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Hope Worldの好きなところをつらつらと語るだけのnote

 BTSのJ-HOPEが2018年の3月2日に発表したミックステープ、「HOPE WORLD」
 今回はこのミックステープに収録されている「Hope World」という曲の好きな部分をただただ言語化してみようという試みだ。本当に自己満足でしかないので、脱線もするし個人の意見が多く入るし、本当に気が向くままだらだらと書き連ねるだけである。


「Hope World」
 ミックステープのタイトルにもなっているこの曲は、本人が「名刺」と称したようにj-hope自身のマインドが歌詞を追うごとに、まるで潜水艦が海底まで潜っていくように、一つ一つ明かされていくのが印象的だ。

 「My name is my life. 」という歌いだしはJ-HOPEという存在を簡潔かつ正確に表している。グループを追ったことのある人間であれば、彼が自分の芸名についている「HOPE」という概念に対して並々ならぬ想いを抱いていることを知っているだろう。実際、ミックステープのタイトルにもこの単語を見ることができるし、「名前が自分を作った」という話も本人が度々口にしている。名前に対する彼の想いは、2022年にリリースされた「Jack In The Box」の「Pandora's box」でより詳しく語られているのでそちらも歌詞を参照しながらぜひ聴いてみて欲しい。


 そんな名前に対して、彼は曲中「이름값 해 but ain't no price」とも書いている。「이름값 해」とは「名前(이름)」と「値する(값 해)」、よって「その名に値する」という訳が相応しいらしい。彼を応援する身としてはこの歌詞に大きく頷くばかりなのだが、それに続くのは「but ain't no price」というフレーズだ。前向きな言葉ばかりではないのが彼らしい。私の中の解釈が的を得ているか分からないため、この歌詞に対する色んな解釈をきいてみたいと思っている。
 また、ここでの「값」「price」というどちらも「価値」を意味するワードを選んでいるのが個人的に好きなポイントだ。ちょっとした言葉遊びが多いところが本当に好き。

 「否定というよりは肯定的なタイプ」「毎日がD-day」という歌詞も抑えておきたい。彼は根っからのポジティブというわけではなく、むしろ周りを見てよく気がつく分、あれこれと心配をして気を揉む人だと思う。物事を客観視しようと努めるため、「肯定的な考えも否定的な考えも思い浮かぶけどその上で前向きな言動を選択する」という場面はコンテンツの中でも見ることがある。
 また、「毎日のようにD-DAY」という姿勢も彼の普段の言動から見受けられる価値観だ。以前のインタビューで「もっとシンプルに考えなければならないと頭を悩ませている」話をしていたように色々と思いあぐねることも多いものの、それでもまず行動に移してみるのがJ-HOPEだ。私には幼少期から着々と培ってきた後回し癖があるので、このマインド見習って生きていきたい。本当に。

 思い返してみると、この曲の和訳を見て最初に痺れたのは「楽しんでやる悪口  僕の音楽ではしない」というフレーズだったと記憶している。自身が「名刺のよう」と称するこの曲で、グループやラプラ楽曲とはまた違う方向性をビシッと示した心意気が好きだ。
  もちろんhip hopにおいて憎しみや怒りを種にリリックを書くことは珍しくない。むしろそこがこのジャンル特有の良さでもある。人生の中で経験した不条理や理不尽に対して自分の言葉を書き連ね、そうして生まれたリリックが人の心を強く打つ。それが多くの人がhip hopに惹き付けられる大きな理由の一つだ。
 ここで挙げるとするなら、「怒り」を原動力に曲を作っていたと話していたAgust Dのリリックにその熱さを感じることができる。「俺の音楽で悪口はしない」J-HOPEと「クスリやってるラッパーども 俺がアイドルなことに感謝しな」なAgust Dという2人の対照性が本当に好きだ。
 とまぁそんな余談はさておき、中にはただただマウントをとって相手を挑発し、汚い言葉を聞きあたりの良いリズムに乗せるだけの人もいる。彼が憧れたラッパーがそういった層からのディスに対してアンサーを出したことを考えても、ここは彼の重要な決意表明とも捉えられる。

これは手作り(可愛い)ブレスレット(可愛い)を
しっかり見せてくれる(可愛い)ホソクさん(可愛い)

 このように曲が進むにつれ、私たちは彼の価値観やマインドを知っていく。聞き手の「J-HOPE」に対する解像度に伴って曲のボルテージも上がり、世界観にぐっっと惹き込まれたところで満を持してサビを迎える。この真っ直ぐな歌声が自分のテンションを高めてくれる感覚がとても好きだ。元々ボーカル志望だったこと、歌に対して「いつか触れてみたい不滅の存在」と答えていたことからもJ-HOPEさんが歌へ関心を持っていることは明らかなので、ラップももちろん大好きだけど歌にフォーカスした曲も待っている。
 話は逸れたが、「Say, Hello to my Hope World」というキャッチーなメロディーとフレーズをもって私たちはHope Worldに受け入れられる。また、この曲にはロラパルーザの舞台で初めて披露された本っっっっ当に可愛い振り付けがついており、「Hello」に合わせて手をフリフリする動作が可愛いし、思わず手を振り返したくなること間違いなしなのでぜひ観てほしい。
 ちなみに「僕だけの物語」「2万里」という単語が出てくるのは幼い頃に夢中だった「海底2万里」を思い浮かべて制作したからだそう。この作品を前に少し読んだことがあるのだが、なんせ幼かったため全く内容を覚えておらず、作品と絡めた解釈ができないのが残念だ。しかも数年前、この曲の解釈を深めるために読み直そうと購入したにも関わらず、先に述べた後回し癖が遺憾なく発揮されてしまい、とうとう今日まで読まずに実家にしまってある。読み次第思うことがあれば追記したい。

これはAR(?)の真似っこをするという
天才的な発想を行動に移すホソクさん

 さて、サビの盛り上がりは一度落ち着き、1番と同様に2番でも引き続きホソクさんの考えを丁寧に教えてくれる。ただ、J-HOPE以外の存在が歌詞に現れるのが1番と異なるポイントだ。


 まず、「のめり込むこと」「掘り下げていくこと」「ぶつかってみること」という3点を挙げて、これが自分のスタイルだと示している。さらに「似ている子たち 一心同体の時間」と、ここで自分以外の存在を登場させている。

 では、この「似ている子たち」とは一体誰のことだろうか。

  実は今まで、この後に続く「みんなアロナクス 俺はネモ班長」という歌詞と、「アロナクス博士になったつもりで聴いて欲しい」というインタビューの回答からこの存在をファンだと思い込んでいた。そのためピンとこない歌詞があり、このリリックを上手く咀嚼できずにいたのだが、今回これを書きながらメンバーを指しているのではないかとようやく気が付いた(遅い)。

 言わずもがなBTSのメンバーはみな、「のめり込んで」「掘り下げて」「ぶつかってみる」人間の集まりだ。そのストイックさが成功の要因の一つとなっていることはまず間違いない。そしてホソクさんはそんなチームをパフォーマンス面で引っ張る、自他ともに認めるダンスチーム長である。いつも笑みを浮かべている彼が、パフォーマンスをチェックする時は鋭く目を光らせ、その質の向上に尽力することはファンの中でもよく知られている話だ。
 アナロクス博士をメンバーに置き換えて考えてみると、「一心同体の時間」「一緒にやってみよう  ここは潜水艦」というフレーズにも納得がいく。長い年月を一緒に過ごし、喜びを分かちあい、時には共に葛藤してきたメンバーに対する信頼とも取れる。さらに、ホソクさんがダンスリーダー、つまり「班長」のような皆を引っ張るポジションに立っていることを指すとも考えられる。

これはみんな大好き小指を伸ばしたままのピース
feat.きゃわきゃわネイル(CNS仕様)

  この後もメンバー、ひいてはグループの話は続く。

「알차게 당차게(充実させて  しっかりと)」
「마치 낙관 주의자답게(まるで楽観主義らしく)」
「그저 즐겁게 다 함께(ただ楽しんで みんな一緒に)」
「우린 수면 위 백조가 돼보는 거야(俺たちは水面上の白鳥になってみるんだ)」

  という一連の歌詞は、彼の中にあるアイドルのイデアを描いているように感じる。韓国語はまだまだなので私から上手く説明は出来ないが、色々と調べてみたところ、このようにつく「게」は文意にもよるが「〜て/〜らしく」というニュアンスを含んでいるらしい。間違った捉え方をしていたら……ごめんなさい。
  以上のことを踏まえてここで注目したいのは、「楽観的に」ではなく、あくまで「まるで楽観主義らしく」なのであり、「美しく泳ぐ」のではなく、水面上で見せる優雅な姿とは裏腹に水面下で足をバタつかせているというイメージのある「白鳥になってみる」のである。
  当然ながら活動は楽しいことばかりではない。それでも「いい姿を見せよう」と努力する意志を言い聞かせるように確認している。「重いテーマを明るく」という彼のモットーを思い出さずにはいられないリリックである。名刺のような曲でこの話をするところが好きだ。

これは私が5枚ほど重複保存していたキムソクジン

  私が思うに、2番のサビ前で一度グループの話から離れるようだ。その証拠に「世界に自身を代入して」と自分の話を始めている。具体例をパッと思い出せないが、「代入」というワードがホソクさんのリリックに時々登場するイメージがあるのは気のせいだろうか。

  このフレーズはまるっと意外だった。代入の意味は日本語と特に違いはないらしいので、日本語の「代入」という言葉が含むニュアンスのまま考えてみると、ここでの世界は世の中というよりも「Hope World」のworldが近いであろう。J.coleの「Cole world」へのオマージュとして付けられた名前だが、サビで「hello to my hope world」と書いていることから、抽象的ではあるが彼独自の世界観があるのはまず間違いない。

  このフレーズを意外に思った理由は、「世界=自身」ではあるものの、最初から「世界=自身」なのではなく、あくまで代入して「世界=自身」としているからである。本人が作り出した概念であり世界なのだから最初から「世界=自身」の方程式が成り立ってもよいはずだ。しかし一度「代入」という過程を挟んでいる。これにより、彼が持つアイドルのイデアとの擦り合わせが行われているように感じられた。

(これは本当の本当に余談だが、ここで自身と訳した「자신」という単語、韓国語では「自身」「自信」という2つの意味があり、どちらも読み方は同じらしい。日本語でも「自身」と「自信」はイントネーションは違えど同じ読み方をするため、詳しいことは知らないけどとてもワクワクした。)

  さぁ、いよいよ2番のサビ直前だ。「与えたいと思ったから給料日のように受け取るだけでいい」というのは、同ミクテに収録されている「P.O.P pt1」でも語られている感覚だ。そちらでは「簡単にお腹を満たすケーキのように信頼を与えたい」という旨の歌詞がある。
  ファンに対するこの態度は現在に至るまで基本的に一貫しているように思う。なんならファンだけでなく、他の物事に対しても何かのせいにせず、「自分がなんとかする」という気概を感じることがあるし、あるいは「自分がなんとかしていれば」という形で後悔をしていることがしばしばある気がする。背負いすぎないで欲しいと思う一方で、このマインドをもってファンに向き合うホソクさんを信頼してもいる。

 まず第一に、アイドルによってファンへの向き合い方は異なっていて、それら全てが正解であることは大前提だ。そして私は「みんな違ってみんないいね〜〜!!」「いいものの反対はまた別の良さをもったいいものだよね〜!!」という価値観で生きているため、他のアイドルやアーティストと比べるつもりで書いてるわけではないことをふまえて聞いて欲しい(私にとって大切な問題であるため前置きにしては少々長くなってしまった)。なんといえばいいだろうか、ファンをファンとして扱うところに彼なりの誠実さを感じるのだ。常に楽しませる側でいてくれるし、言動に気をつけて信頼を崩さないようにしてるのが色んなタイミングで伝わってくる。こうしてホソクさんに対する「信頼」は培われてきたのだと考えているため、彼を語る上で欠かせないリリックだと感じている。

  またまた脱線するが、そんなホソクさんが釜山コンで「お互いの信頼が必要な時期」と発言し、入隊前最後の配信で「いい夜を過ごしていい夢を見て」に続けて「ホビを忘れないで」とこぼしたことを記しておく。ファン側に何かを求めるのは珍しいように思える。今日の私は何ヶ月経っても変わらず(というか増して)ホソクさんのことが大好きで、大好きすぎて、いてもたってもいられずにnoteを書いていますよ。

  書きたいことは書けたような気がする。自己満足のためとはいえ、長々としていて見るからに無駄が多そうな鬱陶しい文だ。あと、韓国語がまだまだで「그 누가 됐던」の、特に「됐던」の部分がよく分からず上手く訳せなかったので、これをモチベに勉強を頑張りたい。

「Hope World」の振り付け動画はこちら


ロラパルーザでのステージはこちら

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