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いつも雨ふり ㊲

私が東京で初めて仕事をしたのは後楽園の近く、茗荷谷というところだった。

会社の近くには大きな公園があり、その裏手は林になっていて、樹齢何百年にもなりそうな、神木みたいな立派な大樹が何本か生えていた。

その木に逢いたくて、昼休みには必ず公園へ行ったものだ(記憶では、その林は小石川植物園が管理していたと思う)。

もちろん、昼休みには私だけでなく、近隣の職場から沢山の人が憩いに来ていたが、その中に、

子供と遊ぶ、鈴木ヒロミツさんの姿も見られた。(たぶん、私が東京で出会った初めての芸能人である)

ある程度の年齢の方でないと、若い人ではご存知の方は少ないかも知れない、

日本のロック歌手、鈴木ヒロミツ。

2007年、60歳で亡くなってしまった。一世を風靡し、後年は役者として活躍していた。


「好きになったよ、女の子、それが言えない、僕なんだ~」

↑こんな歌詞の曲があったそうだ。吉田拓郎が広島時代に歌っていたという。

1972年、拓郎のその曲を、

俺たちに合うようにと、強引に歌詞を書き換えさせたのが、鈴木ヒロミツ。

丸顔で優しそうな顔しているが、本当はとても怖い人だったようで、拓郎も怖くて断れなかったらしい(恐いけれど、愛嬌のある奴といっている)。

でも、それで産まれたのが、この名曲だ。

•*¨*•.¸¸♬︎
疲れ果てていることは 誰にも隠せはしないだろう
ところが俺らは何の為に こんなに疲れてしまったのか
今日という日が
そんなにも大きな1日だとは思わないが
それでもやっぱり考えてしまう
ああこのけだるさは何だ

いつかは何処かへ落ち着こうと
心の置き場を捜すだけ
たどり着いたら、いつも雨降り
そんなことの、繰り返し
やっとこれで俺らの旅も
終わったのかと思ったら
いつものとこではあるけれど
ああここもやっばりどしゃぶりさ

心の中に傘をさして
裸足で歩いてる自分が見える
人の言葉が右の耳から左の耳へと通り過ぎる
それ程頭の中はからっぽになっちまってる
今日は何故か穏やかで
知らん顔してる自分が見える

『たどり着いたらいつも雨降り』作詞・作曲 吉田拓郎

ぜひ、YouTubeで聴いてみて下さい。



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