白表紙が届いてからと導入修習

はじめに

わたしは現在、77期の分野別実務修習(通称:実務修習)を行っているところです。GWのお休み中にふと思い立ち、久しぶりにnoteを更新することにしました。

この記事の主な想定読者は、78期以降の修習生又はその予定者のうち、修習に対してある程度意欲をもって臨もうとしている人たちです。
77期から、司法制度改革の一環で、修習開始時期が3月末になりました。新制度元年の修習生が、可能な限り記憶の新鮮なうちに、後輩に多少のアドバイスを残すことに意義があるのではないかと思い執筆する次第です。
(といっても、今回は新制度ならではのことは特段ありませんでした。すみません。)

忙しい人向け結論

白表紙は早めに読んでおきましょう。以下詳論

導入ってどんな感じ? 

導入はクラス単位で授業を受けたり演習をしたりする期間です。修習開始後すぐに実務庁に配属されると、あまりに理解不足な修習生が多くなるため、これを改善するために設けられたそうです。したがって、導入修習は、(ロースクール以上に)「理論と実務の架け橋」をして、実務修習を円滑に行うための準備期間といえます。
導入では、ロースクールと同様に予習課題が課せられて、その解説等を聞くのがメインになります。ただし、予習といっても、白表紙の該当箇所を一読したり、簡単な問題の検討をしたりする程度です。
もっとも、導入は平日毎日あり、朝10時前から17時頃まで行われるため疲れます(ついでに、連日、飲み会に参加していると余計に疲れます笑)

「白表紙は読む必要がない」は本当?

研修所からは、導入開始前に、白表紙を一読又は熟読するように指示されますが、その分量は相当なものです。
したがって、(導入は修習生が白表紙を読んでいることを前提に行われますが、)きっと教官は「どうせ読んでないんだろうな〜」と思いつつ講義をしているのではないか、と思うところです。

一方で、諸先輩方は、「白表紙は読んでなくても何とかなる」と言います。これは間違いではないと思います。なぜなら、わたしもそれでなんとかしていたからです。
導入前はずっと遊んでおり、始まってからも連日飲み会に参加してしまい翌朝にチラッと読むくらいしかやっていませんでした。

では、「白表紙は読む必要がないか」といえば、「否である」と言いたいです。できれば、早めに読んでおくとよいと思います。

わたしは実務修習が始まってからまだ2週間しか経っていませんが、(クールにもよると思いますが、)実務修習期間中に白表紙を結構読み直して(正確には、初めてなので読み込んで)います。
導入中に読まなくても、結局いつかは読むことになるんだなと思いながら読み進めていると、驚くべきことに気がつきました。

それは、導入中に教官が言っていたことや指導担当に言われたことで、自分にとって目から鱗だった内容が、実はほとんど白表紙に載っていたのです。事前に読んでいたらもっと学習効果が上がっていたのかと少し後悔しました。

「J・P志望は導入前から相当勉強してる」は本当?

正直よくわからないですが、半々といったところでしょうか。やる気のすごい人は修習開始前からずっとがんばっているようですが、一方でJ・P志望でも(もちろん勉強もがんばりつつ)飲み会に積極的に参加している人もたくさんいます。
修習前に取り組むことといえば、白表紙を読んで事前課題をするか、先輩からアドバイスをもらうくらいでしょうか(研修所は基本書を読み返せと言っています。)。正直、白表紙を読むだけでも相当な量ですし、十分な気がします。先輩からデータをもらうという行為自体グレーな行為なのであまり大声で推奨はできませんが、実際もらってもあんまり見ていない人が多い気もします。
本気でJ・Pを目指すのであれば、白表紙をしっかり読んでおくとよいと思います。

余談ですが、実務修習になると、志望進路(J・P)の修習を、まるで就活かのように「生真面目に」取り組む人が現れるようです。ずっと背筋ピンッで、朝は他人より早く来て夜は遅く帰る、就業時間中はずっと真面目!!という具合です。
別に悪いこととは思いませんが、変に気張って虚勢を張るよりも、ありのままの自分で取り組み、乗り越えられそうか、自分に合っていそうか、を確かめた方がよい気がします。

各種申込みの煩雑さ

修習関連の連絡はすべて、Microsoft Teamsを通じて行われます。データ管理の都合からか、多くの修習生にとっては慣れない、わかりにくい、制約の多い、システムの利用を強いられます。
事務方から色々アナウンスされますが、それでもよくわからなかったり、見逃してしまったりします。友だちを大切に、協力するとよいです。

おわりに

今回はざっくりとした修習生の所感を記してみました。わたしだけかもしれませんが、修習は結構楽しいです(念のため付言しますが、これはhappyではなく、知的好奇心が刺激されるというinterestingの意味です。)。

実務修習で見聞きすることは、当然司法試験までの勉強も役立ちますが、より実務的、というより実務そのものを見ているわけなので、司法試験までの勉強とは一線を画します。
実務修習での自分を支えてくれるのは、導入修習での学習や白表紙であると思うと、やはり読むべきなんだと思います。

などと偉そうに綴っていたら、半分しか白表紙を読んでいませんでした。それでは本日はこれにて。

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