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三柱鳥居の幻影に見る豊玉姫、クイーンたる矜持、ニニギ神の御心

”蚕の社”木嶋坐天照御魂神社。その境内、静寂を支配する三柱鳥居。
多くを閉口させるその神秘性は言うに及ばずですね。何でしょうこの魅力。

30余年前、ある書籍で知り茫洋と見てみたいな程度で、それが昨日今日急に見たくなり、お呼び頂けたのか、参拝させてもらいました。
予備知識は纏わず、不随意な邪念よ、どうか来ないでと手を合わせました。

京は、地球におけるひと社会の臍ではと感じるものがあり、陰と陽、表と裏、デコとボコ、対でひとつ。日の丸の〇とスコットランドのセントアンドリュークロスのX。この三柱鳥居、Xと対の〇、日の丸の赤丸の芯となる位置そのものを祀っているのではと想像していました。

本殿に詣でたおり、風に揺れるフタバアオイの神紋を目にしました。
当社祭神はアメノミナカヌシ神、ヒコホオデミ神、ウガヤ神、ニニギ神、と来れば次にオシホミミ神。ではなくオオクニタマ神が祀られます。

オオクニタマ神、諸説承知しますが、私感は初代大国主で2代目大物主にして、初代事代主のクシヒコ神かと考えます。
このクシヒコ神、なぜか隠されていますね。
何でもかんでもオホナムチ神に被らせていますが、大国主とは、クシヒコ神の国土平定のご尽力を称えてニニギ神が授けた名だそうで、オホナムチ神は初代大物主。繰り返しますが、クシヒコ神が2代目大物主であり初代大国主であり、初代事代主と聞きます。

滋賀県野洲にある兵主大社と戸津神社。クシヒコ神とミホツ姫、ご夫婦仲睦まじく鎮まるところのはずですが、兵主大社さんは”ツワモノヌシ”と冠され、祭神もオホナムチ神に。きっとここにはクシヒコ神が鎮まるはず。
トヨウケ大神の息子さん、ツワモノヌシ神もお祀りされているんだろうとは想像しますが。

オシホミミ神ではなくクシヒコ神の祭祀は何かの暗喩か、また、ニニギ神の晩年、政を担ったのは、コヤネ神とクシヒコ神とも。宮中はミホツ姫神が総責任者。その業績を称えてのことなのでしょうか。

よくよく考えれば、クシヒコ神は、オホナムチ神とタキリ姫とのお子さん。
このタキリ姫(タゴリ姫)は宗像三姫のひとりオキツシマ姫タケコ神。
タケコ神はアマテル神のお嬢さんなので、クシヒコ神はアマテル神のお孫さんということですね。

女神神話構築により(女神神話は賛成)、事代主ことクシヒコ神は隠されがちにならざるを得なかったのかな。
国を治める上で神話構築は必須ですから(キリスト教も同じ事)これも全てにおける歯車のひとつ、と解釈し、神屋楯比売は、オキツシマ姫タケコ神の解釈で収まるかな。

次の千年紀、クシヒコ神が表に出る時代が来るのでは。
アマテル神のお姉さんのヒルコ神も、女神神話形成で隠され組にまわっておられます。その上、御御足が良くなかったとか、なんなら、胞状奇胎説まであったりして、踏まれたり蹴られたりですが、次の千年紀、アマテル神のお姉さんとして表に出られ、なんなら、次のみはしらのうずみこ、の一柱として輝かれるのでは。

いずれにせよ、ヒルコ神(昼子・蛭子)とクシヒコ神のエビスがごっちゃになっての”えべっさん”もきれいに整理されてゆくかもしれません。
弟の孫、お爺ちゃんの姉の間柄なので、えべっさんはえべっさんで、まあそれもええかって気もしますが。

アメノミナカヌシ神は大物隠しにしばしば見られます故、この御社名の天照御魂神、通年的には初代アスカ皇君クシタマホノアカリ・テルヒコ神(ニギハヤヒ・クニテル神は2代目カグヤマ皇君)、または別の太陽神ということでしょうが、ここは純粋無垢に愚直にアマテル神ウヒルギ・ワカヒト神ではと考えます。

蚕の社、蚕とくればウカミタマ・アカヒコ神(アカヒコ→カヒコ→カイコとの由来あり)。アマテル神誕生の際、アカヒコ神が桑に糸を引き、ナツメ神がこれを織って産着に仕立てたそう。
こうした昵懇のエピソードからもワカヒト神ではないでしょうか。
ワカヒト神、オシホミミ神スキップ、ニニギ神、ヒコホオデミ神、ウガヤフキアエズ神のラインで収まります。加えてお孫さんのクシヒコ神。

さて魅了されて止まない三柱鳥居。
実際拝見させて頂くに、ニニギ神への思いが強くなりました。フタバアオイが残像に揺れ、なお一層強いものに。

〇とXの対などではなく、ニニギ神の御心そのものに思えてならなくなりました。ご承知のように、フタバアオイは上賀茂神社さん、下鴨神社さんの御神紋。ひとつの茎からふたつの葉。それはヒコホオデミ神、豊玉姫神の象徴とも、ニニギ神の御心そのものとも。

艱難辛苦にも九州整備に一段落つけた息子さんのホオデミ神。お父さんニニギ神の召集によりミズホの宮への上洛のため取り急ぎ出発。身重の奥さん、豊玉姫神には生まれ来る皇子のため、体を大事にぼちぼちおいなはれ、と。

至急、産屋作りが始まる。ところが後追いの姫一行の乗る船が岩に衝突し難破。姫一行荒波に放り出されるも、釣り船に救助され美穂崎に。そこから高速船でホオデミ神のいる北の津に予定より早く到着。産気づき、取るものも取り敢えず、屋根まだ葺き終わらぬ産屋でめでたくウガヤフキアワセズ・カモヒトさんを出産。

姫の出産、産後とケアされたのが、カツラギヒトコトヌシ神の息子さん、カッテ神。
わが子、妻に会いたいと産屋のまわりをうろうろするホオデミ神。

男子産屋を覗くべからず。皇子に産湯をつかわせ、姫の産後の身体を休めるため、昔よりの重き慣わしです。とカッテ神の忠告を受けるも、落ち着かず、産屋のまわりを散歩するホオデミ神。

ある日、産屋のドアの少しの開きに気づき、心配のあまり、カッテ神の忠告もよそに中をうかがってしまいました。そこには、ベッドパッドの上で腹這いの一糸まとわぬ姫の姿が。海難事故、大海原を泳ぎ切り、そこに加えて出産。疲労困憊に精も根も尽き果て、放心状態だったのでしょう。

ハッと我に返るホオデミ神。なんてことをしてしまったんだ、とそっと後ずさり、踵をかえしてその場を後に。
その気配に気づいた豊玉姫。君になんという姿を見せてしまったんだ、なんという恥をさらしてしまったんだ、と恥じて恥じて恥じ入り、慚愧の念に耐えかね、もう二度と顔見せはできないと、禊を済ませると、弟さんのカモタケツミ神(下鴨神社の祭神)とともに産屋をそっと抜け出し、現在の福井県小浜の仮宮に身を寄せたそう。

クイーンの、クイーンたる、クイーンの矜持、背筋もピンッと、襟足清く、一本の筋を通すヤマトナデシコの象徴のような方ですね、豊玉姫は。
現代では、旦那に裸見せようが、見られようが、どないしたん、それが。って感じですかね。
のち、京のミズハメ社(貴船神社さん)に身を置き、忸怩に心閉ざされます。

この事態を知ったホオデミ神とニニギ神。
戻っておいでと度々使者を送るも、一度宮中を後にしたからには、二度と上がることはできないと、決意も固い豊玉姫。
クイーンの鑑のような方ですね。

それならばと、ニニギ神自らミズハメ社に。
往路、桂の葉と双葉葵を見つけ手に。
使者は面会拒絶もニニギ神とあらばと姫も丁重にお出迎え。
断りを忘れ、覗く息子のウツキネ(ホオデミ神)が悪いのであって、これはカッテ神、皆の総意ですよ。ところで途中見つけた葉じゃが、名をなんと申すのかのう? ひとつの茎からふたつの葉。

シャーマンクイーンの姫はニニギ神の御心を察し、独断的な行動を悔い、泣き崩れます。
齟齬も解消。もとのおふたりに。めでたしめでたし。
空に向かって茂る桂を男性・ホオデミ神。優しく茂る双葉葵を女性・豊玉姫神として象徴化されることに。

ニニギ神のハテツミ神やムナカタ族、龍宮に対する尊崇の念、そして豊玉姫への慈悲の形として、亀卜の神事を行う場、それを護る三柱鳥居がここにあるのではないでしょうか。

龍宮説諸説承知します。鹿児島神宮さん、和多都美神社さん、ヒコホオデミ神、豊玉姫神、睦まじく鎮座されます。
貴船神社さんは豊玉姫神。下鴨神社さんには豊玉姫の弟さんのカモタケツミ神。タケツミ神のお嬢さんのタマヨリ姫が鎮座。
上賀茂神社さんには賀茂別雷大神ことニニギ神が鎮座されます。
ワケイカズチノカミとは、ニニギ神が、雷を火と水に分けて鎮め、水をもって地を豊かにし国土のインフラ整備を成したその多大な功績を称え、アマテル・ワカヒト神が授け与えた天君たる称号と聞きます。

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