ブラックペアンシーズン2-二宮和也as天城雪彦エグいて-

てっきりもう無いものと思ってました。
6年の時を経て続編発表にぶち上がらなかったオタクいます?

見事にS1の1話で渡海に落ちて翌日には黒本シリーズを書店に買いに走り読み切った結果
「ニノ、渡海もいいけど天城やったらハマると思う…」
「てゆーか天城めっちゃすき。癖(ヘキ)…。」
と思ってたので続編が決まってからソワソワし続けて、正式に天城役二宮和也さん!って発表された時は「ッシャァァァ!!」ってガッツポーズかましました、心で。

黒本シリーズ読むと渡海もそりゃクセ強のオペ室の悪魔なんだけど、天城雪彦はそれを遥かに超えるクセ強天才外科医なんですよ。
モンテカルロのエトワール。グランカジノの王。エルミタージュの黒服の貴族…気だるげおじをイメージしてるのでそりゃまぁ桜宮市民(海堂シリーズファン)が思い描くのはどちらかといえばもっと渋めおじだとはわかるんですけど、

それでも私はフランス語喋るモンテカルロのエトワール二宮和也が見たいんじゃぁァァ……!


て思ってたので、オーストラリアのハートセンター設定になった時は正直「はァ?!」ってブチ切れてました。
ええ、わかります、撮影許可とか、予算とか…大人の事情があるということは……。
しかし始まってみればさすが日曜劇場クオリティ、さすが第39回日本アカデミー賞主演男優賞…色んな期待も不安もモヤモヤも全部軽やかに飛び越えた『天城雪彦』がそこにいるじゃないですか。

ほんとに、ほんとうにこれはS1を気に入ってくださって、「天城ってキャラクターがいるんだけど、二宮くんでやれないかな」と伊與田プロデューサーに続編の提案してくださった海堂先生に大感謝しかないです。

というわけでここからはここがやばいよブラックペアンシーズン2好き放題喋ります。

1.オペは芸術だもん。エンターテインメントに全振りの手術シーン

S1も良かったですが、何を置いても天城クラシックタイム(二宮くんX参照)こと手術シーン。
「このオペ室では神と悪魔が共同作業する。それを人々は奇跡と呼ぶらしい」
そんなオペシーンで流れたパガニーニの24のカプリース。
その超絶技巧を悪魔に魂を売って手に入れたとも囁かれた賭け事大好きお金大好きパガニーニ。え、それ天城やん。
悪魔的精緻を極める実在しない手技、ダイレクトアナストモーシスを神業的スピードで。
ヴァイオリンの旋律とモニターの心電図の波形を描く所の音ハメが気持ちいい。
「オペは芸術だもん」(これオリジナルのセリフですね)をわからせる演出。あ、これ一生観てられるやつだ。(結果2話までNetflixで毎日のように天城クラシックタイム見たしこれ書いてる今も観てる)
2話のPVみたいな編集すごくないです?あとフェルト(ドン) 脱転(ドン)みたいな必殺演出。ここまでオペシーンを「エンタメ」に振り切った演出って初めてじゃないだろうか。公式が医療ドラマではなく医療「エンターテインメント」と言うのも頷ける。
すぐSNSやネット記事にリアリティおばけが現れる現代においてある意味革命的演出じゃないだろうか。
ドラマの世界くらいファンタジーを見たい派の素人としてはこういうのが見たい。

2.クセ強天才外科医×2の正解を突きつける俳優二宮和也の恐ろしさ

手術着着て、マスクして髪も隠れゴーグルとルーペで目元も隙間からしか見えない、つまり見た目にはほぼ頼れない状態で、これは渡海じゃなくて『天城だ』と思わせる技量。
このオペシーンにこそ渡海との演じ分けの難しさがあり、それでもそれを軽々とやってのけるのが俳優二宮和也の恐ろしさだよなとゾクゾクしながら見ていました。
1話は英語だったのでそりゃ違うだろ、なので(1話の「Metzenbaum」はめっちゃ好き) 2話のオペシーンで触れていくと、難易度エグいオペしながら目元めっちゃ笑ってるわこの人…(これが何とも天城)
からはじまり、なにより機械出しの指示。声が渡海とは明らかに異質。
やれ辞表書け一千万出せ死ねよと暴言吐きまくりだった渡海もオペの時だけは声が落ち着いて優しいってとこがたまらなく好きだったんですが、メッツェン⤵、ハチゼロ⤵って語尾が落ちるタイプの声をしていたのね。
一方天城はバックに流れるクラシックの旋律に合わせるかのように「サクション⤴︎優しく〜⤴︎」とまるで歌うように、あるいはコンダクターのように軽やかに指示出しをし、オペの指揮を執っていく。圧倒的な手技とこの掴みどころのなさ、余裕が天城雪彦という人が世界一の天才外科医であると、東城大の面々にとっては渡海に匹敵する、否それ以上の人物であると否応なしに見せつける形になる。怖いて…第39回ry……

3.オーストラリア設定なのにフランス語めっちゃ喋るやん天城(これは好きポイント×考察)

そしてブルドッグ(鉗子)を膿盆に落として
「L'opération est fini」
来たァァァァ!これが天城ですありがとう〜〜〜
「Le coeur est si beau. 心臓は美しい」
ハッ!?何か新しいフラ語の決めゼリフ爆誕したんですけど…!?
え…うそ……スキ………

てかオーストラリア設定なのにめっちゃフランス語喋る…過去にフランス(語圏)にいた設定なんだろうか…とも思うけどそうじゃない場合に考えられること、

「オペは芸術だもん」
「僕がオペするのは人間で最も美しい部分の心臓だけだよ」
というセリフからもこの天城、独自の美意識の強さが現れている。美しいものへの拘りから「世界一美しい言語」とも言われるフランス語を好む、という設定なら舞台が変わっても辻褄が合うなぁと考えてました。
ただ、2話で懇親会にいたご婦人とフランス語で喋ってたので、やはり過去にいた設定なのかも。これはどっちでもおいしい。

4.世良先生の成長がすごい。オカン目線になる。
そもそも原作では世良が主人公ですからね。なので主役を渡海や天城に据えたとしても必ず世良の成長物語が主軸にある。圧倒的手技を持つ天才外科医が権謀術数渦巻く白い巨塔で好き放題かます痛快医療エンタメと、一人の若き医師の成長物語の二軸で展開する。これが日曜劇場らしいドラマとしての骨太感を与えてくれる気がする。
1話で研修医の子が挿管うまくできなくておろおろしている所に颯爽と現れて処置をしていく世良先生。
6年前はその研修医が世良で、渡海に助けられた。その後、患者さんのピンチに颯爽と現れて助ける、そういうのに憧れていたと理想と現実のギャップに打ちのめされる姿を見せていた世良くんが、あの時語っていた理想の姿に…!ここでS1からのファン(私)はもうオカンです。
「立派なお医者さんになって…(涙)」
からの「じゃあ一千万払えよ」は笑いましたが、その後には廊下で患者さんにご飯食べれてる?と優しく声をかける姿が映っていて、ほんとにいいお医者さんになってるなぁとほっこり。
その後のビーチでの処置、あとソヒョンのVTの診断なんかは監修の山岸先生がたくさん語って下さってるので山岸先生のX参照で。
2話の公開オペでも弁輪の石灰化を除去しようとする垣谷先生に「天城先生に報告した方がいいんじゃ」と止めようとしたり、出血を起こした時に「あぁ、だから天城先生手を出さなかったんだ」と察したり、人工心肺を下ろす判断をしようとする高階先生に「この状態で出血が止まるのは難しいと思います」と意見したり、6年前と違い、一人の外科医として目の前の患者と向き合い、時に先輩医師にも意見する、こういった言動の端々から着実に医師としての経験値を積み上げている事が素人目にも感じられて頼もしくなる。そんな世良くんが天城という神の手を持つ悪魔のような天才外科医に目を付けられてしまい、時に振り回され、時に薫陶を受け、どう立ち向かい、どう成長していくのか…ここも楽しみでなりません。

毎回喋りたいところいっぱい出て来そう〜〜
前述のように色んなところでリアリティおばけ出てくると思うけど、そもそもフィクションであるものに対して現実はこうだ!こんなのは…ってピーチクパーチク言うのってもう現実とフィクションを混同する見る側の想像力の欠如だと思うんですよね。
フィクションなんだから面白いモン見せてくれたらそれでいいよ〜派です。
ことブラックペアンに関しては
これは医療『エンターテインメント』なんだから楽しんだモン勝ちじゃい!という気持ちでわくわくしながら日曜を待ちわびようと思います。

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