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インディアン ☆106

アンソニー・ホプキンスと言えば、『羊たちの沈黙』ハンニバル・レクター博士だが、これほど強烈なキャラクターは他に類を見ない。

おぞましい「人喰いハンニバル」の異名を持つ冷酷非道な殺人鬼でありながら、高い知性と教養と優雅さも併せ持つ。まさにアンソニー・ホプキンス以外にレクター博士は考えられない。

レクター博士は本当に怖くて恐ろしいのに、それを越えてしまう程の魅力を誰でも感じざるを得ないのだ。

それが証拠にマンガやドラマでもパクられ、パロディを作られ、遊ばれ捲られていて色んな形で登場しているのだから、精神異常者、凶悪犯でありながら、市民権を得てしまっている。

窃盗犯でありながらアルセーヌ・ルパンが認められているのに似ているが、それよりももっと強烈?『羊たちの沈黙』はサイコホラー映画と紹介されてしまうが、その範疇も超えているように思える。大好きで何度も観てしまった作品である。

ただやはり、レクターの存在を受け入れられない人も居て、続編の『ハンニバル』ではもう一方の主役であるジョディ・フォスタークラリス役を降りてしまった。彼女も大好きな女優なので凄く残念に思ったのだが。

しかし、アンソニー・ホプキンスが名優である事は誰しも認めるところであろう。私は彼の出演を基準にして作品を観てしまうくらいだが、如何せんレクターの印象が強すぎて、名優の邪魔になってしまっているかも知れない。

しかし、そんな私が『羊たちの沈黙』よりも大好きな彼の映画があるのだ。

それが『世界最速のインディアン』なのだ。

これは、1000cc以下オートバイの地上最速記録保持者バート・マンローの実話をもとに作られた作品で、

ニュージーランドの田舎に住む67歳の男が、21歳の時に買った古い1920年型のインディアン・スカウトというバイクを改造に改造を重ねて、世界最速のバイクにしょうと夢見ているのだ。

頑なに、夢を追いかけるジジイなのだが、人々からクレイジーと揶揄されながらも、彼の信念は揺るがされる事なく、1967年、ついに海を渡り、ユタ州のボンネビル・ソルトフラッツにおいて世界記録に挑戦してしまうのである。

世界最速のインデアン-プロモーション.VOB


このバート・マンローの言動がとても素敵で、このアンソニー・ホプキンスを観たら誰もが彼を好きになるのではないだろうか?レクター博士も脱帽するに違いない。

彼のようなジジイになれたら良いのにと本気で思う。私の目標なのだ。

この作品は本当におススメの1本である。

※バート・マンローの大会挑戦の歳がWikipediaでは67歳、YouTubeでは63歳になっています。


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