕著な業績に基づく招待/選択である必要がある)

  15. 国内外で認められた重要な賞の受賞歴を証明するもの

  16. 内定通知書(job offer letter)のコピー

  17. 現在米国で勤務している場合:現在の雇用主からの給与明細のコピー

むちゃくちゃ多くありません?笑

 これに加えてサポートレター(推薦書)が少なくとも6−7通必要と言われ、サンプルの文書を5パターン(全部、糖尿病の研究をしているすごい研究者の例文でした笑)をもらいました。これは自分の業績がアメリカ国内だけでなく世界的に認められているということを証明するために使うものです。私はボスの助言もあり全部で8通準備しましたが、ボスが書いてくれた1通以外の7通は全部下書きを自分で準備しました。そのうち5通がアメリカ在住の人(2人が自分のことを知っている人、3人は自分のことを知らない人)、1通が日本から、そしてもう1通がイギリスにいるボスの知り合いより。推薦書では自分のことを直接知らない人が、自分の業績をすごいと評価していることが大切らしく、8通のうち自分のことを知っている人はボスからの推薦書を含め3通までとし、残り5通は全然知らない人からの手紙となりました。たいして研究者として業績のなかった自分としては7パターンも「自分はこの研究分野ですごくて優秀な研究者である」ということを書かないといけないので最初の3通くらいですぐにネタ切れになりました笑

準備し始めてForm I-140を提出するまでは約6ヶ月?

 誰から手紙を書いてもらうのかを決めるのにも少してこずってしまい、依頼する人8人がだいたい決まったときにはすでに8月に入っていました(その間に上記の17項目についての準備はほとんど終わらせました)。まずは依頼する人全員に推薦書を書いてもらえるか了承を得るメールを送り、それを待っている間に同時進行で下書きの作成を進めました。ちなみに推薦書をお願いするときは、推薦書だけでなくその人がその分野でしっかりとした業績があることを示すために履歴書(CV)ももらう必要があります。そんなこんなで全ての推薦書がそろったときにはすでに11月中旬になっており、そこからオンラインソフトを使いつつForm I-140の申請を提出する作業が始まりました。だいぶ申請に時間がかかっているのでPremium processing(特急審査)*を使いたいと依頼しましたが、前の記事でも書いた通りRFE(Request for Evidence:本当に優秀な研究者なのか追加の証拠書類の要請)を依頼されるリスクもあるのでやめましょうとあっさり断られました。そして最終的にForm I-140が提出されたのは2020年の12月2日になるので、EB-1Bの申請を始めてから約6ヶ月、移民弁護士に最初に依頼したときからだと約1年くらいかかってしまいました。ちなみに移民局USCISが書類を受け取って審査を開始しますという通知をくれたのは提出してから3ヶ月弱たった2月27日でした(受付日時はちゃんと12月3日になっていましたが)。そして承認されたのは申請したときから約8ヶ月後の2021年7月27日でした。Premium processing使ってたらもっともっと承認早かったんじゃない?という疑問は残っています。

*Premium Processing(Form I-907):以前は申請費用が$1,225で15日以内で結果が分かると言われていましたが、最近は$2,500に値上がりし、しかも45日くらいかかるそうです。

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