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Portrait Biwak 振り返り

今年の夏は昨年にも増して猛暑続きですが、ポートレートの夏も熱い!

ということで事後報告になりましたが、渋谷のギャラリー・ルデコで7月18日から8月6日まで3週間にわたり開催された「Portrait Biwak」に出展させていただきました。
ご覧いただいた皆様、モデルの皆様には改めて感謝いたします。
そして、立ち上げから4か月弱ながらこのような素晴らしい写真展を開いていただいた運営の方々にも感謝いたします。

本来は昨年出展した某写真展に今年も出展する予定でした。
しかしルデコの危機に私も少なからず巻き込まれてしまい、救済企画として幾つかの写真展が企画されました。その一つが「Portrait Biwak」です。
詳しいことは省きますが、チャンスを失った私にとって本展はまさに渡りに船!という感じでした。レギュレーションが大幅に変わっても(サイズはA3に統一、出展者は画像提出のみ、運営にて印刷・搬入、ブックやノート等の持ち込みはNG)これは出るしかないと思い、企画発表後速攻で申し込みました。
そこから撮影に至るまで構想がまとまらず時間を要してしまい、天候不順で何度もリスケしたりと、さらに並行していた自分の転職活動も終結に向かっていたため、入稿締め切りまで油断ならない状況で結構バタバタでした。
どれも今となってはいい思い出です。

Red、Blue、Greenとそれぞれの解釈で作品を出展するにあたり、統一したコンセプトはもとから考えておらず、それぞれに合うモデルさんを決めましたが、バリエーションをつける意味では特に問題はなかったと思います。

Portrait Biwak red
2023.7.18〜2023.7.23

SO SWEET

第1弾のredはフリーモデルの百堰まいさんにお願いしました。
前からお名前は存じていましたが、SNSを見る限りお人柄が出てくるような素敵な作品が多く、いずれは定番の海ロケをお願いしたいと思っていました。
ただ他の2色は既に海ロケと決めており、Redも同様に海ロケにすると天候不順で最悪実現できないリスクを孕んでいたため、まいさんが出演される撮影会の力をお借りして撮影に臨みました。
つまり初対面で写真展用というある意味チャレンジングな撮影ですが、過去に出展した写真展でもよくやる手法なので気負いはあまり感じませんでした。
初夏の眩しい季節、greenとredの爽やかなコントラストを描けたと思います。
本作はおかげさまでNextorage賞を受賞しました。コンテスト等まともに応募したことがなく正直驚きましたが、少なからず自信がついたのも間違いありません。

Portrait Biwak blue
2023.7.25〜2023.7.30

ANOTHER ME WEARING BLUE


続いて第2弾のblueはダンサー兼コレオグラファーのMANAさんにお願いしました。
蒼を纏うMANAさん、普段の姿ともう一つの空に舞う姿を表現しました。

3色のうちBlueがロケーションにおいても、衣装においても一番撮りやすい内容でした。
MANAさんとは長いこと房総半島や湘南、樹海など様々なロケーションへ遠征しながら撮影をしているほか、自ら総監督をしているダンス公演『七色」でも私が撮影スタッフとして携わらせていただいています。
珍しく念入りにロケハンをしていたので、当日の撮影ポジション探しやコース設定は思いのほかスムーズにいけたのでは。あとは空がもっと青ければ良かったのにと思います。梅雨の合間で奇跡的に降らなかったのと、意外にも風が穏やかだったことが救いでした。

Portrait Biwak green
2023.8.1〜2023.8.6

FLUTTER

ラストのGreen、モデルはシンガーのreimiさんです。
こちらも長いことLIVEやポートレートを撮らせていただいています。
こうして初めて写真展に出したのも、一区切りではなく、あくまで撮り続けている中での通過点、という意味があります。
久しぶりの海ロケとあって、またここがいいねという感じで分かる人には分かる、本タイトルの場所から近くのあの場所へ。
近年reimiさんと撮り続けているイメージとうまく掛け合わせようと思い、ひらひらとした瞬間を試行錯誤しながら撮り続けた中の1カットです。
同じ写真が二度と撮れない所に面白さと難しさが併存していると感じます。そういう意味ではBlueもですね。

海ロケなら雲の厚さ、太陽光の角度、日没のタイミング、風の強さと向き、潮位、水平線の高さなどが関係するので最高の一枚を撮ろうとするとハードルは一気に上がります。
サンセット撮影も含めて永遠のテーマですね。


私にとって写真展とは、どれだけ自分の実力で公開に漕ぎ着けることができるかを試す場所です。
日頃から意識していますが、他のフォトグラファーさんたちのやり方(作風、モデル選定など)をなぞっても仕方がないと思います。
ほぼ我流でここまでやってきた以上、ほんの少しでもその爪跡を残したいという想いです。
自分の中では海ロケに限らず撮りたいテーマが様々あるゆえ統一性はないと自負していますし(単に同じテーマが続くと飽きやすい)、ほんの少しでもオリジナリティを出せたらと思います。
カメラマンが考える理想のモデル像よりも、モデルさんが自己表現する瞬間を捉える。そしてシチュエーションやロケーションが素敵なら、なおいいじゃないかと。

とはいえ、2,000点を超える作品を一通り見て、私は追い込みがまだまだ足りないと実感しました。

今回のポトビバは思い切って3週間フルで参加し、まさにイベントや文化祭のような気分で楽しませていただきました。
もちろん、プロもハイアマチュアもアマチュアも同じフィールドで、同じレギュレーションで競うことの面白さと難しさも実感しました。
作品一本勝負なので誤魔化しは効かないのです。
主催者の心意気はもちろん、有能なブレーンが揃っていないとここまで短期間で漕ぎ着けることはできなかったと思います。

長いこと写真活動を続けている中で、特にポートレートは色々コンプレックスを抱えていました。それを打開するために昨年から写真展に出展していますが、ようやくこれで少し自信が持てるようになりました。
もちろん賞を取ることが目的ではありません。
自分の表現したいことを実現するために、これからも精進する所存です。

次回の出展は来年のREAL PORTRAIT TOKYO IIIです。
コンセプト等何も決めていませんので、これまでの反省を活かしながらぼちぼち進めていきます。
その前に海ロケとか関西遠征したいっ!!!


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