雑草部と散歩道

「雑草部」という名の部活があるらしい。
植物写真や栽培方法など語る部活なのだろうか。一年という期日も決めてあり、興味をもち入部した!
正直に言おう!最初はすこし戸惑った!
部長の情熱と狂気に驚きはしたが、今ではすっかり日常となり部長のコラムを楽しみにしている。そして雑草から音楽、世界は広がる!

更に驚いたことに専門家や知識人も多く、話題が尽きない!
苔テラリウム、多肉植物、山野草、高山植物、共生菌の話には興味津々で調べた。
中でも「空き缶栽培」は面白く、まず缶の選出からはじまる。それぞれどの缶にしたかどの雑草を植えるのか成長記録と話題も尽きなかった。

写真喫茶エスに所属しており、常日頃から写真は撮る。人物、風景、料理、小物、スナップ。
知らない路地もよく歩く。Google先生がいないと現在地がわからなくなるほどの方向音痴でもある。
ある夏の日、古い町並みを歩き看板や朽ちた工場跡を横目に、どうやらまた道に迷ったらしい。
狭い路地を歩きつつ、塀の隙間から覗く雑草達をみる。更に進むと急に視界が開け、そこには錆びたトタンの壁!そのそばには無秩序に育つアロエ達がいた。誰の目にふれることなく平然と佇み生き生きとした姿がそこにあった。
暑い陽射しの中、まるでこの場所に導かれたようだ。
きっと雑草部に入部していなかったらそんな風に感じていなかっただろう。
よし、また来よう!

月日はながれ秋も終わる頃、再び訪れた。
狭い路地を歩き、塀の隙間から覗く雑草達を愛で、あの急に視界が開ける瞬間、目に飛び込んできたのは眩し過ぎる白い世界…。

ただっ広い空間。
真ん中にぽつんと白い板。
売約済みの文字が読めた。

そして、冬の訪れを知る。

人知れず静かにこのまま除草されよう。
跡形も無く消えてしまうけれど、確かにそこに存在していた。
私達の心の中に留まる熱きこの一年を!

Merry Christmas!

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