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2.M&Aの種類

M&Aは、企業の成長戦略や再編成の手段として広く利用されています。
その種類は多岐にわたりますが、以下に主な種類とそれぞれの特徴を詳述します。

1. 吸収合併

概要

  • 吸収合併は、一つの企業が他の企業を吸収し、一つの法人に統合する形態です。被合併会社は消滅し、合併会社がすべての資産と負債を引き継ぎます。

特徴

  • 簡便で迅速な統合が可能です。

  • 組織再編のコストが比較的低く抑えられます。

事例

  • 大手企業が中小企業を吸収するケースが多く、規模の経済を追求するためによく利用されます。

2. 新設合併

概要

  • 新設合併は、二つ以上の企業が合併して新しい法人を設立し、それぞれの企業が消滅する形態です。新会社がすべての資産と負債を引き継ぎます。

特徴

  • 全く新しい組織文化や経営体制を構築することが可能です。

  • 手続きが複雑で、時間とコストがかかる場合があります。

事例

  • 同業他社間で対等合併を行い、新しいブランドを立ち上げる場合に利用されます。

3. 株式買収

概要

  • 株式買収は、買収企業が被買収企業の発行済み株式を取得し、支配権を獲得する形態です。買収企業は被買収企業を子会社化します。

特徴

  • 法的手続きが比較的簡単で迅速に行えます。

  • 買収後も被買収企業が存続するため、事業継続がスムーズです。

事例

  • 戦略的パートナーシップを強化するために、部分的な株式取得を行うケースがあります。

4. 資産買収

概要

  • 資産買収は、買収企業が被買収企業の特定の資産を取得する形態です。資産のみを取得するため、負債は原則として引き継ぎません。

特徴

  • リスクが限定され、望む資産のみを取得できるため、買収後の統合が容易です。

  • 必要な資産だけを選択して買収できるため、買収コストをコントロールしやすいです。

事例

  • 特定の技術やブランド、製造設備などを狙って買収する場合によく利用されます。

5. TOB(Takeover Bid、公開買付け)

概要

  • TOBは、買収企業が被買収企業の株式を市場外で一定の価格で公開買付けを行い、一定の株式数を取得する形態です。

特徴

  • 一定数の株式を迅速に取得できるため、買収プロセスが迅速に進行します。

  • 友好的なTOBと敵対的なTOBがあります。

事例

  • 大規模な企業買収や戦略的な企業連携を目的とする場合に利用されます。

6. LBO(Leveraged Buyout)

概要

  • LBOは、買収資金の大部分を借入金で賄う買収形態です。被買収企業の資産を担保にして借入金を調達します。

特徴

  • 少ない自己資金で大規模な買収が可能です。

  • 買収後の返済負担が大きく、リスクも伴います。

事例

  • 経営陣や投資ファンドが企業の買収を行う際に利用されることが多いです。

7. MBO (Management Buyout)

概要

  • MBOは、被買収企業の経営陣が自らの会社を買収する形態です。経営陣が中心となって買収資金を調達します。

特徴

  • 経営陣の意思決定が迅速かつ柔軟に行えるようになります。

  • 経営陣と現オーナーの間で合意が必要です。

事例

  • 経営陣が独立して事業を継続するために行われることがあります。

8. JV (Joint Venture、合弁事業)

概要

  • JVは、二つ以上の企業が共同で新しい事業を設立し、共同で運営する形態です。各企業が資金や資源を出し合います。

特徴

  • リスクとリターンを共有し、補完的な資源や能力を活用できます。

  • 経営権や利益配分についての合意が必要です。

事例

  • 新市場への進出や新技術の開発において、パートナーシップを強化するために利用されます。

結論

M&Aには多くの種類があり、それぞれに特徴と利点があります。企業は自社の戦略や目的に応じて、最適なM&Aの形態を選択することが重要です。成功するためには、適切な準備と計画、専門家の支援を受けることが不可欠です。これにより、企業は競争力を強化し、持続的な成長を実現することができます。


賢い買い手として成功する為に、1つずつ一緒に勉強していきましょう!!次回は、会社を売る理由です!
どうして会社を売るのか、その理由について書いていきます!

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