Mの振り返りと個人的辛口?でもない批評 2023
【予選】
令和ロマン
ほぼはじめて観たけど話すのが上手すぎて、空気を持っていくのが上手すぎて驚いた。話術のベースがあるから何やっても面白くなりそうだし、間の空け方も上手で笑いやすくて安心してみていられるという感じ、とにかく場慣れがすごいなと思った。それでいてネタ自体も面白かったので、トップバッターとして最大点という感じ。
自分が審査するなら94点はつけそう。93点だと大体3組残れないから。
シシガシラ
大前提としてハゲネタ自体があまり好みじゃないのだけど、敗者復活戦のネタがウケたのは納得してる。
過去にギャロップがハゲネタ一本でやっていまいちウケなかったし、タイムマシーン3号がデブネタ一本でやった時も同じくだったので、このネタならまあこうなるわなと。
まずは敗者復活戦のネタをやって、「自分たちはこうやってハゲネタをつき詰めて敗者復活戦を勝ち上がってきたんです」ということを示した方が良かったかもと思った。
下限とまではしないけど87点くらいにしそう。
さや香
個人的にあまり好きではない。漫才は上手いのだけど笑えたかというと別で。二人に人間的な魅力が感じられないから、ネタにも入り込みにくいのではないかと思っている。
あと去年見ていたから展開もちょっと予想できてしまった。
自分が審査するなら令和ロマンとはかなり差をつけそう。90点
カベポスター
面白いのだけど3組に残れるタイプの漫才ではないなと前から思っている組。今回のネタも個人的にはかなり好きで面白かったけど、手数が少なくて場には合っていないかなといった感じ。赤ありなのにどっしり役作りしているようなのに近い。
どの観点でつけるかでさや香より下か上か変わるなあって感じ。とりあえず同点の90点。
マユリカ
個人的にはめちゃくちゃ好き。だいたいのネタが「大笑いポイントがあるが全体の作りが粗い」ので、そんな点は伸びないだろうな、でも爆発してほしいなと期待していた組。
コントに入る前の阪本のいつものキモいポーズと顔だけでも私はかなり面白かったのだけど、会場でそこに笑いが起きてない時点でやっぱり雰囲気持っていけてないなとは思った。
一発大きいパンチ持っていければいいみたいな漫才だけど好き。「ズッキンズッキンプッチン不倫ポンピン」好きw
贔屓も込みで92点つけそう。
ヤーレンズ
ほぼ初めて見たけどめちゃくちゃ面白かった。ボケの数が多いのとツッコミのワードセンスがあってどっちが主体になっても笑いを起こすことができるし、ネタも斬新なものが多く、リズムが良くて飽きが来なかった。令和ロマンとヤーレンズの2組は似ていて、どちらも話術が巧みかつネタが洗練されているように感じた。
順番の妙も込みだがここまで見た組の中で一番良かった。96点。
真空ジェシカ
もちろん好きだけど、「大喜利をつなぎ合わせたタイプの、最近多い漫才」みたいなことを言われ過ぎて、かつ連続で決勝進出していて鮮度がないので勝ち切るのはかなり難しいだろうなと思っていた。
普通にネタ面白かったのだけど、もはや普通にネタが面白いだけではやはり足りないんだろうなと思った。初出場の組と違ってスタイルチェンジを(審査員からというより会場の雰囲気から)求められているのは結構大変だなとは思う。
かなり難しいけど終わり方の差でマユリカの方が1点上の91点に。
ダンビラムーチョ
「M-1で歌ネタはタブーだよ?」「これ全部サブスクではカットだよ?」みたいなメタが入るのかな?て勘ぐってしまったくらい天体観測が長かった。変に捻らないでやっているのがらしいと言えばらしいのだけど、「まっすぐに同じことやっているのが逆に面白い」と感じられるまでには昇華できていなかった。
そろそろ見るのが疲れているくらいの出順で、頭使わなくていいネタだったのでなんか助かるなと思ってしまった。
この順で出てくると85点でも89点でも最終結果に変わらないのだけどとりあえず88点くらいか。順番のアッパーもあってシシガシラより1点上。
くらげ
ダンビラとほぼ同じ。「まっすぐにおなじことやっているのが逆に面白い」まで全然昇華できていない(&頭使わなくていいので助かる)。あと次のネタ行く前に毎回「お前詳しいな!」みたいなツッコミすらなしでいくのがすっきりしなかった。
あえて単調なネタにするのがダンビラと被っていたのもより単調だなと思わせてしまっていたかも。87点くらい?
モグライダー
ダンビラ、くらげを観ているときに多くの人が「モグライダー爆発しそう」と思っていただろうに、期待に応えられなかった印象。
モグライダーが決勝に残ったということはつまり良いネタができたのかあるいは違うパターンを生み出したのかなと期待していたのだが、ふたをあけてみるといつもと同じようなパターンのネタだった。(最終決戦用に温存していた可能性もあるけども。) これも再度決勝進出した組として難しいところ。
あとは練習不足というよりネタの練り不足な感じがした。間もだし、笑いポイントもっと練り上げられそうな感じしかしなかった。89点
【決勝】
令和ロマン
面白かった。ネタ自体は途中で終わった感じもあったけど、ワードのパワーと話術、そして「トップバッターでそのまま優勝」のドラマが乗っかった状態でどこまで会場を持っていけるかによるかなと思った。
今回のM-1を盛り上げたのは予選も最終決戦も令和ロマンだし、なんか体が大きくて堂々としているから優勝が似合うなとも思ったので、審査員が選ぶなら令和ロマンかな~と思っていた。
Xで流れてきた記事を読んでいて、くるまが相当頭いいんだろうなってのがよく分かった。ネタを流れや順番に応じて4本作っていたとか、トップバッターだった時は番組が盛り上がって成功になることを考えていた点など圧巻で、優勝するにふさわしいコンビだった。
ヤーレンズ
面白かった。のだけど1本目の方が面白かったかも。それから1本目の時はそこまで感じなかったけど2本目は下地がアンタッチャブルと同じだなあとか既視感が強くてネタの鮮度がないようにも思えてしまった。
それでも徹頭徹尾ネタが作りこまれているところが私は好きだったので、自分だったら僅差でヤーレンズかなと思ったけど、漫才以外の面も含めて優勝をたぐりよせるほど空気を持っていけてはないなとは思っていた。
ヤーレンズは来年以降が大変そう。真空ジェシカとかオズワルドみたいになってしまいそうなのでそこは心配だけど、ぜひ決勝残って笑わせてほしい。
さや香
からあげネタもそうなんだけど初見の人は笑いにくいと思う。ああいうネタを例えばウエストランド井口とかとろサーモン久保田がやっていたら滑稽で面白いのだけど、さや香というか新山がボケでやるのだと体が大きすぎて可愛げがないから笑いにくく、もっと言うと引いてしまう感じもある。
このネタを敢えてやりたかったってのはわかるけど、笑えなかったら自己満足でしかない。番組としての盛り上がりを考えた時にそれはどうなのかな(他2組が微妙だったら番組として終わるじゃん)と思うし、前2組の出来が良かっただけに勝負ネタで対抗できたのかやってほしかった気持ちがある。(ちなみに笑い飯のチ○ポジネタとさや香の今回の最終決戦ネタは全然違うと思ってる)
敗者復活戦
これまでの方式だったらシシガシラが上がってこれなかったと思うから、人気がある組ばかりが上がっていたこれまでとは明確に違いがあったのは良かった。
一方で、仕方がないことだけどやっぱ後攻有利過ぎない?は思ってしまった。シシガシラはブロックではむしろ先行になっていてその中で勝ち切ったのはとても素晴らしいことだけど、最終決定投票は比較的に直後にネタをやったCブロックだったのが有利だったように思うし。
通しで見ると疲れるし、そんなに観なくていいかなと思ってしまう組もいたので、組数はもっと少なくてもいいかもとか改善案はありそう。
個人的にはエバースが一番よかったです。次がトムブラウン。
全体として
今年は三回戦や準々決勝のネタ一切見てないし、本放送も結構子供の相手したりなどながら見の部分もあって、例年よりもかなり集中力が低い状況で見ていたけども、十分に楽しめました。M-1は2003から全部リアタイしているほど好きで、有名どころの組があまりいない年の見方もそれなりに慣れているからですかね。
あとは地上波を久しぶりに観たけど、スタジオのセットの豪華さがすごいわ。天井が高くてびっくりしました。
おわり
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タイトルの序破Qてのもだいぶ古く感じられるようになったなと思いました。2023年5月~シーズン開幕までに書いたnoteがまとめて読めるマガ…
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