聾者の母とのコミュニケーションは?
『お母さんとどうやって会話してるの??』
自分の母が聾者であることを近しい人に伝えると、まず最初に聞かれるのがこの質問です。
結論から申しますと、私の母は《読唇》、つまり相手の口の形を見てその相手の発言を理解しています。
なので母と会話する際は、口を大きく開けながらゆっくり話ます。『な』と『だ』など似たような口の開き方でどうしても伝わらない時は紙に書きます。
読唇術は小学校から通っていた聾学校で学んだそうです。聾小学校時代は徹底的に読唇術を教え込まれ、手を使おうとすると『いけません!』とピシャリと手をしまわれたそうです。(一生懸命に教えてくださったから)
ですので、本人は殆ど手話が分かりません。
それでもお店などで店員さんが『最近始めたばかりですけど‥』と少し照れくさそうに手話で話しかけてくださる時、母はとても嬉しそうです。
手話が広く世間に浸透するなかで、聾者に対しての理解も随分深まった気がします。
本当に有り難いことです。
耳が聞こえないとその場の静寂や喧騒に応じて声のボリュームを変えられないので、平気でメチャクチャ大きな声で話したりします。
私が子どもの頃は母と一緒にいると周囲から白い目で見られたり、
発声が独特なので『お母さん、外国人?』と聞かれて随分傷付いたこともありました。
母が傷付くとこが嫌で、小さい頃からそういったことを自分の心の奥深くに沈めフタをすることが私の日常になっていきました。
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