ベルベットハンマー

ベルベットハンマー 

※この作品とグラスホッパーは友達との合作です。キャラクター提供ありがとうございました!!書いてて楽しかったです!!

ここは場末のBAR MITSU。

♪もう会えなくなるの?
 切ないね
 胸がツンと痛くなるよ
 この痛みは消えないの?♪

「にゃにもウツウツするようにゃ曲にゃんか弾かにゃくても…。」
とねねが愚痴をこぼせばみつは、

「淋しい曲を聴くことで心が癒される人もいるのよ。」と言った。

そこへ、チリンチリン♪来客の様だ。

イケメンだが、どこかボーとしていて、見ているとこっちが心配になる様だ。

男は、「俺はイツキ…何か強い酒をくれ…酔っていないと気が済まないんだ…。」

「良いですが、何か訳がありそうですね?お話をお聞き…」と言いかけたところで、

チリンチリン♪

「やあやあ~♪帰ってきましたBAR MITSUに!!」

空気が読めないテンマがやって来た。

「お!?見たことのないイケメン!!いいねぇ!高そうなブランドスーツ着て!モテるんでしょ!?秘訣を教えて下さいよ!!」

とテンマは、ガシッとイツキの肩を無理やり組んだ。すると…

「うっ…ふっ…フウコぉ~…。」

イツキは、そのままなだれ込むようにしてテンマの胸に顔をうずめた。

「えっ!?どったの!?どったの!?この人!?」焦るテンマに

「何泣かせてんだよテンマ!!」

弾いていたピアノをピタッと止め怒鳴る音ちゃん。
「だって、だって、勝手に泣いてきたのは、この人だよぉ…」

焦るテンマに、仕方ににゃと言わんばかりに

「ここはねね様の出番にゃね、ねねの毛にお顔をモフモフするにゃん。」

ねねにそう言われるとイツキは、ねねの背中に顔をうずめた。

「あぁ…フウコぉ…。」ぽそっとイツキ

「にゃん?フウコとにゃ?誰にゃ?」ねねが問うと、

「フウコは俺の追っかけで、自称俺の嫁なんだが…、2か月前にストレスが原因で精神科に入院してな…。
アイツから追いかけられていたうちは、ウザかったんだが、いざいなくなると淋しくて悲しくて…どこに行ったらいいか分からなかったんだ…!」

「心配にゃんね?そのヒトのこと。」ねねが再び問うと、

「そうです、その病院は、身内以外面会謝絶で、TELすらも無理で…。」

「そうにゃのね…にゃら、早く良くにゃることを信じて待つしかにゃいにゃ。」

ねねの温かい言葉とモフモフに癒されたイツキは、

「はい、分かりましたねね様、ありがとうございます。」と言った。

「それでは、今宵もあなたを想うという意味が込められたベルベットハンマーをお作りしましょう。」とみつ

ベルベットハンマー …16度 甘口

材料…ホワイトキュラソー…20㎖
   ティアマリア(コーヒーリキュール)…20㎖
   生クリーム…20㎖

作り方…材料をシェイカーに入れて十分にシェークしてカクテル・グラスに注ぐ

「愛もいっぱい注ぐのにゃぁ~」とねね

オレンジ風味とブルーマウンテン、そして生クリームの味がMIXした、なめらかな
口当たり。

フウコさん、元気で退院出来ると良いですね!

チリンチリン♪

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