【超短編小説】彼女が喧嘩を売った相手

「これからは私だけを愛してね。約束だよ。」
 彼女とそう約束して僕らは結婚する事になった。
 教会での誓い。
「病める時も健やかなる時も互いを愛する事を誓いますか?」
「誓います」「誓います」
 そうして僕らは夫婦となった。

 僕は誓い通り、約束通り、彼女だけを愛し続けた。
 だが、そんなある日彼女が突然激怒した。
 怒っている彼女をなだめて、なんとか訳を聞き出す。
「私ね、気づいたのよ。あなたは私を愛してくれるけれど、それってさ・・・

 私との約束を守ってるの?
 それとも神様への誓いを守ってるの?

 どっちなの?

 神様に誓わなかったらもしかしてあなたは約束を守ってなかったんじゃないの?
 どうなの?」

 と。
 オーマイゴッド!
 彼女は何を言ってるんだ・・・

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