AI-SCHOLARがcvpaper.challengeと一緒に目指したい世界

はじめに

こんにちは,Advent Calendar 2021の12/23を担当することになりましたAI-SCHOLARの榎本と申します.

今回は,AI-SCHOLARがcvpaper.challengeになぜ参加させていただいているかについて書いてみようと思います.これに関しては本当に片岡さんくらいしか知らないのではないかって内容になります.

cvpaper.challengeへの参加

AI-SCHOLARでは,AIリサーチエンジニアという立ち位置を生かして,ライターたちが探してくる最新のAI論文の査読から記事チェックを行っています.リサーチ(サーベイ)をしている方はわかると思いますが,NLPやCVといった分野にとらわれずに,小さな発想1つでトップカンファレンスに採択されているものも多く存在しています.そのため研究において,知っているか知らないかという最初の関門が存在しているように思えます.すなわち,リサーチは1つの大きな武器だと思っています.まさにリサーチ(サーベイ)に関してはこの記事の前日にサーベイをする意味というタイトルでトロント大学のPhD課程に所属する瀧川永遠希さんの記事はぜひ読んでいただきたいです.

実務でもそういった経験があります.データは大量にあるが,アノテーションデータがないため,AI開発ができていないクライアントがいました.しかし,アノテーションデータがなくても既存の情報理論とAIを組み合わせることで十分対応できると考え,提案し解決しました.多くの研究者や開発者がいましたが,やはり知っているか知らないかでは取れる手段を大きく狭めてしまうという経験があります.この際の提案もまさにAI-SCHOLARで取り上げた内容を生かしていました.結論知っているか知らないかは現在大きな差別ポイントだと私は考えています.

そんな中で2020年の3月頃にcvpaper.challengeの存在と活動内容を知りました.記載する通りAIを知るためにはリサーチ活動している人たちと一緒になった方がいいという思いで,すぐに参加させていただく形となったのがスタートでした.ここまで話しているとAI-SCHOLARは関係ないのでは?となりますが,このあと関係はお話しさせていただきます.

AI-SCHOLAR

ざっくりとした活動内容

AI-SCHOLARをご存じの方もいらっしゃると思いますが,AIの学術論文を解説させていただいている変なメディアです.そもそもなんのために活動しているかというと,AI研究者や目指している学生たちの知識の共有場となって,日本全体のAIリサーチの一役になればという思いでやっております.

どんな野望があるのか

AI-SCHOLARの野望としては,日本をAIでNo.1にしたいと言う子供っぽい野望があります!そのためには,現在AIで強い中国やアメリカを参考にしています.そんな中,中国にはAIの情報がまとまったメディアが存在しています.そこを参考にしてAI-SCHOLARはメディアの目線から日本をAI大国にしようとしているのです.ではAI大国No.1にするにはどうすれば良いのか?それを考えた時に,1.溢れかえっているAI情報を素早くキャッチアップする環境・2.さまざまな分野の方が一緒に研究する環境・3.学生たちに最新のAIを体験できるコミュニティをもつこと.この3つを用意する必要があると考えています.上記の目標を少しずつ達成させるためにcvpaper.challengeと協力しています.

この3つがなぜ重要と考えているのかというと

1.溢れかえっているAI情報を素早くキャッチアップする環境
最新の情報には当たり前ですが,新しい考えや解明されたことが詰まっています.そもそも研究スピードが早いAI領域においては素早くキャッチできることが重要であることは自明です.その影響もあってなのか,AIリサーチの際に多くの方がTwitterでキャッチアップすると言っています.SNSではあれど,Twitterは圧倒的に一次情報だけを得るには最速です.まさに素早くキャッチアップする必要があることを皆が行った結果Twitterが選ばれたんだと思います.

2.さまざまな分野の方が一緒に研究する環境
AIリサーチをしていると海外の有名な大学や研究機関の多くが,所属も分野もバラバラな形と一緒に共著で書かれていることがわかります.AI-SCHOLARでも世界で戦ってきたリサーチエンジニアから学ぼうと言う記事で元Deepmindのティアゴ・ラマルさんにインタビューをさせていただいたときにも良いチームを作ってアイデアを出すためにこのようにおっしゃっていました「私が所属していたチームには、物理学、数学、そしてもちろんコンピュータサイエンスなど、さまざまなバックグラウンドを持った人たちが集まっていました。彼らの問題解決へのアプローチは大きく異なっているために、より多くのアイデアを生み出すことができるんです。工夫と言われれば、そこかもしれません。」と言うように専門分野が違えば,取るアプローチが違うことが,ここに工夫があるのだと思いました.

3.学生たちに最新のAIを体験できるコミュニティをもつ
国際学会や海外の研究室などの環境を味わうことで,研究へのやる気やコミュニティを作れると言う大きな意義を日本の学生にも素早く体験していただきたいです.そのためのお金がないならその調整ですし,その研究室の受け皿がないのであれば,今国内で活躍されている人に協力をしていただくなど,決して不可能なことではありません.

どんな協力をしていくのか

cvpaper.challengeと協力することがなぜ,AI-SCHOLARの野望を叶える結果になるのか?2020年 2月の初旬頃に産総研で片岡さんとミーティングをし,結果的にはAI-SCHOLRとしても協力する運びになりました.その時に議題になったのが,学生たちにNo.1の環境を体験するというものでした.最新のAI学会に勉強するために旅費の支援をしてくれる組織というのは多くはありません.そこで最新学会のAIリサーチの対価として,旅費を支援することで研究費に余裕がない学生やトップカンファレンスに論文を通したい学生たちの貴重な体験を支援できないかという話を片岡さんとしていました.トップカンファレンスの雰囲気を直接味わうことは,学生や研究にとって必ず刺激になります.もちろんAIリサーチだけではなくて,その土地に触れることも学会参加では重要だと思います.そんな支援ができないかという思いを話させていただいて,協力していく体制を構築していければなと考えていました.

ただみなさんもご存じの通りで,コロナがここまで流行して,オンラインがマストになるとは思っておらず,この活動は進められていないのが現状です.悔しい時間が続きました.それでもcvpaper.challengeでは,CVPRの完全読破や様々な背景の方々と一緒に研究する形を取れています.No.1になるための環境が着実に揃っていると思います.これからもAI-SCHOLARはこういったところに対してどんどん支援をしていこうと考えております.

最後に

AI-SCHOLARとしても個人としても,学生や研究者がもっと日本で研究がより良くできるようにcvpaper.challengeを通して,日本のAIの研究環境を変えていこうと考えています.読んでみて興味が出た方はぜひcvpaper.challengeに参加してください.CVPRの完全読破など同じような思いの方々と一緒にリサーチすることの刺激は強いと思います.それ以外でも上記で語った内容が実現できるように頑張っていきたいと考えておりますので,これからも引き続きよろしくお願いいたします.

以上です. ありがとうございました!


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