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6.M&Aの流れ

M&Aのプロセスは複雑で、多くのステップを経て進行します。
以下に、一般的なM&Aの流れを説明します。

1. 戦略立案

目的の明確化:M&Aの目的を明確にします。新市場への進出、技術の獲得、競争力の強化、規模の拡大などが目的となります。

内部評価:自社の財務状況や経営資源を評価し、どのような企業がターゲットになるかを決定します。

2. 対象企業の選定

市場調査:業界の動向や競合状況を分析し、潜在的なターゲット企業をリストアップします。

初期スクリーニング:候補企業の基本情報を収集し、事前評価を行います。財務状況、経営実績、シナジー効果などを考慮します。

3. アプローチと交渉

初期接触:ターゲット企業に対して初期のアプローチを行い、M&Aに関する意向を確認します。通常、秘密保持契約(NDA)を締結します。

意向表明書(LOI):M&Aの意向を正式に表明する文書を作成し、ターゲット企業に提出します。この段階で、価格や条件の概要を提示します。

4. デューデリジェンス

財務デューデリジェンス:対象企業の財務諸表、収益の質、負債状況などを詳細に調査します。

法務デューデリジェンス:契約書、訴訟リスク、知的財産など法的側面を確認します。

業務デューデリジェンス:事業運営状況、市場ポジション、競争力を評価します。

環境デューデリジェンス:環境規制の遵守状況、環境リスクを調査します。

5. 取引条件の交渉

最終交渉:デューデリジェンスの結果を踏まえ、最終的な取引条件を交渉します。価格、支払い条件、従業員の処遇などが含まれます。

最終合意書(Definitive Agreement):合意に達した条件を反映した正式な契約書を作成し、双方が署名します。

6. 取引の実行

承認手続き:取引に必要な社内外の承認を得ます。取締役会や株主総会の承認、場合によっては規制当局の承認が必要です。

資金調達:取引のための資金を調達します。自社資金、融資、株式発行などが方法としてあります。

クロージング:最終的な取引を実行し、資金や株式の移転を行います。

7. 統合プロセス(PMI:Post-Merger Integration)

統合計画の策定:買収後の統合計画を詳細に策定します。組織構造、企業文化、システムの統合などが含まれます。

統合の実行:計画に基づき、実際の統合プロセスを進めます。コミュニケーションを重視し、従業員の不安を解消することが重要です。

進捗のモニタリング:統合の進捗を定期的に評価し、問題が発生した場合は迅速に対応します。KPI(主要業績評価指標)を設定し、目標達成状況を管理します。

8. 統合後の評価とフィードバック

統合効果の評価:M&Aがもたらしたシナジー効果や財務的成果を評価します。予測通りの成果が出ているかを確認します。

フィードバックの取得:プロセス全体の振り返りを行い、成功点や改善点を明確にします。将来のM&Aに向けた教訓として活用します。

結論

M&Aは多くのステップを経て進行する複雑なプロセスです。戦略立案から対象企業の選定、デューデリジェンス、交渉、取引の実行、統合プロセスまで、一貫した計画と実行が求められます。各ステップでの慎重な判断と綿密な準備が、M&Aの成功に直結します。

M&Aの流れを簡潔にまとめてありますが、実際はしっかり時間をかけて少しずつ進んでいきます。
具体的にどのくらいの期間が必要なのかを、次回のM&A成立までの期間で学んでいきましょう!

M&Aには専門家の活用は必須です!!
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